クラシック音楽とは
めくるめく【物語】…
さあ!その世界へと駆けだそう♫
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「え〜?…クラシック音楽って、なんか…
- 長いし、
- 退屈だし、
- つまんな~い!」
という感想を持たれる方は多いものです。
でも…
でもですね…
「『クラシック音楽って物語…』。
…そうとらえてみると、けっこう面白いのではないかと…」。
そんなことで、今回はクラシック音楽の持つ「物語性」という部分にフォーカスしつつ、クラシック音楽の隠れた魅力をお伝え出来たなら幸福です。
- 【はじめに】【物語のある】クラシック音楽15選
- 【交響曲】には起承転結がある
- 【管弦楽曲】自由に発想!
- 【協奏曲】主人公が大活躍!!「一人称」の物語
- 【室内楽】小さな日常と細やかな感情
- 【ピアノ】まるで「モノローグ(独白)」
- 【声楽曲】「調べ」と「言の葉」がつむぐ物語
- 【オペラ】とは、まさしく【物語】そのもの
- 【まとめ】【物語のある】クラシック音楽15選
【はじめに】【物語のある】クラシック音楽15選
クラシック音楽を聴くとは…
- 音楽を読むことであり、
- 物語を聴くこと
なのだと思います。
物語とは、
- 人生のひな型であり
- 生きる上での勇気を与えてくれるもの。
今回はそんな「物語が、本来、持ってる力」を踏まえつつ【物語のある】クラシック音楽をジャンル別にご紹介です。
【交響曲】には起承転結がある
交響曲は4楽章で構成されている。
もちろん例外は、あるものの基本的に交響曲は4楽章形式です。
これ、別のある雛形に似ていなくもないかな…と思ったりします。
それが「起・承・転・結」で形作れられる物語の基本構成。
そう、ひとつの作品が「4つに分かれて構成されることで安定する」ということは、
- 物語であれ、
- 音楽であれ
あるのかも知れないなあ…なんて、感じたりするのです。
そういえば、中国の「四行詩」という「4つのセンテンスに区切った詩の構成」も有名かも…。
つまり、クラシック音楽でいうところの交響曲も、とてもバランスが良くドラマティックでもあるように感じるということは言えると思います。
そんなわけで、数ある交響曲のなかでも、特に物語性のある3曲を解説していきましょう。
【物語のある】交響曲
ベルリオーズ:《幻想交響曲》
作曲者ベルリオーズは、大きな失恋を経験します。
芸術家にありがちな「心にザックリと深く傷を負った」ということです。
煩悶するベルリオーズは、失恋からくる幻想、幻覚の中で《幻想交響曲》を作曲します。
そして、ベルリオーズ自身の書いた《幻想交響曲》演奏会のために書かれたプログラムはまさに「物語」です。
これを簡単に物語として表しますと、…
【起】(第1楽章冒頭)
ある感受性と想像力に富んだ音楽家が恋をします。
【承】(第1楽章から第3楽章)
しかし、思い届かずに失恋。
その絶望からアヘンによる服毒自殺を図りますが、致死量に至らず奇妙な幻想を見ます。(第1楽章)
- 第2楽章では「舞踏会での愛する人との出会い」
- 第3楽章では「牧歌的な野の風景」が広がります
そして、さらにドラマは展開します。
【転】(第4楽章から第5楽章)
夢の中で、思いあやまって愛する人を殺してしましまい、死刑を宣告され断頭台へと導かれていきます。
そんな絶望の瞬間が描かれます。
そして、迎える死…。
気がつくと、彼のまわりには亡霊や魔法使い、化け物たちがウヨウヨと集まりうごめいています。
そう彼はサバト(魔女のうたげ)にやって来たのです。
気がつくと、そこには愛する人の姿も…。
死を弔う鐘の音、こっけいで怪しげなレクイエム(死者のためのミサ曲)などが流れます。
変わり果てグロテスクな姿と化した「愛する人」も踊り狂います。
そんなさまが描かれながら曲は終了します。
【結】
「え…!そんな終わり方…?」
と、思われるかもしれませんが「幻想」ではなく「現実世界」では後日談があります。
失恋から5年後、相手の女性は《幻想交響曲》の再演を聴きに来ます。
それをきっかけにして、ベルリオーズは相手の女性に再開して、恋心は再び燃え上がり、なんと2人は結婚に至るのでした。
う〜む「事実は小説より奇なり」とはこのこと…。
なんだか、小説以上に嘘くさくて信じられない「物語」展開ですよねえ…。
