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プッチーニ:わたしのお父さん【感想と名盤と解説(ジャンニ・スキッキ)】好きな人への気もちをのせて

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「少女ラウレッタが、自分の父親のに、恋人への想いをせつせつと歌う」というものです。

「恋する気持ちとその想いが『歌』のカタチに結晶化した1曲ですね。」

 


歌劇「ジャンニ・スキッキ」私のお父さん

「恋のうた」はいろいろありますが、最近ではエッジの効いた刺激的な内容のものが多いですね。

そんな中、こういった「プッチーニの『わたしのお父さん』」のような歌はすでに化石として残る三葉虫か、大むかしに活躍した恐竜が氷河期をむかえて、冷凍保存されたまま死滅したに等しい感が拭えませんね。

それでもなぜか、「プッチーニの『わたしのお父さん』」がいまだに心に響くのは、この古めかしい「大むかしにあった恋のカタチ」もどこか人びとの心の郷愁を誘うからなのかもしれません。

【解説】プッチーニ:わたしのお父さん

この曲は、歌劇「ジャンニ・スキッキ」のなかの一曲で、この歌劇の中でも、もっとも有名な歌です。

恋人を想う気持ちをうたいあげています。

脚本家フォルツァーノが書いたオペラ台本「ジャンニ・スキッキ」にプッチーニが音楽をつけて、1918年のはじめころに書き上げられたものです。

さて、この「私のお父さん」の歌われる歌劇「ジャンニ・スキッキ」とはどんな内容なのでしょうか…。

ちょっと、みていきますね。

【ジャンニ・スキッキ物語の解説】プッチーニ:わたしのお父さん

「ジャンニ・スキッキ」のあらすじ

1299年のイタリアのフィレンツェ、大富豪のブオーゾは息を引き取ります。 

その周りをかこむ親戚たちは涙をぬぐいながら悲しみ…いや、悲しむ仕草を見せています。 

なぜならば、親戚たちの本当の関心はブオーゾの遺産なのですから…。 

 

ブオーゾは生前、たくさんの財産を築きました。 

しかし、自分の死後は遺した財産のすべてを修道院に寄付するとの遺志を遺言状にしたためたとの噂があり、親戚たちはその遺言状の内容が気になるばかり。 

 

みんなは、屋敷をくまなく探し回り、首尾よく遺言状を見つけ出したのはリヌッチョ。彼は親戚たちの前に遺言状をかかげ 

「この内容がみんなの納得のいくものであったなら、ぼくとラウレッタとの結婚をゆるしてくれるかい?」と問います。 

親戚一同はみな同意したうえで、リヌッチョは恋人のラウレッタと、その父である、ジャンニ・スキッキを呼びにやらせます。 
ちなみにこのジャンニ・スキッキと亡くなったブオーゾとは親友の間柄です。

さて、いよいよ遺言状を開封するわけですが、リヌッチョはじめ一同は落胆します。 
つまり、遺言状はうわさの通り、「遺産はすべて、修道院に寄付する」というものだったからです。 

ジャンニ・スキッキは、貧しく、田舎者であり、この親戚たちには馬鹿にされていましたので、内心、正直なところ、胸のすく思いがしていました。 

しかし、娘のラウレッタは、父であるジャンニ・スキッキに 
「リヌッチョと結婚できなければ、いっそのこと、私はアルノ川に身投げする」と宣言。 
あわてたジャンニ・スキッキはあることを思いつき、実行にうつします。 

ブオーゾの死体を隠し、ブオーゾに化けたジャンニ・スキッキが、ベッドに潜り込みます。 そして親戚一同も集めたうえで公証人を呼んできて 、ジャンニ・スキッキは

「新たな遺言状を作成したいのだが、手が麻痺して書けない。代わりに口述筆記をして欲しい」とブオーゾの声を真似ながら公証人に伝えます。 

ジャンニ・スキッキは公証人にたいして、たんたんと語りはじめます。
最初はその内容を落ち着いた気持ちで聞いていた親戚たちは、みるみる心の中で怒りが生じはじめます。
 

なぜならば、語りが終わりに近づくにつれ、その内容がジャンニ・スキッキの都合の良いように語られていくからでした。 

簡単にいうと、最初のうちは、現金は親戚に均等に配分することが語られたものの、それ以外の屋敷とロバ、製粉所などは親友のジャンニ・スキッキへ譲渡するようにとの内容なのでした。 

公証人が屋敷をあとにしたところで親戚たちはジャンニ・スキッキに怒りをぶちまけます。 

しかし、ジャンニ・スキッキは親戚をあしらいながら追いはらいます。
そのことによって、過去、長年にわたりバカにされ、見下されてたまっていたストレスを発散してすっきり。
 

娘のラウレッタもリヌッチョとむつみあいます。
そんな姿をみてジャンニ・スキッキは目を細めます。 

そして、最後はイタリア歌劇らしく明るくて楽しい終幕をむかえるのです。 

 

さて、今回紹介したこの「わたしのお父さん」が歌われるのは、ラウレッタが「リヌッチョと結婚できなければ、アルノ川に身投げする」と宣言した部分です。

『私のお父さん』訳

ああ、私のお父さん。
私は彼を愛しているの。
とても素晴らしいひとなのよ。
だからポルタ・ロッサへ行かさせて。
結婚指輪がほしいのよ。
そうなの。どうしても行きたいの。
私の想いが、届かぬくらいならヴェッキオ橋から、
アルノ川に身を投げるつもりよ。
身を引き裂かれそうなくらいなの。
私はとても苦しいの。
ああ神さま、私はいっそ死んでしまいたいの。
お父さん、わかって、お願いだから。
お父さん、わかって、お願いだから。

 

【名盤解説】プッチーニ:わたしのお父さん

オペラ全曲のアルバムとなるとそう多くはありませんが、オペラの抜粋盤のようなものは多く、たくさんの「歌の天使たち」がその美声を披露してますね。

マリア・カラス(歌)トゥリオ・セラフィン(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団

マリア・カラスといえば、伝説のソプラノ歌手ですね。
その声の透きとおる美しさはまさしく「声の芸術」
一滴の水をももらさないような完璧な歌唱はいまだに人びとの心をつかんで離さないですね。 

リタ・シュトライヒ(歌)ラインハルト・ペータース(指揮)
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団

リタ・シュトライヒも華麗で美しい声が響きます。
さらに、その華麗さの中に可愛らしさといいますか、可憐な少女を思わせる響きがありますね。

【解説と名盤、まとめ】プッチーニ:わたしのお父さん  

さて、プッチーニ:「わたしのお父さん」、名盤の紹介と解説はいかがでしたか? 

プッチーニ作曲の「歌劇 ジャンニ・スキッキ」のなかの名曲「わたしのお父さん」。
恋する女性の純粋な想いが歌い込められていますよね。

こんな「天使の歌声」に耳をすまして聴き惚れてみませんか?

 

そんなわけで… 

 

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

    

今回は、以上になります。   

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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