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ドビュッシー「月の光」【静かな夜に幸福を感じられる瞑想曲】名盤と解説

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「品があって、まるで瞑想を思わせる静けさをともなった素晴らしい一曲です。『ベルガマスク組曲』は全体としても素敵な一曲ですね。」

でも、やっぱり、有名なのは第3曲目の「月の光」ですよね。 


ドビュッシー: 月の光

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ある秋の夜、ひとり部屋にたたずんでいると「りりり、りりりり」と虫の声。
カラカラと窓を開けてその声に耳を傾けながら、見上げてみると抜けるように見事な白い満月。
その静けさと、ときたま聴こえる虫たちのかすかな歌は秋を楽しむ醍醐味のひとつですね。

そんな「静謐(せいひつ)」なイメージとでも言えそうな1曲がこのドビュッシー作曲の「月の光」ですね。

1.ドビュッシー「月の光」を解説

この「月の光」という曲は、下記に引用した解説にある通り、ドビュッシーの作曲した「ベルガマスク組曲」という曲集の3曲目になります。
ドビュッシーの音楽は「印象派」という分類ですね。
「印象派」という分け方は絵画の世界でもあるもので、その淡い色調から浮かび上がる心地よい優しさは、まさしく繊細なタッチの「印象派」と呼ぶのにふさわしい表現に思えます。
ただ、ドビュッシー本人は自分の作る音楽がその「印象派」に属しているということを認めていなかったとのことですね。

こんな解説があります。

  「月の光」によって愛好されている、この「ベルガマスク組曲」は、ドビュッシーの初期のピアノ曲を代表する傑作である。(略)
「ベルガマスク(ベルガモ舞曲の意)」と名付けられているのは、まだ彼の頭のなかに、留学中訪れた北イタリアのベルガモ地方の印象が深く刻み込まれていたからであろう。
 「前奏曲」「メヌエット」「月の光」「パスピエ」の4曲からなっているが、旋律とハーモニーがとりわけ美しい「月の光」は、ドビュッシーの全作品をつうじて、もっともポピュラーなものとなっている。

 出典:志鳥栄八郎 著 「新版 不滅の名曲はこのCDで」p312より引用 

 

それでは、この「月の光」を含む、全体としても美しい「ベルガマスク組曲」の一曲一曲について、書いておきたいと思います。

 

 

2.「月の光」が入った「ベルガマスク組曲」の各楽章を解説

「月の光」の入った「ベルガマスク組曲」は4曲で成り立っています。
それでは、各曲について少し解説したいと思います。

第1曲:「前奏曲」

ドビュッシーは1884年にフランスで行われた、「ローマ賞」で大賞を受賞しました。
これは、すぐれた芸術家に送られる留学奨学金つきの賞とのことです。
ドビュッシーは、その奨学金でイタリアのベルガモ地方へ留学します。
でも、ドビュッシーはその土地に馴染むことが困難だったため、はやばやと留学を切り上げて、フランスに戻ってきてしまったそうです。
「ベルガマスク」とは引用の解説にもあったとおり、「ベルガモ舞曲」の意味ですね。
そうだとすると、ドビュッシーがあえて、ピアノ曲として作曲したところをみると、肌に合わないベルガモの地であったとはいえ、いくつかのいい思い出もあったのかもしれませんね。

この第1曲目の「前奏曲」の、スローモーションで弾ける水玉のような清らかさは、街にたたずむ泉のイメージのように感じます。

第2曲:「メヌエット」

優しい陽光の中で、流れる舞踊曲(メヌエット)は恋人同士が笑顔で交わす会話のよう。

時に、いたずらっぽく、時に、ふざけながら、
それでも、足の動きはかろやかに、手のひらの舞はなめらかに。
踊ろよ。みんな。手を差しのべて。
光も踊るよ。いつまでも。

第3曲:「月の光」

照らすよ、照らす。
夜のとばりが降りたなら、
静かに照らすよ。
月あかり。

海のみなもと話してる。

木々の葉っぱと話してる。

無口な石ころ話さない。
じっとだまってきいている。

なかなかお話してくれず、
それでも、月は話してる。
面白そうに話してる。
ささやくように話してる。

けっして、誰にも聞こえない。
ささやくようなその声で
今日も静かに話してる。

第4曲:「パスピエ 」

重い空からおちてくる、石だたみをたたく雨は、弾けて空に帰ろうとしても、その願いは叶わず地面の石に染みていく。
それでも、ますます落ちて、注ぐのは、空の世界を知りたくて、踊りながら存分に、たくさん遊んでみたいから。

第2曲の「メヌエット」とは少しだけおもむきの違うダンスという感じかな。

 

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以上、簡単にこの曲のイメージを書いてみました。 

3.「月の光」の名盤を紹介

3-1.ゾルターン・コチシュ

コチシュの奏でるピアノから、聴こえてくる「月の光」は、限りない透明感のある月であって、すでに目に見える月を通り越して、その奥底に潜むほんとうの「月」とも言えるものなのですよね。

わかりにくいかもしれませんが、たとえて言えば、人というのは顔や体で表現されているものですけれども、やっぱり、どう考えても「こころ」ってありますものね。

それと同じで、月にもその目にみえない「こころ」というか、本質のようなものがあるような気がしてならないのですよね。
そして、それはこのコチシュが表現している、ひとの心のやわらかい部分、限りなくうすい膜のようなガラス素材のいつ壊れてもおかしくないくらいの繊細なこころを持つ「月」の個性そのものなのですよね。
このコチシュさんの演奏がアルパカにとっての初めてのドビュッシー体験であり、ドビュッシー演奏の理想との出会いでした。

by カエレバ

3-2.サンソン・フランソワ

「ピアノ詩人」
そんな呼び方をされるフランソワのテンポは、コチシュよりも早めでありながら、変幻自在にそのテンポ自体を変えてくる。
そのところは、すごくインスピレーショナブルな感じで、さすがはサンソン・フランソワ、センスが光りますよね。
一般的にはこのフランソワのドビュッシー演奏は評価が高いですし、多くの方にオススメかもしれません。

by カエレバ

 

さて、アルパカとしては、以上2枚を聴いてみて、やっぱりどちらかと言うとコチシュの演奏した方が好きかもしれません。 

たしかに一般的にはフランソワの演奏の評価は高いので、これはあくまでも「アルパカの好み」のおはなしということで、ご了承いただけたなら幸いです。

つまり、テンポは淡々としていても、アルパカの思う「月」のイメージがコチシュの演奏に近いということなのですね。
なんだかとても、落ち着いて、ゆっくりと、だけれども、深くこころを見つめることができるようなそんな感覚ですね。

現代人にはむずかしい「心を静めるための簡単な方法」として聴くならば、最適なアルバムのひとつかもしれませんね。  

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まとめ

いかがでしたか。 

ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」の中の「月の光」という曲は、一日の疲れが、なかなか取れずに悶々としているときに、ほんの少しのお酒などを口に含ませながら聴くと、さて、「明日もなんとか、がんばって持ちこたえてみるかな」という気持ちが出てくるとともに、そのあとは、深い眠りに入って行くことができるのですよね。

 

読者のみなさん、今は夜ですか?

そして、空は晴れていますか?

それならば少しの間、窓をあけて空を見上げてみませんか?

その空の彼方には、あなたに静かにお話をしてくれるお月さまが、優しい光を投げかけてくれていることに気づけるかもしれませんよ。

 

そんなわけで…

 

『一つの曲で、たくさんな楽しみが満喫できる。

   それがクラシック音楽の醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。