アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番|第2番【解説と名盤2選】

旋律が舞う

虚空に向けての

カルテット

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つらい現実、目の前に、

苦しみもがくモーツァルト。

けれども生まれる作品は、

ため息出るよな名曲ばかり…。

 

今回は、モーツァルト《ピアノ四重奏曲第1番》解説とおすすめ名盤を紹介です。

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】モーツァルト《ピアノ四重奏曲第1番|第2番》

ピアノ四重奏曲第1番

熱狂は過ぎ去ったのだ。流行とはそういうものであろう。彼はまさに虚空に向かって語りかけているようなものだった。どんな曲を作るにしても、もはやそれを金にかえられるあてはなかった。彼は一時祖国を去ろうとさえ考えた。

出典:アンリ・ゲオン 著「モーツァルトとの散歩」p244より引用

1785年、モーツァルトはウィーンの楽譜出版業者ホフマイスター社から3曲のピアノ四重奏曲の作曲依頼を受けます。

1785年12月に第1番を出版しますが、ホフマイスター社からは「難解すぎて売れない」とのクレームが入ります。

ホフマイスター社としては、一般の音楽愛好家が弾けるようなやさしい曲をのぞんでいたための言葉でした。

このことからモーツァルトは契約解除をした上で、第2番は別の会社であるアルタリア社から出版することになりました。

ホフマイスター社との契約では、ピアノ四重奏曲を3曲作曲する予定でしたが結果的には2曲のみの作曲となりました。

よく言われるところでは、ホフマイスター社との間で仲違いがあったように受け取れますが事実は異なるようです。

この後もモーツァルトは、ホフマイスター社から作品を出版していることからも明らかです。

 

ピアノ四重奏曲第2番

1786年5月1日、ウィーンで初演されたオペラ《フィガロの結婚》が大人気で再演が繰り返されるほどでした。

この後に作曲されたのが《ピアノ四重奏曲第2番》なのですが、第1番とは打って変わっての明るい曲(変ホ長調)で聴きやすい曲に仕上がっています。

モーツァルトにはト短調の名曲と対になるように、陽気で明るいハ長調の曲が作曲される例があります。

《ピアノ四重奏曲第2番》は変ホ長調なのでこれには当たりません。

ただ《ピアノ四重奏曲第1番》のト短調の後に楽天的に明るい《ピアノ四重奏曲第2番》が来るというのは胸をなでおろすような気持ちです。

編成:

ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ

 

【各楽章を解説】モーツァルト《ピアノ四重奏曲第1番|第2番》

ピアノ四重奏曲第1番

第1楽章 アレグロ(早く)

鈍色(にびいろ)深いと言いますか…。

沈むグレーの厚い雲…。

まるで垂こめ降りるよな…。

 

ヒヤリと冷たくありながら、

ピンと張り詰め、

空気も凍る…。

 

紡(つむ)ぎ紡がれ、

寂しいメロディ…。

 

歌うピアノに連れられて、

共に悲しむ、

ヴァイオリン

むせぶヴィオラと、

うなるチェロ…。

 

鈍色(にびいろ)深いと言いますか…。

沈むグレーの厚い雲…。

まるで垂こめ降りるよな…。

 

第2楽章 アンダンテ(歩く速さで)

第1楽章の緊張感からふと開放されて温かく、そして柔らかいピアノの歌に合わせるようにうたう弦楽器たちが夢のよう…。

この対比の美しさこそモーツァルトのステキさのひとつと言えます。

 

第3楽章 ロンド:アレグロ・モデラート(ほどよく速く)

第2楽章の柔らかさをそのままに、明るく軽やかに展開する第3楽章です。

このような曲調で出版していればピアノ四重奏曲も順調に出版されてもう1曲、つまり全部で3曲残ったことでしょう。

第1楽章の暗さ冷たさを、一気に吹き払うように心も晴れ渡る最終楽章です。

 

ピアノ四重奏曲第2番

第1楽章 アレグロ(速く)

