アルパカと聴く幸福なクラシック

幸福なひとときを与えてくれる、クラシック音楽との出会い

チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」【名盤2枚と解説】憂いを秘めた豪華さに心遊ばせよう!

f:id:happy-alpaca:20191217143723j:plain
あせる気持ちと、もの憂(う)さが交じる毎日の中、ひとにぎりの希望とともに歩もうよ。


第1楽章

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”)

「あ〜、もったいない!」
「ホントに時間がもったいない。
信号は、点滅していて、チカチカだけど、まだまだ走れば間に合うし、エレベーター、閉まるボタンで急げるし、
出発前、急行列車、駆け込めば、まだまだゼッタイ間に合うし、
いつもいつでも、セカセカと、急いで心、壊してる。。。

『ゆっくりと、時をすごせば欲しいもの、壊れぬ心がここに居る。』 

現代は、色々なものが手に入りますね。
車やパソコン、おしゃれな服や、いいおウチ。
スマホ、宝石、豪華な食事。
良質な情報だって、場合によっては、ネットにつながれば無料で手に入れることができます。

でもいろんな物が手に入ると言ったって、人にはそれぞれ受け入れられる器というかキャパ(許容量)というものもありますね。

その中でも、時間って、意外とうまく受け入れられていないように感じることがしばししば。
時間はお金と違って、貯金が出来ないですから、目の前に存在する時間を惜しんでセカセカ、ソワソワとしながら過ごしちゃう。
それで、5分とか10分の時間が節約できたところで、果たして、その得られた時間を使って幸福に過ごせたかどうかは、わからないですよね。
「実はコレ、ワタクシ、アルパカ自身のコト。」
セカセカとして、不幸せな時間をすごしてしまうことが多くて戒め(いましめ)の意味も込めて書いています(泣)

チカチカと点滅する、信号を目の前に、
「ちょっと待てよ。このまま走って信号を渡ったところで、かせげる時間はせいぜい5分だよね。一回立ち止まろう。」

それでもって、心、落ち着けます。
そして、イヤホンを耳に添えれば、聴こえて来るのはチャイコフスキー作曲の「ヴァイオリン協奏曲」なのですよ。 

1.チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」を解説

チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」は「憂いを秘めた豪華さ」を感じるなんとも不思議な魅力のある1曲です。
こんな解説を見つけました。

 チャイコフスキーほど初演につまずきのあった人も少ない。(中略)この曲(チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」)など、今日傑作として知られている彼の作品の初演の時の評判はさっぱりだったのである。彼はそれだけ、その当時の聴衆の感覚よりも、50年先、100年先を先取りした作曲家だったといえよう。
 この曲は、ウィーンで初演された際、音楽評論家のハンスリックに「安物のウォッカの匂いがする」とさんざんにけなされている。しかし、(中略)この曲からそうした強烈なロシア的な臭いを取り除いたら、いったい何が残るであろう。その民族的な情感こそが、この曲の最大の魅力なのである。ことに、カンツォネッタ(小さい歌)と題された第2楽章にただようスラブ的憂愁の美しさは、比類がない 。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」p216より引用

「ヴァイオリン協奏曲」と言えば、ベートーヴェンと、メンデルスゾーン、それからブラームスの3人が作曲したものを「三大ヴァイオリン協奏曲」と解説されることが多いですね。
さらに、このチャイコフスキーが作曲した「ヴァイオリン協奏曲」を加えて、「四大ヴァイオリン協奏曲」と解説されることもあります。
それだけに、現在では名盤と言われるアルバムも多いです。
そんな名曲がチャイコフスキーの作曲当時は、えらく評判が悪かったことを知ると驚きですよね。 

