アルパカと聴く幸福なクラシック

幸福なひとときを与えてくれる、クラシック音楽との出会い

モーツァルト「ヴァイオリンソナタ第34番」名盤!【小さい春をみつける喜びを感じる方法を解説】

f:id:happy-alpaca:20190819080821j:plain 

「みずみずしく春の風のようなやさしい衣装をまとったかのようなメロディは『モーツァルトの歌そのもの』あるいは『おさな子のような純粋な心』のひびきという感じですね。」 


モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.378:第1楽章 

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”)

 

そして、おさな子と言えば思い出しますが、小学生のころ、音楽室の天井近くの壁には、なにやら気むずかしそうな顔で並んでいる有名な作曲家たちの肖像画と、そこで流れる音楽たちは、なつかしい記憶として残っていますね。
さらに、その人たちがつくった音楽自体は、よく聴いてみれば、せわしい毎日のなかを生きる私たちの、ざわつく心を落ちつかせてくれるという、貴重な時間を与えてくれます。

1.モーツァルト「ヴァイオリンソナタ第34番」の全体を解説

この曲は、1779年のはじめ、モーツァルトがマンハイム、パリでの演奏旅行を終えて帰ってきてすぐ、ザルツブルグにて書かれたそうです。
この時には、パリの芸術の自由な気風にふれて帰ってきていたのでしょうか。

音楽評論家の大木正純さんの解説を紹介します。 

父の仕事の関係で、筆者のまわりにはまだ物心もつかないごくごく小さなころから、ちっぽけな蓄音機から流れてくるいわゆるクラシック音楽があった。進んできいたわけではもちろんないが、否応なしに耳に入ってくる毎日だった。人間とは妙なもので、ぼんやりとではあるけれども、いまだにその30年あまりも前のことを思い出すことがある。モーツァルトのこの変ロ長調のヴァイオリン・ソナタは、バッハのブランデンブルク協奏曲第5番などとともに、そんな遠い遠い耳の記憶の底にいまもこれははっきりのこっているなつかしい調べのひとつである。繰り返しきいたあれは一体、誰の演奏だったのだろう。ともあれ、実際この曲の冒頭、ヴァイオリンの伴奏をバックにピアノが奏でる第一主題などは本当にまたとない名旋律で、おぼつかない子供心に鮮やかな印象をのこしてもいっこうに不思議ではない。

出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」p22より引用 

 

f:id:happy-alpaca:20190822095723p:plain

冒頭に小学生のころの音楽室のことを書きましたが、この解説にもある通り、子供のころの音世界の原風景とでもいうべきものは、その記憶に印象をともなって強く残るものですよね。

その中でもとくにモーツァルトの作曲した音楽は、「おさな子のような純粋なひびき」を持っていますよね。

今回紹介する「ヴァイオリンソナタ第34番 変ロ長調 K.378」は、その最たるもののひとつですね。

 さて、では、この曲について書いていきますね。

2.「ヴァイオリンソナタ第34番」の各楽章を解説

この曲は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。
それでは、各楽章について解説したいと思います。

第1楽章:アレグロ・モデラート(ほどよく速く)

ピアノとヴァイオリンが、会いました。
そしたら、歌い始めます。
ふたりのお歌は、たくさんな、春の思い出、ファンタジー。

草原でみつけたチューリップやキンセンカ、つつじやたんぽぽとも仲よく遊んだ楽しい記憶。
空を見あげれば、わたげのような白い雲。

そんな春の風景が、うかんでは消え、消えてはうかび、そんな楽しいひとときです。

第2楽章:アンダンテ・ソステヌート・エ・カンタービ(歩くテンポより少し遅く、歌うように)

春の木漏れ日といっしょに午後のお昼寝をする子どもたち。
もてあそばれて光る、ほっぺたのうぶ毛も眠ってる。
しばしの間、遊ぶところは夢の中。
たくさん走ろと笑ってる。

f:id:happy-alpaca:20190823091709p:plain

第3楽章:ロンド:アレグロ(速く)

眠い目をこすりながら、まだまだ光はまぶしいよ。
たくさん遊ぼ、たくさん走ろ、たくさん笑う声がする。

以上、簡単にこの曲のイメージを書いてみました。  

3.「ヴァイオリンソナタ第34番」の名盤を紹介

 

この曲は一般的にはあまり知られていませんが、モーツァルトファンや、クラシック音楽を好きなひとの間では有名です。
なぜ、もっと多くの人に聴かれないのか不思議でたまりません。

3-1.ヘンリック・シェリング:ヴァイオリン
    イングリッド・ヘブラー:ピアノ  

ヴァイオリンのシェリングも、ピアノのヘブラーもふたりとも、ことさら強く主張することはありません。
シェリングはヘブラーのピアノのみずみずしい語りに耳をかたむけて、ヘブラーはシェリングのヴァイオリンの優しいこころねに思いをかたむけます。
そうしたふたりの魂の通い合いをとおして奏でられたモーツァルトは本当に素晴らしい。
まさしく地上の天国ですね。

3-2.イツァーク・パールマン:ヴァイオリン
    ダニエル・バレンボイム:ピアノ 

ふたりの最高度に磨き上げられた技巧が光りますよね。
パールマンのそれこそ、宝石のきらめくような粒だったひとつひとつの音は至高の音世界ですね。
また、バレンボイムのピアノもヘブラーのピアノのようにみずみずしいのですがそのみずみずしさの中に華麗さのようなものが加わっている感じで目を見はります。
すごく古いころの演奏のものにも、このような技巧派の演奏はありますが、いかんせん雑音が多くて聴きづらいですので、華麗に聴きたいという方にはこのアルバムがオススメかもしれません。

4.好きなアルバムを見つけよう

さて、アルパカとしては、以上2枚を聴いてみて、やっぱりどちらかと言うとシェリングとヘブラーの演奏した方が好きかもしれませんね。  

一見、 淡々として響いてくるこのアルバムですが、目をとじて、聴き入ってみれば限りなくモーツァルトの声なき声を「音」というかたちで聴く人たちに伝えようとする思いが聴き取れますね。 

 

まとめ

いかがでしたか。  

モーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ第34番」は、モーツァルトの可愛らしいメロディをもつ音楽の中でもとりわけ可愛らしい一曲なのですよね。 

この1曲で 「小さい春をみつける喜び」を感じてみませんか?

 

↓春を感じたい時に聴きたいこんな曲もあります♬

ヴィヴァルディ『春』解説!【この1曲で『春』のおとずれを喜ぶ名盤】

 

 

 

そんなわけで…

 

『一つの曲で、たくさんな楽しみが満喫できる。

 それがクラシック音楽の醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。  

 

最後までお読みいただきありがとうございました。