古典?イヤイヤ
ユニークなプロコフィエフ節
炸裂!!
- 軽快!
- 楽しい!
- 美しい!
さて、今回は、そんな「春のようにさわやかな名曲」プロコフィエフ:古典交響曲の解説とおすすめ名盤を紹介です。
【解説】プロコフィエフ:古典交響曲
プロコフィエフ:古典交響曲のこんな解説があります。
交響曲とはいっても、演奏時間はわずか15分ほどの短い曲だが、きりりと引き締まっており、全体に生気にあふれた音楽となっている。(中略)
ハイドンが現に生きていたら、きっとこんな風に書いただろう、と思わせるような感じで書かれている。
つまり、形式は古典的なスタイルにそってはいるが、音の使い方や感覚は、まぎれもなく現代の音楽で、そこが、この曲のおもしろさとなっている。
出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P80より引用
解説にありますように、
「ハイドンが現に生きていたら、きっとこんな風に書いただろう」と想像し、またそれを目指しながら生まれた名曲がプロコフィエフ:古典交響曲なわけです。
オーケストラの編成もハイドン時代のものと同じように構成されています。
これはプロコフィエフが学生のころ、ハイドンの交響曲を研究したことがあったことが活かされた形です。
全体的な魅力としては、プロコフィエフらしい
- 意表を突く転調
- モダンな雰囲気
- 独特なユーモア感
でいっぱいであって、心がワクワクしてくるわけなのですね。
プロコフィエフ:古典的交響曲は「現代人が住んでいる古い町」と、たとえられることがあります。
それは、日本で言うと、川越にある「時の鐘」を、車が行き交う通り側からながめる感じに近いでしょうか?
そんな「古典的な風情」と「現代的に洗練されたユーモア感」のまざり合いが心から楽しめる。
そんな楽曲になっています。
【各楽章を解説】プロコフィエフ:古典交響曲
それでは、各楽章について解説したいと思います。
プロコフィエフ:古典交響曲は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。
第1楽章 アレグロ(速く)
第1テーマが、ニ長調の持つ「明るく元気な」雰囲気で現れます。
すると、まもなくハ長調の「強い躍動感」に転調 します。
このあと弦楽器が歌いながらそれを支えるファゴットの愉快な伴奏が花をそえます。
プロコフィエフ:古典交響曲の持つ春の「元気さ」と「楽しさ」が感じられます。
第2楽章 ラルゲット(表情ゆたかにゆったりと、やや速く)
まろやかで優しい印象 です。
春のあたたかい午後を、ゆったりまったりと過ごした時の気持ちよさに近いかもしれません。
小高い丘から、よく開けた 草原を見渡した時の静かな開放感のようなものも感じます。
「ああノンビリ昼寝したい…」。
第3楽章 ガヴォット:ノントロッポ・アレグロ(舞曲風:あまり速すぎないように)
「フランスの古典舞曲風」です。
思わず踊りだしたくなるような「ノリのいいリズム」という雰囲気です。
でも、あまり速いテンポにはならずに、ゆったりと楽しむ舞曲の感じです。
ふつう交響曲というと第3楽章には舞曲風の「メヌエット」が入ることが多いです。
でもプロコフィエフは、ここであえて古典的な舞曲である「ガヴォット」を入れているところがユニークです。
また第3楽章のテーマはプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」にも使われてもいます。
そして、ある瞬間、ふと曲が途切れ…
第4楽章 フィナーレ:モルト・ヴィヴァーチェ(とても速く)
春の緑の草原を駆け抜けていく馬を思わせる曲が急に始まります。
「パカラッ!パカラッ!パカラッ!」
そんな感じの馬のひずめが鳴り響くような「春の軽やかさ」「喜び」がいっぱいの印象です。
駆け抜け、駆け抜け、走り去って、土けむりが元気よく舞い上がりつつ終わりを迎えます!
そんな
- ノリがよくて
- ユーモアがあって
- しかも古典的
そんなプロコフィエフ:古典交響曲、解説でした!
【5枚の名盤の感想と解説】プロコフィエフ:古典交響曲
シャルル・デュトワ:指揮 モントリオール交響楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
「音色がふわっと七色に輝いているように感じる名盤」です。
-
第1楽章の力強いのに、なぜかアクの強さや嫌味のない不思議さ
-
第2楽章はキレイで麗(うるわ)しい
-
第3楽章も豪華な雰囲気の舞曲になってます
-
第4楽章は、これまたふんわりと空を舞うような美しさです
全体としての盛り上げはバーンスタイン盤にゆずるとして、味わい深い名盤ならデュトワ盤ですね。
小澤征爾:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
少し遅めのテンポでじっくりと聴かせてくれる名盤です。
ただ演奏自体は非常に洗練されていて飽きの来ない名盤です。
少し整いすぎて優等生風ではありますが、こんなプロコフィエフ:古典交響曲もいいものです。
ゆったりとした勇壮であって重厚感のあるプロコフィエフ:古典交響曲です。
カルロ・マリア・ジュリーニ:指揮 シカゴ交響楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
「おじいちゃんを大好きな孫」が、そのおじいちゃんの手をひいて「早く早く」とセカしているような微笑ましく、またやさしい雰囲気の名盤です。
「ノリが勝負!」のプロコフィエフ:古典交響曲ですが、こんなドッシリ腰を据えた風格すら感じさせるこんな名盤もいいですね。
「手をひく孫」のような、セカセカした毎日を送る私たちも、おじいちゃんのゆったりとしたペースに合わすのもいい。
いや…なにも指揮者のジュリーニさんを「おじいちゃんだ」なんて言ってないですよ。
そんな「優しい名盤」ということです。
あしからず…(汗)
レナード・バーンスタイン:指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
エネルギッシュで、バーンスタインの汗が飛んでくる(気がする)名盤です。
どこまでも、押しに押しに押しまくる、
- ガッツリスピード重視系!
- 容赦ないパンチ力!!
- 弾む!楽団のパワー!!!
そんな陶酔感でいっぱいの名盤はいかが?
ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
プロコフィエフ:古典交響曲には少し生真面目にすぎるかなという印象はあります。
やっぱりプロコフィエフ:古典交響曲には「上手さ」よりは「楽しさやノリ」が大切ですよね。
ただ、カラヤンの「上手さ」はやっぱり群を抜いてるものがありますし、ラルゲット楽章やガヴォット楽章のなめらかさは特に美しい名盤ですね。
そして、ガヴォットからの〜〜フィナーレの盛り上がりは感動の名盤でもあります。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【解説と名盤、まとめ】プロコフィエフ:古典交響曲
さて、プロコフィエフ:古典交響曲の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- 軽快!
- 楽しい!
- 美しい!
が心地よくってワクワクするプロコフィエフ:古典交響曲の面白さは伝わりましたでしょうか?
- 春を迎える時
- 好きな人と会える時
- そして、どうも気持ちが乗らない時も…
プロコフィエフ:古典交響曲を聴いてココロ晴れやか!
そんな気分で盛り上がりましょう!!
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
関連記事↓
こんな楽しい音楽物語もいかがですか?
プロコフィエフの斬新さが詰まった「ロミオとジュリエット」もイイね。
ノリの良さだったら負けない!ラヴェルの名曲♫