アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

春に聴きたい【おすすめクラシック15選】ピアノと合唱、オーケストラ

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》【解説と3枚の名盤の感想】春を迎えに行く時のBGMに!

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幸福な春のデュエット

よろこぶピアノと

愉しいヴァイオリンの歌!

 

ベートーヴェンのイメージは?

  • 苦悩
  • 深刻
  • みけんにシワ…

なんて思っていませんか?

 

そんなことはない!

…とは言いませんが、こんな美しい曲も実は多いのですよ♫

 

…ということで…

今回は、ベートーヴェンの一般的なイメージをくつがえすヴァイオリン・ソナタ《春》の解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

 

 

【解説】ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》の美しさを伝えるこんな解説があります。  

「旋律発明家」としての才能に関する限りでは、さしものベートーヴェンもとくに頭抜けた天分には恵まれていなかったかも知れない。

だがみくびるのは禁物だ。

書こうと思えば彼だって、およそこの堅物らしからぬ愛らしく優しい、人の心をとろけさせるようなチャーミングなメロディを書くことが実はできたのである。

出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」P46より引用

 

1800年の後半から翌年にかけて作曲されたベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》はメロディの美しい名曲です。

ただこの頃からベートーヴェンは耳の難聴が悪化し始めています。

もともと社交的だったベートーヴェンですがその障害のために社交から遠ざかり孤独になっていきます。

時には遺書を書き残し自殺を考えた形跡も残っているほどです。

素晴らしい曲の誕生とともに暗い現実を見せつけられる辛さを味わうようになっていくとはなんとも皮肉なものです。

ただ、その自殺を思いとどまったあと「傑作の森」とも言える時期がやってきます。

それは、ベートーヴェンの中期の傑作が続々と生み出されていった時期のことです。

  • 交響曲
  • ピアノ協奏曲
  • ヴァイオリン協奏曲
  • ピアノ・ソナタ
  • 歌劇

あらゆるジャンルで、まるで湧き出る泉のように作曲されています。

「禍福(かふく)はあざなえる縄のごとし」(幸福と不幸はより合わせた縄のように交互にやってくる)とはよく言ったものです。

 

さて、それはさておき、そんな人生の荒波の前のまさしく「春の幸福」を思わせるヴァイオリン・ソナタ《春》です。

なんともおだやかで聴きやすいベートーヴェンの名曲と言えそうです。

 

【各楽章を解説】ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》

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それでは、各楽章について解説したいと思います。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

第1楽章 アレグロ(速く)

ヴァイオリン・ソナタ《春》そのものを象徴するような

  • 明るくて
  • 優しくて
  • よろこばしい

そんな曲調であり、ワクワクするような1曲になっています。

さまざまな作曲家のさまざまな「春テーマ」曲がありますがその中でもトップクラス

  • 春爛漫!
  • 春全開!!
  • 春満開!!!

の楽章です♫

春の喜び嬉しさを遠慮なくしっかりと引き寄せて抱きしめたくなる1曲でもまたありますね。

 

第2楽章 アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ

ヴァイオリンとピアノの静かな語り合いが聴けます。 

やわらかい日の光が木の葉のすき間から降りてくるさまが見えてくるようで、心地いいですね。

全体として春の優しさが感じられる1曲となっています。

 

第3楽章 スケルツォ:アレグロ・モルト

短めの曲ですが第2楽章から第4楽章への橋渡しのように聴こえます。

また、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》の明るいフィナーレを飾るための前奏曲のようにとらえてもいいかと思います。

本来ヴァイオリン・ソナタと言えば全3曲の3楽章であることが多いです。

しかし、ヴァイオリン・ソナタ《春》は全4曲の4楽章にしていることでとても厚みがあって聴きごたえのある1曲なっていると思います。

 

第4楽章 ロンド:アレグロ・マ・ノン・トロッポ

第1楽章の「春爛漫」ふたたび…という曲調です。

「歌うベートーヴェン」って、有名な肖像画からはまったく想像できませんが、いやいやベートーヴェンだって歌うんです!

それもこんなにチャーミングに…♫

そんな意外なベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》を聴いて心に春を迎えましょ…。 

【3枚の名盤の感想と解説】ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》

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ヘンリック・シェリング:ヴァイオリン
イングリット・ヘブラー:ピアノ

 

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

ヴァイオリンとピアノが変幻自在に主張しあいつつ助け合うという、なんとも絶妙なコンビネーションです。

ヴァイオリンが高らかに歌うとピアノがそれを引き立て、ピアノが優しく歌うとそれを引き立てようとヴァイオリンが脇役に徹します。

この色彩を変えながら展開する春の

  • 香り
  • 彩り

を最大限にあらわている名盤はなかなか見当たらないと言えると思います。

春の景色を見よう!

春の匂いを感じよう!

そして、春の音を聴こう!!

この名盤をBGMにして…♫ 

 

アルテュール・グリュミオー:ヴァイオリン
クララ・ハスキル:ピアノ
 

 

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

流麗でありながら気品に満ちた名盤。

グリュミオーのヴァイオリンが高らかに歌いながら、ハスキルのピアノがしっかり支えていると感じます。

シェリングとヘブラーが仲睦まじく歌うデュエットだとするならば、グリュミオーとハスキルのコンビはハスキルの内助の功が美しい。

そんな名盤でしょうか。

じつに甲乙つけがたい名盤たちですね。 

 

 

ダヴィッド・オイストラフ:ヴァイオリン
レフ・オボーリン:ピアノ
 

 

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

技工の優れた2人の巨匠による「技工の高さをまったく主張してこない名盤」です。

なんともゆったりとしたテンポをとりながら、聴きてを春の木漏れ日のなかにさそってくれるからある意味、舌を巻きます。

録音が古いため音の良さを重視する方むきではないかもしれません。

ただ、これこそ「ベートーヴェンの歌ごころを、そのまま音に乗せた聴手への贈り物」という名盤とも言えそうですね。

この名盤を基本にしながら様々なその他の名盤に触れることで、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》を聴く愉しみを広げられると思います。 

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【解説と名盤、まとめ】ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》

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さて、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

  • 幸福な春のデュエット
  • よろこぶピアノと
  • 愉しいヴァイオリンの歌!

そんな要素がギュッとつまってる名曲、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ《春》を紹介してきました。

どうですか?

最近、

  • 仕事やめたい
  • 人間関係でつかれ気味よねえ
  • ああ、心に暗いすきま風が吹き込むわ…

そんな心情になってはいませんか?

さあ、そんなときは迷わずベートヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番《春》を聴いてみましょう♫

きっとあなたの心に春の香りが届きますよ〜。 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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