でも、コレ…事実なんです。
リスト:《ファウスト交響曲》
文豪ゲーテの代表作《ファウスト》は大作ですが、これに感動したリストは交響曲という物語の型枠に物語《ファウスト》を書き写しました。
【起】(第1楽章冒頭)
主人公ファウストは、その人生を学問に捧げて生きてきた言わば「知の大家」とも言える学者です。
深い思索の時を経て、精神的に悶(もだ)えるファウストでしたが、全人生を費やしても、なお知り得ない真理の多いことに絶望し自ら死ぬことをを決意します。
そこに悪魔メフィストフェレスが現れ、契約を持ちかけてきます。
つまり、
「そなたに若さを授けよう、しかし『時(瞬間)よ止まれ、おまえは美しい』と言った瞬間、そなたの魂は私がいただく!」
真理の探求を続けるには、人生の時間が絶望的に足りないと感じているファウストは、この悪魔メフィストフェレスとの契約を受け入れます。
【承】(第1楽章途中から第2楽章)
20代の青年として学問のやり直しを始めるファウストでしたが、そこである経験をします。
そう美しき女性マルガレーテとの出会いと恋心の芽生えと、けなげで可憐な少女の姿が描かれます。
学問への情熱や野心なども描かれながら劇的に展開します。
【転】 (第3楽章前半)
マルガレーテはファウストの子を身ごもりますが、出産前にマルガレーテは生命を落としてしまいます。
失意のファウスト。
- 失意
- 逆境
- ネガティブな感情
そんな思いに支配されかかりながらも、真理を探求するファウスト。
しかし、ある瞬間、あのワードを思わず口走ってしまうのです…。
そう…
『時(瞬間)よ止まれ、おまえは美しい』
契約通りに魂をもらい受けようと表れる悪魔メフィストフェレス。
しかし、その時、天上に存在するマルガレーテの祈りは届き、ファウストの魂は天上へと引き上げられます。
そして最後は見事な歌詞が合唱によって「ファウストの魂の救い」が歌われ、描かれていきます。
永遠に女性的なるもの.........
われらを導く
すべて無常なるものは影像たるに過ぎず
(文:岩井宏之《ショルティ:指揮 シカゴ交響楽団CDのライナーノートより引用》)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番《革命》
こちらは曲の展開というよりは、楽曲に託された作曲者自身のエピソードを物語的に解説します。
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番《革命》は作曲者ショスタコーヴィチの思いや、実際の人生で起こった出来事が込められているからです。
【起】(第1楽章)
時はスターリン政権下のソビエト。
すべての芸術は「社会主義リアリズム」の理想を体現したものでなけらばならない。
そんな押しつけの価値観が渦巻く時代に、音楽家として生きたショスタコーヴィチでした。
ショスタコーヴィチの交響曲第5番《革命》の第1楽章は、そんな「芸術家の自由が束縛された、薄暗くまた重苦しいイメージの時代」を思わせるイメージです。
【承】(第1楽章)
ただ、ショスタコーヴィチ自身は「モーツァルトの再来」と言われるほど評価され成功していきます。
第1楽章の持つ堂々としたテンポとリズムが音楽家として成功していくショスタコーヴィチの姿を思わせます。
【転】 (第3楽章)
ショスタコーヴィチと交流のある芸術家や親戚の中には、政権にそぐわない考えを持つために投獄され、場合によっては処刑される者も出てきました。
また同じ頃、ショスタコーヴィチ自身も自作の音楽をソビエト共産党から批判されます。
つまり、
- オペラ《ムツェンスク郡のマクベス夫人》を「荒唐無稽である」
- バレエ音楽《明るい小川》を「バレエの偽善である」
と…。
この事件を機に、身の危険を感じるショスタコーヴィチ…。
【結】(第3楽章後半から第4楽章)
一計を案じるショスタコーヴィチは新しい曲を書き始めますが、それが交響曲第5番《革命》なのでした。
それは、「ソビエト共産党を肯定しスターリンを神格化する」内容を含んだものでした。
そして見事、ソビエト共産党からの評価を得て事なきを得たのです。
しかし、しかし…この交響曲第5番《革命》には、バレたら殺されるくらいの重大な「ある暗号」が隠されていたのです…。
【管弦楽曲】自由に発想!
