「職業」から「芸術」へ
30歳以降の
ベートーヴェンの横顔
さて、今回はベートーヴェンの交響曲をランキングの形で紹介です。
注:集計方法としては2022年6月現在でweb上に存在する8サイト(企業系に限る)内、計10個のランキングを元に点数化(サイト内の最下位の交響曲を1点、最下位から2番目を2点、次を3点)してランキングにしています。
ベートーヴェン:交響曲【全9曲ランキング】
ベートーヴェンは極度に個性的な作曲家であるが、初期には、ハイドン、モーツァルト等の影響を多分に受けていた。ハイドン色が濃い第1交響曲の快活陽気な楽想から、後年の《運命》や《第9》を予測することは不可能である。
出典:諸井誠 著 「交響曲名曲名盤100」P46より引用
- ハイドンは生涯で作曲した交響曲は104曲(番号が振られているもの)
- モーツァルトが最初の交響曲を書いたのが8歳
ベートーヴェンはと言うと、交響曲第1番を書いたのが30歳。代表的な交響曲作家のベートーヴェンにしては遅すぎる印象があります。
しかし30歳以降書き続けられた交響曲はベートーヴェンの精神的な変化の歴史も読み取れて興味深いです。
- 20代後半から悪化していった難聴
- 31歳の頃、遺書を書き自殺を考えていた
- 生きる決心をした後から発展する芸術としての音楽
ベートーヴェンの人生における印象的な出来事とリンクするように交響曲は書かれていきました。
※詳細については各交響曲について記事を書いています。
第1位|交響曲第7番
第2位|交響曲第9番《合唱》
第3位|交響曲第3番《英雄》
第4位|交響曲第5番《運命》
第5位|交響曲第6番《田園》
第6位|交響曲第8番
第7位|交響曲第4番
第8位(同率)|交響曲第1番
第8位(同率)|交響曲第2番
第1位|交響曲第7番
ドラマ「のだめカンタービレ」のテーマ曲や、映画「英国王のスピーチ」の重要な場面に使われて有名です。ベートーヴェンの交響曲のなかでもひときわパンチが効いてノリがいい!
第2位|交響曲第9番《合唱》
交響曲第9番《合唱》の演奏は終わり、大喝采と大きな拍手がわき起こります。しかし、ほとんど耳が聞こえないベートーヴェンは、その拍手が聞こえず、「演奏は失敗であったのか」とうなだれます。
しかし、女性歌手がベートーヴェンに近寄り、手を取って聴衆の方を振り向かせます。そこで初めて、拍手喝采を送る大声援の聴衆を見ることができたのでした。
第3位|交響曲第3番《英雄》
う、裏切られた!
ナポレオンよ!
お前もか!!
自由への
- 大いなる希望
- 燃える情熱!
- 讃歌、高らかなり!!
第4位|交響曲第5番《運命》
「ダダダダーン!」という冒頭のテーマは、たしかに運命に翻弄された人生を歩んだベートーヴェンの人生を象徴しているようだという感想を持ちます。その運命とは、音楽家でありながら、難聴に苦しんだことや交響曲第5番《運命》の作曲時に、恋に破れたことをもさします。
第5位|交響曲第6番《田園》
ベートーヴェンは自然が大好きで、日ごろから、ウィーンの郊外を散策していました。夏の時期には、田園風景が広がる土地で日々を楽しみました。
自然への敬意とともに、草木との語らいや小川のささやきにも耳をかたむけて、作曲にしていたのではないでしょうか。
第6位|交響曲第8番
「聴衆が交響曲第8番を理解できないのは、この曲があまりに優れているからだ」
《交響曲第8番》の公開初演の際、あまりに不評だったために漏らしたベートーヴェン自身の言葉です。
https://www.alpacablog.jp/entry/beethoven-sy-8
第7位|交響曲第4番
《英雄》と《運命》の間(はざま)でたたずむ
《美し女神》の交響曲♫
https://www.alpacablog.jp//entry/beethoven-sy-4
第8位(同率)|交響曲第1番
- 楽天的で気品のある名曲
- 古典派からロマン派への橋渡しの始まり
- ベートーヴェンの始まりの交響曲
第8位(同率)|交響曲第2番
どこかモーツァルト的な旋律の美しさや可愛らしさがありながらも、ベートーヴェンらしさが湧き出してき始めた名曲!
【交響曲全集の名盤】ベートーヴェン:交響曲ランキング
ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
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アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
カラヤン指揮による交響曲全集は3種類
- 60年代
- 70年代
- 80年代
今回は70年代に録音された全集をおすすめです。カラヤンの最もエネルギッシュでありロマンティックでもあった頃の名盤です。60年代のフレッシュな全集も捨てがたいですが録音のクオリティまで考慮すると70年代の録音が適しているかもしれません。
古典派的要素の強い交響曲第1番から第4番、ロマン派的な第5番以降。どちらもカラヤンの洗練された感性やニュアンスがキラリほとばしっているベートーヴェン全集の名盤です。
ブルーノ・ワルター:指揮 コロンビア交響楽団
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アルパカのおすすめ度★★★★☆【名盤の解説】
ほほ笑みと温かみに満ちている名盤です。カラヤンのような音楽が疾走する感覚からは遠いですが、ベートーヴェンの音楽の持つ人間味の要素が強く表現されています。
ベートーヴェンの交響曲の中にある歌のこころ、柔らかい感性の優しさなどが感じられる嬉しい名盤です。
クリストファー・ホグウッド:指揮 エンシェント室内管弦楽団
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アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
枯れた印象の古楽器による演奏ですが「ベートーヴェンの音楽の中にある素朴さ」が感じられます。改めてベートーヴェンの交響曲の深みを知ることの出来る名盤です。
無味乾燥な印象はありません。非常に情熱的な音運びにもその要因はあると思いますがなんといってもベートーヴェンを演奏することにたいする喜びの思いが伝わってきます。
本来、音楽というのは聴衆が楽しむものであって眉間にシワを寄せて「むむむ…」と言いながら聴くものではないと教えてくれる名盤でもあります。
【まとめ】ベートーヴェン:交響曲ランキング
ベートーヴェン:交響曲【全9曲ランキング】はいかがでしたか?
職業から芸術へ
30歳以降の
ベートーヴェンの横顔
ベートーヴェンの交響曲を聴いていくことでベートーヴェンの精神的な変化の歴史も読み取れて興味深いです。
各曲を作曲していた際にベートーヴェンの身の上に起こったことについては各曲についての記事をお読みいただけたなら幸いです。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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