当時、ライプツィヒ音楽院の教授をつとめる、ヴァイオリニスト、アドルフ・ブロドスキがウィーンにおいて初演(作曲後、初めて演奏されること)を行います。
しかし、解説にあるように、ウィーンでの初演では、ロシア音楽に対する感心が薄かったこともあって、不評だったようです。
(事実上の初演は、ニューヨークにおいてレオポルド・ダムロッシュのヴァイオリン演奏によるものだったという説もあります。)
しかし、このアドルフ・ブロドスキは、この曲に愛情を感じて、その後も各地で演奏をくり返します。
そうすることで、だんだんと理解者が増えていったようですね。
いくら不評でも「本当にいい曲」ならば、いずれは多くの人に認められるものなのですね。

f:id:happy-alpaca:20191218165907j:plain

2.チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」の各楽章を解説

それでは、各楽章について解説したいと思います。
チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

第1楽章「アレグロ・モデラート − モデラート・アッサイ(ほどよく速く、中くらいの速さで)」

まさしく、「憂いを秘めた豪華さ」がある珠玉のきらめきを感じる1曲ですね。
全体としては明るくて、豪華な印象の曲です。

でも、ところどころに、チャイコフスキー節(ぶし)と言いますか、憂いを秘めています。

また、情感をこめた寂しさも顔をのぞかせます。
でも、そうでありながらも、つややかな美しさが表現されています。
チャイコフスキーの、いかにもチャイコフスキーらしい彩りに満ちた1曲ですね♬

第2楽章「カンツォネッタ アンダンテ(情感をこめて、歩く速さで)」

第1楽章に見え隠れしていた「憂い」が全面に表れてくる楽章です。
さみしさや、悲しさに覆われたときには、こんな情感に、心が覆われますよね。
一面、純白に透きとおる雪の街に立ちすくんでいるような、そんな情景ともとれます。

f:id:happy-alpaca:20191217071956j:plain

第3楽章「アレグロ・ヴィヴァチッシモ(速く、はつらつと快活に)」

「今までの深い憂いはどこへやら…」
そんな疑問を持ってしまいそうなくらいの、

「晴れわたる、抜けるような、青空の輝き!」

そんな感想がピッタリの底抜けに明るい1曲ですね。
今までのさみしさ、悲しさ、つらさなどはこの時のための助走だったとも言えそうな元気で爽快な1曲です♬

3.チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」の2枚の名盤を紹介

3-1.イツァーク・パールマン:ヴァイオリン
  ユージン・オーマンディ:指揮 フィラデルフィア管弦楽団

ある晴れた昼下がり、お堀のほとりにあるオープンカフェでコーヒーを飲みながら、スマホをのんびり眺めていました。
そこで、この「イツァーク・パールマン:ヴァイオリン」と「ユージン・オーマンディ:指揮」の演奏が、youtubeにアップされていることに気づいて、何となく聴き始めてビックリ!
オーマンディの、ガッチリとした重厚な音世界の中に響く、イツァーク・パールマンのつややかで、磨き抜かれた透明感のあるヴァイオリンの響き♬
聴き終わってコーヒーも飲み終わり、駆け込んだのはCDショップ。
家で聴きなおして、再び感動の嵐だったことは言うまでもないことですね。
アルパカにとってはそんな感動の思い出のある名盤なのですね♬

3-2.ヘンリック・シェリング:ヴァイオリン
  ベルナルト・ハイティンク:指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」は情感を込めて「美」を最高度に表現しよう。
そんな、熱い想いを肉体的にも、精神的にもギリギリまでしぼり出す感覚で演奏する素晴らしいアルバムが多いです。
しかし、この「ヘンリック・シェリング:ヴァイオリン」のアルバムは少し熱い想いを抑えながらチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」に、本来ひそむ凛(りん)とした品の良さを存分に表現し尽くした名盤ですね。
この品の良さはヘンリック・シェリングの奏でるヴァイオリンならではのもの♬
ぜひ一度、ジックリ堪能(たんのう)して欲しい1枚です。

まとめ

さて、名盤の紹介と解説はいかがでしたか?

「時間がない」と焦るのは、日々の中での他人からの評価が低いことによる、いらだちが原因かもしれません。
少し焦って、つんのめりがちな毎日にブレーキをかけながら、心を明るいほうへむけるのは、大事なことかもしれませんね。
そんな時、チャイコフスキーのさみしさと、それを突き抜ける明るさがギュギュッと詰まった珠玉の協奏曲で、気分転換なんていかがですか〜♬

 

そんなわけで…

 

『一つの曲で、たくさんな楽しみが満喫できる。

      それがクラシック音楽の醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。