「情景描写」や「物語を音楽で表現」することの多い管弦楽曲というジャンルです。
もちろん、交響曲の中にも、一部ではありますが、このような表現をするものがあるのも事実ですが…。
ただ、やっぱり管弦楽曲というジャンルからは「自由性」のようなものが感じられることが多いですね。
その「自由性」の中から生まれた「物語」も壮大であり、交響曲と同じく「起・承・転・結」で表すことが可能です。
【物語のある】管弦楽曲
チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》
【起】(序曲から第6曲)
クリスマス・イヴの夜、少女クララはドロッセルマイヤーおじさんからくるみ割り人形をプレゼントされます。
大喜びのクララはくるみ割り人形を枕元に置いて眠りにつきます。
【承】(第7曲から)
0時を迎えた頃、クララは目を覚まし、くるみ割り人形と同じ背丈へと体が縮んでいきます。
しかし、そこにネズミの軍隊が攻めてきます。
それに応戦するクララとくるみ割り人形でしたが、気がつくとくるみ割り人形は王子の姿に変身していました。
そして、クララの機転でねずみの軍隊を追い払うことに成功します。
王子はお礼としてクララをお菓子の国へと招待します。
そこで、クララは、お菓子の精たちに歓迎されてパーティが始まります。
そして、王子とともに、楽しい時間を過ごしたのでした。
目を覚ましたクララは今までの出来事が夢であったことに気づきます。
これが夢であったとは信じられないくらいに、実感を伴った夢であったためクララは周りの人びとに話しますが、誰も信じてはくれませんでした。
【結】(第15曲)
しばらくたったある日、突如として現れた、とある国の王子に求婚されます。
その王子は、たしかに、あのくるみ割り人形から姿を変えて出会った王子なのでした。
メンデルスゾーン:《真夏の夜の夢》
【起】
少女ハーミアと青年ライサンダーはお互いに惹かれ合っていました。
しかし、ハーミアの父イージアスはデメトリアスとの結婚を望みます。
【承】
駆け落ちを決意するハーミアとライサンダー。
そこでハーミアは友だちのヘレナには、駆け落ちのことを告げて旅立ちます。
しかし、デメトリアスに好意を寄せるヘレナは、このことをデメトリアスにしゃべってしまいます。
それを聴いたデメトリアスは、駆け落ちしたハーミアとライサンダーを追い、さらにヘレナもデメトリアスを追う形になります。
いたずら好きな妖精パックは、ライサンダーとデメトリアスにホレ薬を塗ります。
するとなんと、ライサンダーとデメトリアスは2人ともヘレナを好きになってしまい、ヘレナをどちらが物にするかをかけて決着をつけるべく、闘いを始めます。
さらにライサンダーを奪われたと思ったハーミアはヘレナに襲いかかります。
【結】
「しまった!」と思った妖精パックは、ライサンダーに塗ったホレ薬の効き目を無くします。
そこで一件落着。
そう、つまり、ライサンダーはハーミアと両思いに戻り、デメトリアスとヘレナもめでたく両思いになったからでした。
リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》千夜一夜物語
妃(きさき)の不倫を知ったシャフリヤール王は城下の女性と夜を供にしては殺すという日々を送ります。
それを見かねたある大臣の娘シェラザードは、シャフリヤール王の妻になることを決心します。
大反対の父の大臣でしたが、シェエラザードの決心は固くシャフリヤール王のもとへと嫁いでゆくのでした。
シェエラザードは毎晩シャフリヤール王に寝物語を語りますが、この寝物語を音楽にしたのが交響組曲《シェエラザード》なのです。
そして、シェエラザードは、毎晩ベッドの中で物語のイイトコロに差し掛かるところでピタリ…と、物語を終えて眠りについてしまいます。
話の続きが気になって仕方ないシャフリヤール王は、そんなシェエラザードを殺すことが出来ませんでした。
シェエラザードの1001話もある寝物語として、有名なのは、
- シンドバットの冒険
- アラジンと魔法のランプ
- アリババと40人の盗賊
などですね。
しかし、リムスキー=コルサコフ作曲のシェエラザード全4曲のうち「シンドバッドの冒険」以外は、上記のお話し以外の物語が展開されていきます。
音楽自体は、とくに「起・承・転・結」があるわけではありません。
しかし、シェエラザードの寝物語は、きっと「起・承・転・結」がしっかり練られ、巧妙でワクワクした物語であったことでしょう。
そして、きっと物語の「結」の寸前…シェエラザードは人差し指を立てて
「しーっ!この物語の続きは、また明日…」。
と、シャフリヤール王子を焦らしまくったことでしょう。
