アルパカと聴く幸福なクラシック

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ラヴェル:クープランの墓【解説と名盤5選|感想】

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戦没者に捧ぐ…

友を偲んで、

れるピアノ♫

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失意のラヴェル。

 

失った

  • 友…
  • 母…
  • 従軍への希望

 

そんなツライ心境からつむがれた「惜別と哀悼の想いの結晶化…」。

 

さて、今回は、ラヴェル《クープランの墓》解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】ラヴェル《クープランの墓》

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ラヴェル《クープランの墓》のこんな解説があります。  

クープラン(1668年〜1733年)はフランスのバッハといわれる人で、組曲の大家でもあった。(中略)

トンボー=墓というのは、死者の思い出のために書かれた作品の表題として、17世紀 フランス音楽によく用いられた。 (中略)

この題名が ここで採用されたのは、ラヴェルが一つ一つの曲を、戦死した亡き友たちに捧げたことによる

出典:諸井誠 著 「ピアノ名曲名盤100」P188より引用

 

第一次世界大戦時、フランスは協商国(連合国)側の一国でした。

内気で無口なラヴェルは、心の内は愛国者であったため参戦を希望しますが、小柄であるなどの理由によって、ラヴェルは兵役を拒絶されてしまいます。

それでもなんとか根回しを行い、野戦病院の運転手としての従軍が認められました。

しかし、その後ラヴェルは体調を崩してパリに帰国、そのまま除隊の憂き目を見ます。

 

そして、そんな失意の中、

  • 友人たちは戦死し、
  • 最愛の母も他界

という自体に見舞われ、ラヴェルは意気消沈…。

 

そのような本来、心優しいラヴェルは「祖国フランスのために命を散らした友人たち」のために「追悼の想い」を音楽《クープランの墓》として捧げたわけです。

 

ラヴェル自身は、もともと擬古趣味がありましたが、フランスのバッハとも言われたクープランが得意とした組曲形式で《クープランの墓》を作曲します。

 

つまり、古典組曲形式を復活させて、

  • プレリュード
  • フーガ
  • フォルラーヌ
  • リゴードン
  • メヌエット
  • トッカータ

以上の6曲を組曲としてまとめ上げて《クープランの墓》を完成させます。

 

惜しくも戦死し、命を散らした亡き友たちをラヴァルの持つ最大の

  • 追悼の思いと
  • 才能を使い切って贈る…。

そんな背景、物語をうちに秘めた素晴らしい名曲と言えそうです。

 

初演は1919年4月11日、サル・ガヴォーホールにおける独立音楽協会の演奏会で、20世紀前半を代表する女流ピアニスト、マルグリット・ロンによって行われました。

 

【各楽章を解説】ラヴェル《クープランの墓》

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それでは、各曲について解説します。

ラヴェル《クープランの墓》は第1曲から第6曲までの6曲で成り立っています。

 

なお、このピアノ曲を作曲の後に、ラヴェル自身の手で4曲を抜粋して管弦楽用に編曲しています。

 

管弦楽用の順番としては、

  • プレリュード
  • フォルラーヌ
  • メヌエット
  • リゴードン

という形になっています。

 

第1曲 プレリュード《前奏曲》:ヴィフ(活発に)
(管弦楽版では第1曲)

ジャック・シャルロ中尉に捧げられています。

ラヴェル作曲の《マ・メール・ロワ》のピアノ独奏版の初演を行ったのがジャック・シャルロ中尉でした。

 

キラリ、キラキラ、

キラめいて!

 

キラリ、キラキラ、

キラめいて!

 

光る音たち、楽しそに…♫

うれし、楽しく、うるわしく、

 

音は明るく、

心も晴れる!

 

第2曲 フーガ:アレグロ・モデラート(ほどよく速く)

1914年から1918年まで従軍して戦死したジャン・クルッピ少尉に捧げられています。

また、ラヴェルはジャン・クルッピ少尉の母親には、オペラ《スペインの時》を捧げてもいます。

 

フーガと聞くと緊張感があり、また劇的な展開を想像しますが、ラヴェルが《クープランの墓》で表現するフーガは淡々とした音運びのあっさり系。

どこか「パリにおける優しい午後の光」が見えてくるような印象さえありますね。

 

第3曲 フォルラーヌ:アレグレット(やや速く)
(管弦楽版では第2曲)

1916年9月15日に戦死したバスク人の画家、ガブリエル・ドゥリュック中尉に捧げられています。

 

《フォルラーヌ》とは、北イタリアの古典的な舞曲のこと。

ヴェネツィアのゴンドラの船頭さんたちも好んだ舞曲で、まさしく運河をゆく船が、ゆらりゆらりと水の流れに遊ばれる気持ち良さそうな風景が浮かぶ1曲です。

 

第4曲 リゴードン:アッセ・ヴィフ(とても生き生きと)
(管弦楽版では第4曲)

