あふれるほどの
チェコボヘミア
民謡と舞踏のリズム♫
ドヴォルサークの音楽に宿る黒人霊歌の影響。
今回は、ドヴォルザーク:おすすめのランキング11選と題して代表的な曲を紹介します。
ドヴォルザーク:おすすめのランキング11選
第1位|交響曲第9番《新世界より》
これは、アメリカから祖国チェコへ宛てた音楽による手紙とでも考えたらよいだろう。(中略)
第2楽章ラルゴの旋律はたいへん有名で、(中略)「家路」という題で親しまれている。
出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P66より引用
1892年から、ドヴォルザークはナショナル音楽院の院長をつとめます。
このナショナル音楽院は、まだ黒人差別の激しい当時としては珍しく黒人の学生の入学を認めていました。そんな毎日の中、彼らの心の歌ともいえる黒人霊歌と出会います。
霊歌とは、アフリカの原住民が、アメリカ大陸に奴隷として強制的に連れてこられて、苦役をこなす毎日の中で培われた、宗教性をおびた歌のことです。
「この黒人霊歌に宿る精神性はふる里のチェコの音楽に共通している」
そのように感じ取ったドヴォルザークはこの共通した精神性、あるいは音階の類似性をこの「交響曲第9番『新世界より』」に盛り込みます。
第2位|スラヴ舞曲集
ドヴォルザークの才能を認めたブラームスは、さまざまな助力を惜しまなかったが、なかでも、かつてブラームス自身が「ハンガリー舞曲集」で成功を収めたことから、それと同じような郷土色豊かな舞曲集の作曲をすすめ、さっそく書かれたのが、ドヴォルザークの名を世界的に広めることになった「スラヴ舞曲集」なのであった。
出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P122より引用
「郷土色豊かな舞曲集」は楽しいものです。
まさしく東欧の世界を散策しながら、折に触れて所どころから聞こえる舞曲に耳を傾ける。
そんな瞬間を思ってしまいます。
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集は、そんなワクワクするような感情を持って聴ける名曲集という感想を持ちますね。
第3位|ユーモレスク
ピアノ曲集《8つのユーモレスク 作品101》の第7曲目にあたります。ドヴォルザークの曲の中で一般的にはもっとも有名な小品と言っていいでしょう。
元はピアノ曲ですが、ヴァイオリニストのクライスラーが編曲したヴァイオリン付きのユーモレスクの方がよく聴かれます。
第4位|チェロ協奏曲
ブラームスは、死去する5か月ほど前にこの曲を知り、「こういう協奏曲を書けるとわかったら、自分で作曲してみたのだが」と語った。
出典:門馬直美 著 「管弦楽・協奏曲名曲名盤100」P114より引用
なんとも憂いを帯びたメロディと情感のこもった名曲、ドヴォルザーク:チェロ協奏曲です。
第5位|弦楽セレナード
ドヴォルザークは結婚当初、経済的には苦しく教会のオルガニストとしての副業をこなしながらの生活でした。そんな折、オーストリア政府が「若き芸術家のための奨学金」を公募します。
これに応募する形で提出した曲のひとつが《弦楽セレナード》でした。
結果は「審査員たちの満場一致での見事なまでの合格」。
第6位|交響曲第8番
1889年、ドヴォルザークが48歳の夏にボへミアのヴィソカー村にある別荘に滞在し《交響曲第8番》を作曲します。
「ここではとても幸福を感じる」
と手紙にしたためています。
まさしく、そんな大好きな土地で作曲されたからこそ「幸福」を象徴するような、
- 明るくて
- 華やかで
- 優しさに満ちた
そんな素晴らしい名曲が生まれたのかもしれません。
第7位|弦楽四重奏曲第12番《アメリカ》
ドヴォルザークが渡米を決心したのは「鉄道が好きだから…」という理由だった。
そう言われるくらいの鉄道オタクだったドヴォルザーク。
シュッシュポッポ
シュッシュポッポ
弦楽四重奏曲第12番《アメリカ》の特に第4楽章は広大な大地をゆく蒸気機関車が駆け抜けていくような疾走感があって楽しい気分になります。
第8位|交響曲第7番
敬愛する師友ブラームスの第3交響曲が霊感をもたらし、そのおかげで、第七交響曲に着手することができたのである。
曲は3ヶ月間に一気に書き上げられた。
出典:諸井誠 著 「交響曲名曲名盤100」よりp42より引用
暗い基調のメランコリックな交響曲ではありますが美しい旋律の名曲です。
第9位|ピアノ五重奏曲
全体にすっきりとしたさわやかな歯切れのよさと、ゆったりと流れるメロディーラインの美しさが、実によくミックスされた音楽となっているのである。
出典:志鳥栄八郎 著 「新版 不滅の名曲はこのCDで」P264より引用
ドヴォルザークのピアノ五重奏曲は以下の特徴が強いと言えます。
- 楽想の豊かさ
- 民族性の濃さ
- あふれる郷土色
ピアノ五重奏曲というスタイルの曲は多くの作曲家が残していますので聴き比べも楽しいですね。
第10位|ピアノ三重奏曲《ドゥムキー》
18世紀のポーランドに起こり東欧や中央アジアに広がった「ドゥムカ」はウクライナにも深く根ざした民謡です。
ニューヨークのナショナル音楽院から院長としての就任以来が届いたころと重なります。
この後、依頼を受けてドヴォルザークはアメリカに旅立つわけですが、この前に自身を育んだスラヴ文化のことを深く考えたのかもしれません。
第11位|管楽セレナード
ドヴォルザークのセレナードと言えば『弦楽』セレナードのほうが有名です。
でも『管楽』セレナードも管楽器のほっこりしたあたたかさに魅力が感じられる名曲です♫
まとめ ドヴォルザーク:おすすめのランキング11選
さて、ドヴォルザーク:おすすめのランキング11選はいかがでしたか?
あふれるほどの
チェコボヘミアの
民謡と舞踏のリズム♫
ドヴォルサークの音楽に宿る黒人霊歌の影響。
ほっこりとしたあたたかさと親しみやすい旋律でいっぱいのドヴォルザークの音楽。
ボヘミアの自然を音楽を通して楽しめます。
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回紹介した曲の記事まとめ↓
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管弦楽曲
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