アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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ドビュッシー:子供の領分【感想と解説と3枚の名盤】作曲の背景とその感想

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はじける子供の笑い声

息をはずませ駆け抜ける!

「あどけなさ」がいっぱいの楽曲!

楽しく愉快に遊ぶ子供のさまを活き活きとしたタッチのピアノの曲として昇華させたドビュッシー:子供の領分の解説とおすすめ名盤を紹介です。

【解説】ドビュッシー:子供の領分

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ドビュッシーの微笑ましいエピソードを含む、こんな解説があります。 

彼(ドビュッシー)には、40歳を過ぎてからもうけたエンマという娘がいたが、彼はこのひとり娘のエンマを「シュウシュウ」と呼んで、目のなかに入れても痛くないほどかわいがっていたのである。(中略)

彼は、この曲の楽譜の冒頭に次のように記している。

「あとに続く者への、父親のやさしい言葉をそえて、わたしのかわいいシュウシュウへ」と。

彼はこの曲をとおして、エンマとともに、あどけない子供の世界に遊ぼうとしたのであろう。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P314より引用

ドビュッシー:子供の領分は、子供が演奏することを目的したものではなく、むしろ大人が子供の心へと帰ることを目的に作曲された曲です。

「空想的でファンタジックな曲調」をもつドビュッシーの音楽らしく「可愛らしくてあどけない子どもの心や姿」が描かれていて楽しい曲集になっています。

ちなみに作曲者のドビュッシーはフランス人ですが、この子供の領分の題名は英語表記です。

これはドビュッシーの夫人エマが当時、英国にあこがれていたことが影響していると言われていますね。

【各楽章を解説】ドビュッシー:子供の領分

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それでは、各曲について解説したいと思います。

ドビュッシー:子供の領分は第1曲から第6曲までの6曲で成り立っています。

第1曲 「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」

ピアノの練習に退屈を感じている子どもの姿をイメージして作曲されています。

「これはうまくなるための練習です。毎日、朝ごはんの前に弾くべきだよ。」とのユーモアを交えたドビュッシーの言葉が残っています。

また、音楽家クレメンティの「ピアノのための練習曲集」のことを「グラドゥス・アド・パルナッスム」と言いますがこのパロディがこの第1曲目なのです。

つまりこの題名が、面白みのないピアノの練習を、イヤイヤながらやらされている子どもをイメージしてもいるわけです。

 第2曲 「象の子守り歌」

「でんでん…♫」

ゆったり、どっしりと始まるこの曲はまさしく像の歩くさまという感想

その後、ほんの少し軽快な動きになりますが、これは子守り歌に誘われて夢の世界へと入ったあとの象との楽しいむつみ合いに聴こえてきます

第3曲 「人形へのセレナード」

なんともせかせかと駆けていくさまが見えてくるようです。

本来「セレナード」とは恋の曲

「人形に初恋をした子どもが両思いのうれしさにウキウキ踊る」風景が浮かんでくる。

そんな感想を持ちます

第4曲 「雪は踊ってる」

空から愉快に雪が降る

フワフワ、クルクル、踊って、舞って…。

フワフワ、クルクル、無限のフィールド、空の中。

ダンス踊ろよ。一緒に踊ろ

そして、いつも、いつまでも…。

空は無限に広がって…。

第5曲 「小さな羊飼い」

どこまでも、どこまでも遠くまで続く、牧場(まきば)の午後…。

ただ、そよ風のみ流れてる。

羊飼いの少年は静かな羊たちといつも一緒

なんにもない、ただ、そよ風のみの午後を、ただ過ごす…。

そんな、なんにもない幸福がいつまでも続く曲

1曲リピートにして、いつまでも幸福を感じていたいですね。

第6曲 「ゴリウォーグのケークウォーク」

イギリスの絵本に登場する黒人の人形の男の子、ゴリウォーグ。

ケークウォークとは黒人のおどけていて軽快でもある踊りです。

つまり、「黒人人形のゴリウォーク」が軽快な踊りである「ケークウォークを踊る」さまを描いています。

ドビュッシー:子供の領分のなかでは、もっとも親しまれている曲で、とてもノリのいい楽しい1曲に仕上がっています。

【3枚の名盤の感想と解説】ドビュッシー:子供の領分

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アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★★

【解説】

音を七色の虹で表現したら鮮やかで華やか微妙なニュアンスが満載のこんな音となることでしょうね

そんな感想が持てる名盤です。

細部にまでこだわりぬいた繊細なタッチはミケランジェリの素晴らしさとの感想も持ちますね。

ドビュッシーの幻想的な彩りのピアノ曲をここまで色鮮やかに表現した名盤も珍しいですね。

サンソン・フランソワ:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

ちょっと皮肉ったような表現が妙にカッコいい名盤

ドビュッシー:子供の領分のちょっと背伸びしたオマセな子ども系の演奏という感想です。

ていうか…もう立派なオトナなのか…。

こればかりは人によっての感じ方、感想の持ち方の違いかもしれませんね。

そんなビミョーな境地を行ったり来たりして揺れる、ある意味での名盤です。 

ゾルタン・コチシュ:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

弾ける感性がそのまま子どものテリトリーに入り込んでいる名盤です。

「キラキラと光を放つコチシュのピアノのタッチはドビュッシーの演奏に似つかわしい」という感想です。

とくに「人形へのセレナード」や「雪は踊ってる」の粒立つタッチの弾け方は気持ちいい印象を与えてくれる。

そんな感想です。

そして全編、素晴らしいインスピレーションに満ちた名盤でもあります。

【解説と名盤、まとめ】ドビュッシー:子供の領分

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さて、ドビュッシー:子供の領分」の名盤のオススメと、解説はいかがでしたか?

「オトナの事情」満載な大人の世界にもう飽き飽き…

かと言って、逃げ出すわけには行かずに悶々と日々を過ごしちゃう私たちサラリーマンの悲しいサガが悲しすぎる…。

「ホッ…」。

仕事も終わって家事も終わったほんのわずかな「自分の時間」…。

せめて耳だけでも「子どもの心」に帰って遊びたい

そんなあなたにオススメな1曲がドビュッシー:子供の領分ですよ。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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