ラヴェルの幼なじみであり、1914年11月12日に同じ砲弾によって亡くなったゴーダン兄弟(ピエールとパスカル)に捧げられています。

 

《リゴードン》とは、南フランスのプロヴァンス地方の舞曲のこと。

なんとも楽しげに舞い踊る人々の姿を思います。

 

第5曲 メヌエット:アレグロ・モデラート(ほどよく速く)
(管弦楽版では第3曲)

1916年後半から1917年に戦死し、ラヴェルが家族ぐるみの付き合いをしていたジャン・ドレフュスに捧げられています。

 

優雅で麗(うるわ)しい面持ちの、貴婦人の横顔を思います。

静かに優しく流れるような曲調で、なんとも「ラヴェルらしい美しい歌ごころ」が漂っていて、いつまでもその余韻が残る1曲です。

 

第6曲 トッカータ:ヴィフ(活発に)

1914年8月24日に戦死したジョゼフ・ドゥ・マルリアーヴ大尉に捧げられています。

前述した《クープランの墓》の初演を行ったピアニスト、マルグリット・ロンの夫に当たります。

 

連打、心地よいトッカータ!!

 

  • タタタ…
  • タタタタ…
  • タタ、タタタ…♫

 

  • タタタ…
  • タタタタ…
  • タタ、タタタ…♫

 

続く、続くよ!

いつまでも…。

 

連打、連打で、どこまで続く…!!

 

ゆらりゆらめく、

 

はじけはじけて、音の玉(たま)。。。

 

るは(たま)。。。。。

 

はじけ、ゆらめけ、光りまくれ!

 

んで、ゆらめいて…♫

 

想いゆらめく、音、弾め!!

 

【名盤3選の感想と解説】ラヴェル《クープランの墓》

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ペルル・ミュテール:ピアノ 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

  • 透明感があり
  • 淡白なのに、
  • 幻想的な深さがある

《クープランの墓》を通してラヴェルが伝えたかった哀悼の思いを、ペルルミュテールの透明感をともなったピアノを通して天へと伝わっていく…。

そんな感覚の名盤です。

「飾らないピアニズムの中にキラキラと光りを放つ美しさ」が潜んでいる。

そんな魅力を引き出した名盤です。

 

 

モニク・アース:ピアノ 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

無邪気なピアノの音の粒たちが踊り、弾む…名盤。

元気さの中にも、どことなく儚(はかな)さが感じられて。何とも優しいラヴェルが聴き取れます。

 

晴れたお空と曇り空、いったり来たりでせわしなく…。

でもそのせわしなさが、スローモーションで展開する感覚とでも言うのでしょうか。

 

ラヴェルの音楽の持つ華やかな部分と切ない部分を、絶妙なブレンドで響かせる…そんな名盤です。

 

ジャック・ルヴィエ:ピアノ

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

ピアノの音のひとつひとつが、明るく楽しく笑ってる名盤です。

《クープランの墓》に欲しい「儚(はかな)さ」からは少し離れますが、こんなスカッとまぶしいピアノで聞くと、それはそれは嬉しいものです。

天に帰ったラヴェルの友人たちは、きっとこんな風に幸福に微笑みながら過ごしているのかも…そんな感想が持てる名盤でも、またありますね。

 

ジャン・マルティノン:指揮 パリ国立管弦楽団

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

全体的に優しいそよ風が吹いている感覚の名盤です。

どこまでも気長にゆったりと、そして優美に…ラヴェル《クープランの墓》のもつ哀悼の想いを聴くことができますね。

管弦楽の響きのたおやかさ、主張しない華やかさに、ただただ感動する名盤です。

 

シャルル・デュトワ:指揮 モントリオール交響楽団

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

テンポ速めの洗練されたラヴェルが聴きたかったら「コレッ」ていう名盤です。

「管弦楽の魔術師」の作曲家ラヴェルの音楽を、同じく「管弦楽の魔術師」の指揮者デュトワが麗(うるわ)しくも明るいイメージで表現

新鮮な《クープランの墓》が聴ける名盤ですね。

 

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【まとめ】ラヴェル《クープランの墓》

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さて、ラヴェル《クープランの墓》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

ラヴェルが失った、

  • 友…
  • 母…
  • 従軍への希望

 

そんなツライ心境からつむがれた「惜別と哀悼の想いの結晶化…」。

 

名曲《クープランの墓》からは「友や母を想うラヴェルの優しい気持ち」が詰め込まれ、そして運ばれてくる、そんな感覚がありますね。

 

  • 何かを失ったり
  • 悲しかったり
  • さみしかったり…

 

そんな時に優しく寄り添ってくれる曲、それが、ラヴェルの《クープランの墓》ですね。

 

ぜひ一度、じっくり聴いてみてくださいね。

 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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