明るく華やか
短調にも名曲あり…
さて、今回はモーツァルトのピアノ協奏曲をランキングの形で紹介です。
モーツァルト:ピアノ協奏曲【おすすめのランキング9曲】
第1位|ピアノ協奏曲第20番
モーツァルトのピアノ協奏曲27曲中最高傑作と考えられるものを1曲だけあげろ、と命じられたら、私ならこれをあげる。長調のモーツァルトには競走相手になる傑作がぞろっとあるが、短調のモーツァルトはこのニ短調と、あとは第24番のハ短調があるだけだからだ。この2つの比較なら割合と気楽にできる。この場合、単純に好し悪しで決めさせてもらおう。「ニ短調の方が好き……!」こうしてこの曲が浮かびあがったわけだが、「これがお前の本心か?」 と聞かれると困ってしまう。本心は長調のモーツァルトの方が好きだからだ。
出典:諸井誠 著 「ピアノ名曲名盤100」P42より引用
モーツァルトのピアノ協奏曲、とりわけ第20番以降の曲に名曲が多いと言われています。
そして、解説にありますように音楽評論家の諸井誠先生も「最高傑作を選ぶ」となるとずいぶん迷われていたようです。
第1楽章の暗くて不安感のあるデモーニッシュ(悪魔的)な魅力と、第2楽章における女神的な癒やしの光が同居する名曲です。
特に第2楽章のロマンツェは映画《アマデウス》のエンディングテーマとしても使用されたことでも有名です。
第2位|ピアノ協奏曲第23番
「モーツァルトらしい優美さがもっともモーツァルトらしい」1曲と言える
- モーツァルトの
- モーツァルトによる
- モーツァルトのためのモーツァルト
…?
どこかで聞いたような言葉ですが、まさしく全編にモーツァルトらしさにあふれています。
春の優しい風のようであり(第1楽章)
悲しげでもある(第2楽章)
そして底ぬけに明るい心地よさも…(第3楽章)
そんなモーツァルトのピアノ協奏曲の名曲です。
第3位|ピアノ協奏曲第21番
- 明るくて
- 楽天的、
そして、
- 希望に満ちている
ウィーンで音楽家として売れっ子であった絶頂期ころのモーツァルトの傑作。
1967年のスウェーデン映画《短くも美しく燃え》でテーマ曲としても有名です。
《ピアノ協奏曲第21番》を映画の主人公の名前「Elvira Madigan」(エルヴィラ・マディガン)と呼ぶこともあるほどです。
現代にあって聴いても古さを感じさせないくらいの魅力的な旋律でいっぱいの名曲とも言えそうですね。
第4位|ピアノ協奏曲第27番
なんと優しい光に満ちた、天国的な響きなことでしょう。
この頃のモーツァルトはすでに間近に迫る「死の予感」がありました。
それなのにこの限りなく澄んだ透明感のある《ピアノ協奏曲第27番》の美しさの秘密はどのあたりにあるのでしょうか…。
第5位|ピアノ協奏曲第24番
- まるで「運命協奏曲」?
- クセになりそな
- スリリング♫
劇的な暗さをともなった響きがどことなくベートーヴェン的ですね。
重厚な雰囲気もあるモーツァルトの短調の名曲です。
第6位|ピアノ協奏曲第18番
ピアノ協奏曲第20番以降の名曲からは外れますが、第18番もとても素晴らしい名曲です。
後期のピアノ協奏曲とともに、アルパカがよく聴くお気に入りでもあります。
(すみません、主観、入ってます。)
オーストリア出身の盲目のピアニスト、マリア・テレジア・フォン・パラディスの依頼で作曲されました。
演奏会場に臨席した皇帝ヨーゼフ2世とモーツァルトの父から絶賛されたというエピソードもある名曲です。
第7位|ピアノ協奏曲第22番
- 祝祭的な雰囲気の第1楽章
- 憂いのある美しさ、第2楽章
- 開放感のある第3楽章
特徴的なのは第21番まで使われていたオーボエがクラリネットに取って代わられていることです。
優美なイメージのクラリネットが活躍し始めることと晩年のモーツァルトのピアノ協奏曲における透明度の高まりとは関係しているのかも…。
第8位|ピアノ協奏曲第26番
ピアノ協奏曲第26番《戴冠式》を作曲当時、収入がほとんどなく父レオポルトの遺産も使い果たしてしまいどうしようもないほどの貧困状態でした。
さらに追い打ちをかけるようにモーツァルトに襲いかかる長女の死。
そんな不幸が続く中で作曲されたピアノ協奏曲第26番は、全体的に明るく朗らかな曲調であることがなんとも不思議です。
第9位|ピアノ協奏曲第25番
そびえ立つ「協奏曲のジュピター!」
モーツァルトの栄光の頂点、ウィーンの聴衆も盛り上がった時代のピアノ協奏曲の言わばキング(王)とも言えそうなイメージです。
《ピアノ協奏曲第25番》が作曲された同じころには、オペラ《フィガロの結婚》や《プラハ交響曲》も生まれているモーツァルトの黄金期でもありました。
まとめ モーツァルト:ピアノ協奏曲【おすすめのランキング9曲】
さて、モーツァルト:ピアノ協奏曲【おすすめのランキング9曲】はいかがでしたか?
華やかでありながら、短調の曲も素晴らしいモーツァルトのピアノ協奏曲。
そんな変幻自在に展開するモーツァルトの魅力がいっぱいのピアノ協奏曲を、じっくりきいてみるのも中々いいものです。
あなたがモーツァルトのピアノ協奏曲を聴く際にほんの少しでもお役に立てたならうれしく思います。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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今回紹介したピアノ協奏曲9曲を番号順に並べておきます
《ピアノ協奏曲第18番》(記事執筆中)
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