そして、1001日の物語の夜を迎えたころには2人の間には3人の子が生まれ、最終的にはシャフリヤール王子の殺戮はピタリと止まったというお話しなのでした。
ドビュッシー:《牧神の午後への前奏曲》
なんともゆったりとしたギリシャ神話のある小さな一場面と言える風景描写です。
【起】
よく晴れた午後、牧神パーンは、葦(あし)で作られた笛を口にくわえて、うつろな音を楽しんでいました。
その意識は、夢と現実を行ったり来たりしていました。
牧神パーンは、午後の昼寝が大好きなのです。
【承】
そんなボンヤリとした時を過ごしていると、目の前の水ぎわに、美しいニンフ(女神)たちが水浴びにやってきました。
その美しさは輝くばかりのまぶしさです。
牧神パーンは、思い立ち、ニンフたちをゲットしようと追いかけます。
しかし、ニンフたちは、それに気づいて足ばやに逃げ出します。
結局、逃げおおせたニンフたち。
思いが果たせずに立ちすくむ牧神パーン…。
そして、再び、うつろな時がやってきます。
葦(あし)の笛をむなしく吹きながら、
うつろな午後の時は、おもむろに過ぎてゆきます。
【結】
ああ、仕方なし…。
牧神パーンの「むなしくも楽しいお昼寝」は続く…いつまでも…。
ドリーヴ:バレエ音楽《コッペリア》
【起】
青年フランツは、人形であることに気づかずにコッペリアに恋をします。
スワニルダという少女と婚約までしているのに…。
【承】
スワニルダは婚約者のフランツの様子がおかしいと思い、恋をしている相手であるコッペリアに会いにコッペリウス博士の家へと行きます。
そして、留守を狙ねらって家へと忍び込みます。
しかしコッペリアが人形であることを知るスワニルダ。
その時、コッペリウス博士が帰ってきますが、スワニルダはこっそり隠れます。
そこに、コッペリアが好きで仕方ないフランツがやってきます。
コッペリウス博士はフランツに眠り薬を飲ませて眠らせ、魂を抜き取ったうえでコッペリアに移すことを画策します。
しかし、機転を利かせたスワニルダはコッペリアの来ていた服を脱がせて着込みます。
コッペリウス博士は一生懸命フランツの魂をコッペリア(本当はスワニルダ)に移そうとします。
そして、急に暴れだすコッペリア(スワニルダ)は混乱に乗じてフランツの目を覚ませて逃げ出すことに成功します。
【結】
この事件を機に仲直りするスワニルダとフランツなのでした。
【協奏曲】主人公が大活躍!!「一人称」の物語
「私」や「俺」、「僕」といった、あるひとりの人物の視点から展開する「一人称の物語」。
ひとつの楽器をメインにして演奏される「協奏曲」というジャンルは、その「一人称の物語」に近いように感じます。
音楽としては「起・承・転・結」のような物語性のある曲は少ないですが、その曲が作られる背景には様々な人間ドラマが展開しています。
協奏曲と室内楽については、その作曲時の背景を紹介していきましょう。
【物語のある】協奏曲
チャイコフスキー:《ヴァイオリン協奏曲》
ヴァイオリニストのアドルフ・ブロドスキが初演しますが、不評だった《ヴァイオリン協奏曲》でした。
しかし、チャイコフスキー《ヴァイオリン協奏曲》に愛着を感じたブロドスキは、各地で積極的に演奏活動をしてチャイコフスキー《ヴァイオリン協奏曲》を広めます。
ラフマニノフ:《ピアノ協奏曲》
1945年のイギリス映画《逢引き》で流れて有名です。
- ロマンティックで
- 憂いを感じ
- 美しい…
名作映画を引き立てる物語性を、たっぷり含んだ名曲です。
ブラームス:《ヴァイオリン協奏曲》
ほどよい重厚感の中にさわやかな魅力をギュッと詰めた甘すぎない青春ドラマのような爽快感があります。
メロディの美しさは物語における文章の美しさに近い…かも…。
【室内楽】小さな日常と細やかな感情
室内楽曲は少数の楽器を用いて、それぞれの 個性がより濃密に深く語られていきます。
作曲の背景などを、おすすめ記事とともに紹介していきましょう。
【物語のある】室内楽曲
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番《アメリカ》
チェコ出身のドヴォルザークは、アメリカのナショナル音楽院の院長を勤めますが、そこの黒人の学生がら教わった黒人霊歌に深く感銘を受けます。
そして、弦楽四重奏曲第12番《アメリカ》その黒人霊歌の要素を入れて非常に特徴のある弦楽四重奏曲を完成させたのでした。
タレガ:《アルハンブラ宮殿の思い出》
もとはイスラム教徒が建築した城塞であるアルハンブラ宮殿でしたが、15世紀後半に十字軍に攻め込まれ陥落します。
その、こまやかな彫刻や装飾があまりにも美しく見事であったため、取り壊されることなくイスラム時代のままの姿で現代に残っているそうですね。
