気高く
ほがらか!
まるで澄んだ空のよう♫
親しみやすいメロディがいっぱい!
ワクワク楽しくなってくる!!
さて、今回は、バッハ:ヴァイオリン協奏曲の解説とおすすめ名盤を紹介です。
【解説】バッハ《ヴァイオリン協奏曲》
バッハ:ヴァイオリン協奏曲のこんな解説があります。
バッハのオリジナルのヴァイオリン協奏曲は第1番と呼ばれるイ短調、そしてこの第2番のホ長調、さらに二つのヴァイオリンのためのニ短調です。(中略)バッハのケーテン時代に作曲されました。(中略)
こんな曲を自分のために演奏させていたケーテン公という殿様は幸せな人だったなと思いますが、しかし世界第一級の演奏家によるレコードを自分の家で楽しめるわたくしたちも、同様に幸せと考えてよろしいのでしょう。
出典:皆川達夫 著 「バロック名曲名盤100」P206より引用
まさしく、ケーテン公がうらやましい…。
でも解説にありますように、現代、私たちもたくさんの素晴らしい名演奏家の名盤を通してクラシック音楽が聴けるのですから嬉しいかぎりです。
さて、バッハが作曲したヴァイオリン協奏曲は3曲あります。
- ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ短調 BWV1041
- ヴァイオリン協奏曲第2番 イ短調 BWV1042
- 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ホ長調 BWV1043
ですね。
どの曲も格調の高い印象の、とても気品が感じられる名曲ばかり…。
この中でも特に第2番は親しみやすい曲調の1曲で演奏機会も多いです。
さて、このヴァイオリン協奏曲ですが、バッハ自身の手でチェンバロ協奏曲にも編曲されています。
それが、
- チェンバロ協奏曲第3番 ニ長調 BWV 1054の
↓
原曲は《ヴァイオリン協奏曲第2番 イ短調 BWV1042》
- チェンバロ協奏曲第7番 ト短調 BWV1058
↓
原曲は《ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ短調 BWV1041》
となっていますね。
【各楽章を解説】バッハ《ヴァイオリン協奏曲》
それでは、各楽章について解説していきましょう。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲全3曲は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。
ヴァイオリン協奏曲第1番
第1楽章
どこか「悲しみを含んだ気高さ」のようなものが感じられる楽章で、なんともバッハらしい1曲でもあります。
速度表記はありませんが、演奏の際にはテンポも良く展開する「悲しみ」と言えます。
第2楽章
物思いにふけるような瞑想的な音運びの中に、ひときわ高音で歌うヴァイオリンの歌が心に刺さる。
そんな印象的な楽章です。
第3楽章
第2楽章の雰囲気を引き継ぎつつ、テンポとリズムが高まっていきながら盛り上がる。
そんな華々しくも、どことなく悲しげな楽章です。
ヴァイオリン協奏曲第2番
第1楽章 アレグロ(速く)
なんとも
- 楽しく
- 朗らかでありながらも
- 艶(あで)やか
弾むリズム!
歌うヴァイオリン!!
喜び勇んで、笑う楽器たち!!!
さあさ、明るい世界へ繰り出そうよ…。
そんな印象の名曲です。
第2楽章 アダージョ・コン・エスプレシォーネ(ゆっくりと、表情豊かに)
第1楽章とは打って変わっての寂しい雰囲気の曲です。
冬の落ち葉が風に遊ばれて、ハラリハラリとこぼれ落ちてくるような様を思います。
第3楽章 アレグロ・アッサイ(非常に速く)
明るい楽章ですが、第2楽章の持っていた「影」をも引きずった印象もある深みとコクのある楽章、フィナーレです。
2つのヴァイオリンのための協奏曲
第1楽章 ヴィヴァーチェ(快速に)
きらびやかな雰囲気をまとい、心の内の揺れ動く感情を抑えながらもそれでも止められない感情があふれて展開する感動的な始まりの第1楽章です。
第2楽章 ラルゴ・マ・ノン・タント(きわめてゆったりと、しかしゆったり過ぎずに)
憂いをおびた、2つのヴァイオリン同士の静かな語り合いが印象的な楽章で、まるで秋の夜長の中で嘆き悲しむような、それでいて高貴な香りが漂います。
第3楽章 アレグロ(速く)
第2楽章の「嘆き」の感情の中に、さらに「激しさ」を加えていきます。
そして、2人(2つ)のヴァイオリンの熱さを持った語り合いは極みを迎え、感動的にフィナーレを迎えるのです。
【名盤3選の感想と解説】バッハ《ヴァイオリン協奏曲》
サイモン・スタンデイジ:ヴァイオリン
トレヴァー・ピノック:指揮
イングリッシュ・コンサート
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
なんとも優しくもたおやかな、春の風のような魅力のある名盤です。
また、「みずみずしくも透明度の限りなく高い水が弾ける様」を思います。
- 愉しみ…
- 悦び…
- 嬉しさ…
そんな感情がこんこんと
- あふれ、
- あふれ、
- あふれする…。
そんな感想のさわやかさを満喫できる名盤です。
ヘンリック・シェリング:ヴァイオリン
サー・ネヴィル・マリナー:指揮
アカデミー室内管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
シェリングのヴァイオリンによる「音楽全体に気品が満ちあふれている」名盤です。
とても姿勢の整った紳士的な高貴さもまとっていて、なんとも爽快感があります。
サー・ネヴィル・マリナーの指揮も、シェリングのヴァイオリンの素晴らしさを最大限に引き立てていて好感が持てます。
録音自体は古くなりましたがあまり気になることはありませんのでオススメの名盤です。
トン・コープマン:指揮
ヴァイオリン:モニカ・ハゲット
アムステルダム・バロック管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
古風でありながらも雅(みやび)やか名盤です。
少し枯れすぎな印象もありますが、純朴なバッハを求めたい時に聴く名盤でもあります。
本当に心からバッハの時代の音楽を再現して思い切り楽しんでいる。
そんなワクワクする感興が沸き起こってくる名盤です。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【まとめ】バッハ《ヴァイオリン協奏曲》
さて、バッハ:ヴァイオリン協奏曲全3曲の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- 気高く
- ほがらか!
- まるで澄んだ空のよう♫
そして、
親しみやすいメロディがいっぱい!
ワクワク楽しくなってくる!!
宗教的なテーマの多いバッハですが、こういった協奏曲などにも名曲がいっぱいあるのが魅力ですね。
どこか影もあるけど底抜けに明るい。
そんなヴァイオリン協奏曲を聴いて「心も明るく晴れやかに」過ごしましょ…。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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