アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番【名盤5枚の解説】第2楽章の悲しみを含んだ美しさは絶品そのもの

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語りすぎない優しさは、

最高のモーツァルトらしさ…

第2楽章の透明感あふれる名盤も紹介です


モーツァルト: ピアノ協奏曲第23番:第2楽章

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モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも、とくに素晴らしい曲のひとつ。

第2楽章のためらいがちで、寂しげなメロディも聴きどころも解説です。 

【楽曲を解説】モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番

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モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番の優美さの秘密が解ける、こんな解説があります。 

(モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番)は、(中略)ティンパニーとトランペットが入らないので、ただでも室内楽的になる(中略)

さらにモーツァルトはオーボエの明るい音色を外して、管楽器の主力をフルートとクラリネットに託したので、この協奏曲の織地は金ではなく銀、夏ではなく秋、真昼ではなく午後の斜陽のようになったのである。

従ってすべての演奏はその世界、奥深く陰影に富んだ(たとえ両端楽章でも)その世界を十分に意識し、体現してくれないと合格点にならないのである。

出典:石井宏・藤田由之・渡邊學而 共著 「モーツァルト名曲名盤101」P74より引用

解説にあります、「金ではなく『銀』、夏ではなく『秋』、真昼ではなく『午後の斜陽』とは、素晴らしい表現ですね。

また、「ティンパニとトランペットが入らない」とあります。

モーツァルトのピアノ協奏曲は、20番から27番までありますが、この「ティンパニとトランペットが入らない」曲は、このモーツァルト:ピアノ協奏曲23番と27番の2曲しかありません。

おそらくこれも影響しているのでしょう。

どこか深い影が感じられながらも、モーツァルトらしい優美さが「もっともモーツァルトらしい」1曲と言えそうです。

しかし、それがゆえに、「理想の演奏はなかなか現われません」。

そして、その永遠に到達できない理想を追い求めて、幾千、幾万の演奏家が挑む目標」

それが、このモーツァルト:ピアノ協奏曲第23番なのだと思ってしまうほどです。

そして、その音楽のドン・キホーテ(演奏家)たちは、夢破れ、消沈してしまうかもしれません。

しかし、「演奏に挑戦できた」ということ、そのものを勲章として、これを最大の幸福として生きていくのではないかなとも思ってしまいます。

なぜなら、これほどまでに、モーツァルトの音楽世界を目指し、シンクロできる幸福を享受できたのですから…

【各楽章を解説】モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番

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さて、以下に、モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番、第1楽章から第3楽章までの3曲を解説します。

第1楽章 アレグロ(速く)

アレグロ(速く)という速度指定ですが、曲から感じる雰囲気や感覚は、ほとんど「アレグロ」と「アンダンテ」の中間というあたりかもしれません。

「メロディの美しさがナチュラルに流れる」モーツァルトの曲のなかでも特に「ナチュラル」な、なんともモーツァルトの音楽の深い水脈にたどり着いたような感覚

そこから感じられる「歌」「優しさ」「柔らかい感性」「天使のほほえみ」が、モーツァルトの曲の中でも、もっともモーツァルトらしい曲のひとつですね。

語りすぎない奥ゆかしさと、静かな光。

なんと形容しても形容しきれない究極のモーツァルトと言えそうです。

第2楽章 アダージョ(ゆっくりと)

この、モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番の中でも、もっとも特徴的な1曲ですね。

シチリアーノ風の、なだらかで、たゆたうような独特な歌いまわしが、美しさの極みにまで、たどり着いている感覚を覚えます。

きれいに下りたビロードのような深い夜…

希望もなく、ひとり孤独に打ちひしがれた若者が最後の力を振り絞って顔を上げた時に見た「夜の黒」

その中にまばゆいばかりに輝く、抜けるような白い月…。

そんな、強いコントラストの光の中に見つけ出した、ほんのわずかな希望…。

そんな「癒やしの光」を、このシチリアーノ風の曲の中に感じとれます。

第3楽章 アレグロ・アッサイ(非常に速く)

