続くらせん階段
どこまでもゆったりと
すくすくと成長を楽しむ時に聴きたい
ひとの幸福のひとつのカタチ…。
それが成長…。
でも成長って急速にはしないもの。
…いや、まあ、急速に成長することも、たまにはありますが…。
けれども、そういった急成長は、いずれ「コテン…と転んで痛い目に会うことも多いもの」です。
単調で平凡な毎日の中で、物事が、なかなか前には進まない。
その感覚は、まるで「深い砂山を踏みしめながら、悶々とあがきながら歩いているような…
- 焦り
- 落ち込み
- イライラ
そんな感情におそわれることもしばしばではないでしょうか?
少なくともアルパカはそんな毎日の繰り返しです(汗)
さあ、そんな時は、
「ひとは、ゆっくりとしか進めない」
と、思い直して深呼吸をしたら、聴こうじゃありませんか?
パッヘルベルのカノンを…。
そんなわけで、今回はクラシック音楽の中でもとりわけ人気の高いパッヘルベルのカノン、解説とおすすめ名盤を紹介です。
【楽曲を解説】パッヘルベル:カノン
パッヘルベル:カノンを解説したこんな一文があります。
低音部がしずかにバス主題を奏しますが、これは以下28回もくりかえされてゆくものです。
このうえにのって、3つのヴァイオリンが、次々にひとつのメロディを真似しあい、追いかけあいながら、カノン(輪唱ですね)をくりひろげてゆきます。
建築をおもわせるような数学的な技巧のうえに構成されていながら、その訴えはたいへん口マンチックで、もっとも人気あるバロック・ポピュラー名曲のひとつとなっている作品です。
出典:皆川達夫 著「バロック名曲名盤100」P140より引用
解説にもありますが、ヴァイオリンの輪唱と言いますか、メロディが追いかけながら重なりあう美しさ。
これが、パッヘルベル:カノンの特徴であり魅力でもあります。
そして「淡々として平凡な流れ」でありながら、野に咲く「名も知られることのない一りんの可愛いお花」を思わせるという特徴があります。
これは「淡々として平凡で、一見つまらない毎日の中に小さな喜びを見つけたとき」のような感覚に近い、そんな楽曲のようにも、また思います。
- 寒さの厳しい冬、ときたまおとずれる小春日和な日…。
- 焼けるような暑さの夏、ハンカチで額の汗を拭いながら聴く、風鈴の音…。
- ただ単に「おいしいものが食べられる」また、「夜、気持ちよく眠れる」
そんなちょっとしたことでも幸福を感じられる瞬間を持つことは、大切なことと思います。
そして、その瞬間とともにあるクラシック音楽…その中のひとつが、パッヘルベル:カノンですね。
【解説「パッヘルベル」ってどんな人? 】パッヘルベル:カノン
さて、ではこのパッヘルベル:カノンを作曲したパッヘルベルとはどんな人だったのでしょうか?
音楽家の分類としては、「南ドイツ・オルガン学派」に位置づけられています。
子どものころは教会の聖歌隊で活躍しながら音楽を学び、成人してからは、教会のオルガン奏者として身を立てます。
各地の教会でオルガン奏者として活躍しますが、作曲家としての仕事もめざましかったようです。
賛美歌や、フーガ(カノンに似ていますが複雑、同じメロディが転調して追いかけたりします)などの可能性を大きく広げて、豊かに肉づけをし、貢献しました。
そういった意味で、バロック音楽の中でも重要な位置を占める作曲家のひとりと言われています。
有名なバッハの父親とも交流があり、もちろん、バッハ自身にも多きな影響を与えています。
そして、驚くことに「パッヘルベルのカノン」が、パッヘルベルの生涯で書いた、ただ1曲のみのカノンだったそうですね。
【3枚のおすすめ名盤の解説と感想】パッヘルベル:カノン
ジャン=フランソワ・パイヤール:指揮 パイヤール室内管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
「ゆったりとして落ち着いた流れの名盤」で、パッヘルベルのカノンの演奏における、ひとつの理想のカタチかもしれません。
「あたたかく、よく晴れた春の日に訪れる、静かに流れる小川と時間…」。
そんな感想を持てる名盤です。
さあいい匂いのする草原に寝そべって、うつらうつらと夢を見ましょう!
その世界にこだまするパッヘルベルのカノンこそ、このパイヤール指揮の名盤にちがいありません。
トレヴァー・ピノック:指揮 イングリッシュ・コンサート管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
早めのテンポで展開する薫りの深い名盤です。
洗練された感覚のある音運びは現代人にも届くパッヘルベルのカノンという感想です。
ことさら華やかに表現することはなくとも、本来、パッヘルベルのカノンが持つ純粋な美しさはそのまま伝わってくる名盤です。
パイヤールの「ぬくもり」をとるか、ピノックの「洗練された輝き」をとるか、迷うところです。
イ・ムジチ合奏団
アルパカのおすすめ度★★★☆☆
【名盤の解説】
イ・ムジチ合奏団と言えば、日本では、ヴィヴァルディの四季が有名ですし、バロック音楽ブームの火付け役とも言われています。
パッヘルベルのカノンの演奏では、つつしみ深く、品があって心地いいという感想です。
少し上品にすぎるところはありますので、味付けとして、もうほんの少しパンチが効いていてもいいかなという感想も持ちます。
ただこの、「ゆっくりたゆたう小舟」のような演奏は気持ちいいという名盤でもありますね。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【解説と名盤、まとめ】パッヘルベル:カノン
さて、パッヘルベル:カノンの解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- 焦り
- 落ち込み
- イライラ
そんな感情は、毎日のように訪れる「招かれざる客」のようなもの…。
でも、成長する過程ではそんな感情も時には受け入れつつ急いでコトを進めていくことが重要なときもあります。
でも、成長をあせるばかりに心が押しつぶされてしまっては元も子もありません。
「成長する」ことは、「幸福」に奉仕するものですが、「幸福」そのものではありません。
「さあ、本来の自分のペースを取り戻しましょう!」…と…、
自分に語りかけるボッチなアルパカでございました…
(~ ̄▽ ̄)~
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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