アルパカと聴く幸福なクラシック

幸福なひとときを与えてくれる、クラシック音楽との出会い

モーツァルト「フルート四重奏曲第1番」【名盤2枚と解説】草花のかすかな笑い声に耳を傾けてみよう♬

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小さな花の精に出会ったら、ほんのわずかな微笑みを送りかえしてみようよ!


フルート四重奏曲第1番:第1楽章

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”)

「花の妖精が飛んでる!」
そんな姿が目に見える…わけではありません(汗)
でも、好きな町をてくてくと散策しながら、目を閉じ、耳をすまして「モーツァルト『フルート四重奏曲第1番』」を聴けば、閉じたまぶたに浮かぶのは花の妖精。

道端の小さな花たちのまわりにも、家の軒先に置かれた鉢の中に咲く花のまわりにも「花の妖精」のいることがわかってくる。
そんな1曲ですね。

1.モーツァルト「フルート四重奏曲第1番」を解説

モーツァルト「フルート四重奏曲第1番」のこんな解説があります。

1777年から翌年にかけて、滞在中のマンハイムで作曲された。ある金持ちのオランダ人の注文があったためだが、当時これといった仕事もなくふところ具合を気にし始めていたモーツァルトはふたつ返事でこれを引き受けてはみたものの、どうやら彼にとってひどく気乗りのしない仕事だったらしく、父親への手紙の中でその強い嫌悪の気持ちをぶちまけていることはよく知られている。(中略)依頼後ただちに作曲された最初のニ長調の曲(フルート四重奏曲第1番)が3楽章の立派なたたずまいを持ち、楽想も豊かでこの曲種にふさわしい優雅な美しさをいっぱいたたえた名作である…。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」よりp28より引用

この解説にある父親への手紙には、「強い嫌悪の気持ち」が表されています。
その理由として「フルートの音色が嫌い」という旨のことが書かれていてるようです。
つまり、

「我慢できない楽器のための作曲をずっと続けなければならないと、お分かりのように、僕はうんざりしてしまうんです。」
Wikipediaより引用

との内容です。
しかし、「フルートの音色が嫌い」というのは言い訳のためのものという説もあります。

それは、「フルート四重奏曲第1番」を作曲のころ、モーツアルトはある女性に片思いをしていたために、気が散って仕事にならなかったという説ですね。

このころモーツァルトは、就職活動のためにパリに向っている最中でした。

その途中に立ち寄ったマンハイムという都市で、歌手のアロイジアという女性に出会い、片思いをします。
この頃のモーツァルトの頭と心は、アロイジアのことでいっぱいいっぱい。
そのために依頼された作曲に集中できず、4曲のフルート四重奏曲のうち、この「フルート四重奏曲第1番」以外の出来栄えがイマイチだったことに対する言い訳がひとつ。(「イマイチ」とは言えモーツァルトの曲はどれもチャーミングです。)
それから、もう一つ。
注文された量に作曲が追いつかなかったことに対する言い訳ですね。
つまり「フルートの音色が嫌い」というモーツァルトの言葉の裏には「恋の病で思うように作曲ができなかったこと」に対する言い訳だったという説です。

でも、このモーツァルト「フルート四重奏曲第1番」を聴いていると可憐(かれん)な女性を思わせる優しい音色とメロデイに満ちていますね♬
モーツァルトの「アロイジアへの思いがこぼれて落ちた1曲」というアルパカの想像はちょっと行きすぎですかね〜(汗)
(ちなみに後年、アロイジアとの恋に破れたモーツァルトはアロイジアの妹であるコンスタンツェと結婚しています。)

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2.モーツァルト「フルート四重奏曲第1番」の各楽章を解説

それでは、各楽章について解説したいと思います。
この曲は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

第1楽章「アレグロ(速く)」

 「お日様の光はこんなにも優しく、おだやかな暖かさを運んでくれるものだったのだな。」と、あらためて、そのおいしい空気を吸い込んでみれば、かすかに鼻を彩ってくれるのは沈丁花(じんちょうげ)の香り。
そんなイメージの1曲ですね。

第2楽章「アダージョ(ゆるやかに)」

 少しだけさみしげな天使の横顔、そんな感じですかね。
ちょうど、若き日のモーツァルトが恋をしたアロイジアの、「憂いを秘めた面影」を表現していたのかも…。

第3楽章「ロンド:アレグレット(やや速く)」

ひとときの恋のアロイジアとの愉(たの)しい会話。 
心、ふわふわ。
足どりは軽(かろ)やか。
そんな、明るい1曲です。 

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3.モーツァルト「フルート四重奏曲第1番」の2枚の名盤を紹介

さて、名曲であるがゆえに名盤はたくさんありますが、アルパカがてくてくと春の街を散策する時に聴く、ステキな名盤2枚の紹介ですよ♬

3-1. エマニュエル・パユ:フルート 他

パユのフルートがモーツァルトの心の歌を唄い、その歌をまわりの弦楽器たちがそっと演出する感じ。
フルートをメインにした、心地よい調和をかもし出している素晴らしい演奏です。

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(フルートのパユ、カッコいいっすね。それもこのCDが注目される理由かも…。)

3-2.ジャン=ピエール・ランパル:フルート 他(1969年録音盤)

フルートと弦楽器たちが全体としてバランスよく唄っています。
かぐわしい花たちの香りが漂ってくるような演奏です。
演奏者が、みんなソロとして技巧派の方たちなので、そうとう主張が強くなりそうなのに、決してその品性が失われることがないのは、演奏している曲がモーツァル「フルート四重奏曲第1番」という調和の優しさにみちた1曲だからでしょうか。
長い間、名盤と呼ばれている1枚ですね。

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(30年くらい前に買った時はこういう、いい感じのライナーノートだったのですが…。)

 

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まとめ

さて、名盤の紹介と解説はいかがでしたか?

片思いの辛さや悲しさ、そして、胸のうちを暖かくしてくれるかすかな喜び。
そんな、木洩れ日のような気持ちよさが、そのまま音楽になったとでも言えそうなモーツァルト「フルート四重奏曲第1番」を聴くと心も晴れやかになれますよ♬

 そんなわけで…

 

『一つの曲で、たくさんな楽しみが満喫できる。

      それがクラシック音楽の醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。