まさしく「栄枯盛衰の歴史を見おろしてきた物語のある宮殿」それがアルハンブラ宮殿なのだと言えそうです。
シューベルト:ピアノ五重奏曲《ます》
第4楽章がシューベルト作曲の歌曲《ます》のメロディを転用しています。
「ますを釣ろう!」と奮闘する釣り人のさまを描いたちいさな物語。
【ピアノ】まるで「モノローグ(独白)」
まるで「モノローグ(独白)」
作曲者にの内面に宿る
- 情熱
- 悲しみ
- 恋心…
さまざまな感情がピアノ(あるいはその他鍵盤楽器)で語られるモノローグとして展開する物語的なジャンルですね。
【物語のある】ピアノ曲
ドビュッシー:《月の光》
ある秋の夜、ひとり部屋にたたずんでいると「りりり、りりりり」と虫の声。
カラカラと窓を開けてその声に耳を傾けながら、見上げてみると抜けるように見事な白い満月。
その静けさと、ときたま聴こえる虫たちのかすかな歌は秋を楽しむ醍醐味のひとつですね。
そんな、「静謐(せいひつ)」なイメージの1曲がこのドビュッシー作曲の「月の光」ですね。
ショパン:《雨だれ》
もともとは修道院だったところへ宿泊し、お気に入りだったプレイエルのピアノも遅ればせながら到着し、作曲を再開するショパン。
夜、生活のための必需品を買いに出かけた恋人の帰りが遅いことに心穏やかでないショパン。
強く降る雨によって足止めされてしまったことが恋人の帰らぬ原因ではあったのですが…。
【声楽曲】「調べ」と「言の葉」がつむぐ物語
まさしく
- 歌であり
- 詩(ポエム)であり
- 物語そのものとも言える
そんなジャンルが声楽曲です。
【物語のある】声楽曲
バッハ:《主よ人の望みの喜びよ》
歌詞:
イエスは、変わらざるわが喜びです
私の心のなぐさめであり、うるおいです
イエスはすべての悲しみからお守りくださいます
イエスはわが生命(いのち)の力 です
目のよろこびにして太陽です
魂の宝であり、喜びです、
それゆえに、イエスを放しません
この心と瞳(ひとみ)から…。
ハイドン:《天地創造》
壮大な旧約聖書の《天地創造》の物語がそのまま音楽に…!!
さあ、バリバリと音を立てて、
- 大地!
- 海!
- 大空!
- 動物!
- 植物!
- そして、人間!
万物が創造されていく物語を存分に楽しもう!!
バッハ:《マタイ受難曲》
キリストの人生を鮮やかに描いた新約聖書ですが、物語の展開としては、
- 【起】キリストの誕生
- 【承】奇跡と弟子たちが集う場面
- 【転】受難と裏切り、十字架と死…
- 【結】そして、復活!!
という流れです。
そして《マタイ受難曲》はこのキリストの物語のなかの【転】の部分にフォーカスして描いていると言っていいと思います。
悲劇的な内容ではありますが、
- 重厚で
- おごそかで
- 静謐(せいひつ)である
そんなバッハの名作であり音楽物語です。
【オペラ】とは、まさしく【物語】そのもの
解説もいらないほどのまさしく「物語」。
それが「オペラ」ですね。
【物語のある】オペラ
ヴェルディ:歌劇《アイーダ》
古代エジプトを舞台にした壮大であり、また悲劇の恋の物語!
プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》
- 笑いあり
- 涙あり
- そんな青春群像オペラ」!
【まとめ】【物語のある】クラシック音楽15選
さて、【物語のある】クラシック音楽を21曲選んでみましたがいかがでしたか?
クラシック音楽とは物語です。
そして、クラシック音楽を聴くとは、
- 音楽を読むことであり、
- 物語を聴くこと
であり、
そして、物語とは、
- 人生のひな型であり
- 生きる上での勇気を与えてくれるもの。
そして、忙しい毎日の中、
サクッと耳から「ながら聴き」…で「物語」が楽しめちゃう!!
- 勉強しながらとか…
- お掃除しながらとか…
- あるいは、お散歩しながら…
- そして、許されるなら、お仕事をしながら…
そんな時に、ワクワクしながらも「しっかり人生のモチベを高められる!」
それがクラシック音楽の「魅力のひとつ」でもあるのですね。
さあ、クラシック音楽の名曲の持つ物語性を知り、その思いやパッションを、あなたの心にインストールしよう!!
そのうえでクラシック音楽を耳から聴くと
「壮大で色鮮やかな映像と壮大な物語」が見えてくる!!
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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文中では紹介できませんでしたがモーツァルトの3大オペラもぜひ聴きたいですね♬