第1楽章の、ゆったりめのアレグロと、第2楽章の深い孤独を打ち破るような明るい光の満ちた曲ですね。

今までの、迷いや苦しみの黒い雲が、一気に振り払われて、燦々(さんさん)と降り注ぐ太陽の光のようです。

なんともドラマティックな起伏に飛んだモーツァルト:ピアノ協奏曲第23番のフィナーレですね。

【5枚の名盤の感想と解説】モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番

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クララ・ハスキル:ピアノ イーゴリ・マルケヴィチ:指揮 コンセール・ラムルー管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★★★

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番の、女性ピアニストの演奏には沁みるものが多いように感じますね。

その中でも、「無垢な透明感」と「無私の思いからくる輝き」が、モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番の素晴らしい演奏へと昇華している名盤です。

ただただ、モーツァルトの精神に同化するべく、究極なまでに「自我」というチリを掃き清めよう、取り去ろう

そんな思いで、モーツァルトを弾きつづけたと思われるピアニストクララ・ハスキルの魂の歴史を垣間見る思いがします。 

この世に、理想のモーツァルト演奏は、ただのひとつとて存在しません。

しかし、このクララ・ハスキルの、モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番は、もっともモーツァルト演奏の理想にまで近づき、肉薄した名盤です。

イングリッド・ヘブラー:ピアノ ヴィトルド・ロヴィツキ:指揮 ロンドン交響楽団

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

なんとも楚々として純粋なピアノなことでしょう。

ピアノの一音、一音が粒立ちが、モーツァルトには、ふさわしいですね。

ハスキルのモーツァルトは超絶な美しさですが、その完璧さに緊張感を感じることも無くはないですね。

そんなときは、モーツァルトの優しさや柔らかさがフンワリと漂うイングリッド・ヘブラーのピアノで癒やされたいですね。

内田光子:ピアノ ジェフリー・テイト指揮 イギリス室内管弦楽団

 

アルパカのおすすめ度★★★★☆

洗練された内田光子のピアノと、およそモーツァルトの優美さに似つかわしい響きを持つ、ジェフリー・テイトの指揮するイギリス室内管弦楽団のなめらかさのある名盤。

内田光子の洗練された感覚が少し行き過ぎな感じも、しなくはないです。

ただ、その辺もジェフリー・テイトの演奏がいいサポートをして飽きさせないですね。

録音の良さという意味でもオススメの名盤です。

ロベール・カサドシュ:ピアノ ジョージ・セル:指揮 コロンビア交響楽団

アルパカのおすすめ度★★★☆☆

少し、淡々としすぎると言いますか、突き放した感じは、ありますが、こんな知的なモーツァルトも悪くない名盤ですね。

感性をたくさん盛り込んでモーツァルトを表現するのもいいですが、こんな理性を発揮してイキなモーツァルトは、オシャレ感があっていいものです。

フランス人ピアニストのカザドシュの懐の深いモーツァルトの名盤もいかがですか?

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アルフレッド・ブレンデル:ピアノ:サー・ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー室内管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

抑えても抑えても、あふれ来る感性の輝き

そんなイメージのアルフレッド・ブレンデルのピアノはモーツァルトを弾いても素晴らしい。

そんな名盤です。

おそらく、絢爛豪華に弾くことを目指しても素晴らしい演奏を残したと思いますが、この「あえて抑えを効かせた理性的演奏」がブレンデルの真骨頂。

抑えても漏れ来たる、優しいピアノの輝きは、モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番の演奏にもピッタリな名盤です。

【解説と名盤、まとめ】モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番

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さて、モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番の名盤のオススメと、解説はいかがでしたか?

どれも素晴らしいモーツァルトの曲の中でも、とくに素晴らしい曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番。

「優しさ」「悲しみ」「底抜けな明るさ」の要素が1曲に詰まってる名曲ですね。

おいしい飲みものは準備できましたか?

さて、じっくり、ゆっくり、モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番でも聴きますか?

あなたもご一緒にいかがですか?

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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