《ピアノ四重奏曲第1番》とは打って変わっての明るい曲調です。

明るく陽気な雰囲気を持った曲ですが、春のようなのんびりとした優しさも持っています。

ピアノと弦楽器との会話がいかにも嬉しそうで楽しそう。

夢のような時の流れに乗っかるように浮かぶピアノたちの音のダンスが心地いい。

そんな第1楽章です。

 

第2楽章 ラルゲット(表情ゆたかにゆったりと、やや速く)

まるでうたた寝

すやすやと、

 

遊ぶ夢見る

雲の上

 

歩く夢見る

砂浜を

 

寝転ぶ

草原

夢見たら

 

たくさん遊んで

さあ、帰ろ

 

お目々こすって

目を覚まそ

 

第3楽章 アレグレット(やや速く)

透き通る

美し珠(たま)が、

コロコロと、

 

コロコロ転がる

様(さま)のよな

 

ピアノコロコロ

楽しんで

 

合わせて歌う

ヴァイオリン

 

合わせて

ヴィオラは笑ってる

 

静かに

チェロはうなづいて…

 

【名盤3選の感想と解説】モーツァルト《ピアノ四重奏曲第1番|第2番》

 

ワルター・クリーン:ピアノ
アマデウス弦楽四重奏団

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

澄んだピアノの語りすぎない魅力がそのままモーツァルトらしい魅力になっている名盤です。

アマデウス弦楽四重奏団の「折り目正しくも堅苦しくならない節度のある重厚感」も素晴らしく、ワルター・クリーンのピアノとマッチしています。

始終室内楽を楽しむ奏者たちの気持ちが伝わる名盤で飽きさせません。

クリーンのピアノが繊細すぎる向きも感じますが、これが《ピアノ四重奏曲第2番》になるとピッタリとハマる印象です。

もちろん《ピアノ四重奏曲第1番》でもクリーンの柔らかいピアノの魅力が静けさを含んだ寂しさを醸していて好感が持てる名盤です。

 

イングリット・ヘブラー:ピアノ
ミヒェル・シュヴァルベ(ヴァイオリン)
ジュスト・カッポーネ(ヴィオラ)
オトマール・ボルヴィッキー(チェロ)

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

ヘブラーのピアノは「主張するというよりは、全体と調和するような印象」の関わり方で「これぞ室内楽…」という魅力をまとっている名盤です。

この関わり方はモーツァルトの曲にはとても合っているように感じます。そして常にモーツァルトとの一体感を感じるヘブラーのピアノと合わせるように弦楽器たちも心から楽しんでいる雰囲気が伝わってきます。

《ピアノ四重奏曲第1番》の悲劇性からは少し距離を取りながらもモーツァルトの音楽が本来持っているところの美しさをいかんなく発揮。

《ピアノ四重奏曲第2番》の温かくも柔らかい演奏も素晴らしいので、おすすめの名盤です。

 

アルフレッド・ブレンデル:ピアノ
トーマス・ツェートマイアー(ヴァイオリン)
タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)
リヒャルト・ドゥヴェン(チェロ)管弦楽団
 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

こちらは《ピアノ四重奏曲第1番》のみの名盤です。

ブレンデル特有の理性の効いたピアニズムが《ピアノ四重奏曲第1番》の「肌触りの冷たい孤独感」のようなものを表出しています。

切々と歌うピアノに合わせてむせび泣く弦楽器たちも美しく、聴いていてうっとりする名盤です。

ある意味もっとも《ピアノ四重奏曲第1番》の本質をついた空気感をもった名盤とも言えそうです。

 

【まとめ】モーツァルト《ピアノ四重奏曲第1番|2番》

さて、ピアノ四重奏曲第1番と第2番の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?


モーツァルトの名曲に多いト短調の第1番と対象的に陽気で明るい第2番はともにモーツァルトらしさが表れた名曲です。

2曲を比べながらモーツァルトの室内楽の魅力を感じ取ってみるのも楽しいものですね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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