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クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ【解説と名盤2選の感想】

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今回は、シューベルト《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

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【解説】シューベルト《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》

家庭音楽会あるいは音楽仲間たちの間での楽しみに供されたものであろう。(中略)小型かつ単純で、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタがとうに幕をおろしたあとということを思い起こせば、形や構造はまったくの逆戻りである。しかし、シューベルトやその仲間の音楽家たちの間で先輩たちが夢想もできなかった新しい音楽の魅力が開発されていたことを、このソナチネも十分に納得させてくれる。

出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」P90より引用

シューベルト自身は「ソナタ」と名付けて作曲した形跡があります。しかしシューベルトの死後、次兄でヴァイオリンの演奏にも秀でていたフェルディナントが「ソナチネ」と題して出版しています。

解説にありますが「家庭の音楽会あるいは音楽仲間たちの楽しみ」のために作曲された可能性が高いです。簡潔に書かれてもいることから「ソナチネ」という呼び方がより適しているのかもしれません。

 

シューベルトの次兄フェルディナントはヴァイオリンを得意としていました。シューベルトは生前、ヴァイオリンに重要な役割を与えている曲をフェルディナントに書いていますがソナチネもそのうちの1曲ではないかと言われています。

作曲は1816年、シューベルト19歳の3月から4月にかけて作曲されたと考えられています。

 

【各楽章を解説】シューベルト《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》

第1番 ニ長調 作品137-1:D 384

第1楽章 アレグロ・モルト(非常に速く)

ふんわりと優しい風が吹きすぎてゆく…。

そんな始まりです。

まるで歌詞のない歌曲を聴いているような、メロディアスで美しくそして可愛らしい楽章です。

まるで《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》の持つ全体の雰囲気をこの第1楽章で表しているようにも感じられます。

 

第2楽章 アンダンテ(歩く速さで)

第1楽章に引き続いて優しくも穏やかなはじまりです。

でも途中で急に憂いに満ちたメロディに転調します。これこそシューベルト節とも言える美しさに満ちた歌が展開します。

その悲しき歌が終わると再びふと冒頭の優しい雰囲気が戻ってきます。

 

第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ(快活に速く)

弾むようなリズムと快いテンポが、この曲が持つ嬉しさや楽しさを伝えてきます。

なんともシューベルトらしい歌ごころもいっぱい詰まった快活な楽章です。

 

第2番 イ短調 作品137-2:D 385

第1楽章 アレグロ・モデラート(非常に速く)

ピアノが寂しい歌を歌い始めると、それに続いてヴァイオリンが歌います。やり取りを繰り返しながら最後には劇的な盛り上がりを見せながらも、力を失うように音楽が消えていきます。

 

第2楽章 アンダンテ(歩く速さで)

第1楽章の悲しい激情がふとおさまり第2楽章は静けさを帯びてきます。そしてヴァイオリンが美しく歌うとピアノがその歌を支えるような優しさを聴かせていきます。

 

第3楽章 メヌエット:アレグロ・トリオ(踊るように)

再び暗さが覆います。シューベルトらしいメランコリックな雰囲気をともなって展開する歌です。

 

第4楽章 アレグロ(速く)

ここでも悲しげな歌が続きます。第2番のソナチネは全体がこのような悲しさを潜ませつつ流れ、そして終わりを迎えます。

 

第3番 ト短調 作品137-3:D 408

第1楽章 アレグロ・ジュスト(やや速く正確なテンポで)

タンタンタンタンタンタン…

タンタンタンタンタンタン…

ピアノがはずめば、そこにヴァイオリンがむせび泣きます。ピアノが泣けばヴァイオリンが支えます。

シューベルト特有の美しくも暗い基調の曲が展開していきます。

 

第2楽章 アンダンテ(歩く速さで)

ここではむせび泣きは止み、調和的で優しい歌がはじまります。シューベルトらしい歌のある緩徐楽章であり感情の波は常に凪いでいます。

 

第3楽章 メヌエット:アレグロ・ヴィヴァーチェ・トリオ(踊るように)

ここで明るく元気なメヌエットが入ります。まるで笑いながら弾む子供のような無邪気さと喜びのようなものが歌われていきます。

 

第4楽章 アレグロ・モデラート(非常に速く)

ほんの少しの憂いを帯びながらの流れるような第4楽章が始まります。今までは悲劇的に始まってそのまま終わる曲ばかりでしたがこの曲は《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》の最後を飾るような明るい基調で終わって行きます。

 

【名盤3選の感想と解説】シューベルト《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》

 

ヘンリック・シェリング:ヴァイオリン
イングリット・ヘブラー:ピアノ
 

ヘンリク・シェリング & イングリット・ヘブラー 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

ああ、なんと端正でありながらシューベルトの柔らかい歌ごころに寄り添ったヴァイオリンなことでしょう。

ああ、なんと慈しみに満ちた調和的なピアノなことでしょう。「こんな名盤には中々めぐり会えない」と言える名盤です。

ヴァイオリンのシェリングもピアノのヘブラーも礼儀正しくありながら決して堅苦しくなることなく自由にシューベルトの歌を歌います。そう、ヴァイオリンやピアノという「美しい声」で…。

「家庭の音楽会あるいは音楽仲間たちの楽しみ」の場で演奏されるべき素晴らしい名盤と言えそうですね。

 

アルトゥール・グリュミオー:ヴァイオリン
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

磨き抜かれた感性から発されるヴァイオリンの歌が麗しい。またヴァイオリンを支えるピアノも清らかで美しい。

とても華やかな印象でありまながらシューベルトの持つ「歌」もたおやかです。

「家庭の音楽会あるいは音楽仲間たちの楽しみ」という印象からは少し離れますがグリュミオーのヴァイオリンには人をほっとさせる安心感があります。

ある意味名人芸的でもありますが名盤であることは間違いなさそうです。

 

ヤープ・シュレーダー:ヴァイオリン
クリストファー・ホグウッド:フォルテピアノ

Schubert: Sonatina in A Minor For Violin & Piano, D385 - 3. Menuetto 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

特にフォルテピアノの方ですが、枯れた印象のある名盤です。シューベルトの行きた時代にはこのような音が流れていたことでしょう。

ある意味とても新鮮な感動があります。好みの差はあるとは思いますが、シェリング&ヘブラーの名盤やグリュミオー&ラクロワの音のほうが聴きやすいかもしれません。

ただシューベルトが現代に生きていてヴァイオリンやピアノの音に触れたらまた違った雰囲気の曲を作ったかもしれないと思うと基調な録音と言えそうです。

テイストの違いを感じ取るのも色んな名盤を聴く楽しみのひとつかもしれません。

 

【まとめ】シューベルト《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》

さて、シューベルト《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

小春日和で

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ソナチネ集

 

「ことさら大げさにすることなく音楽を楽しむ」そんな印象の《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》です。

絢爛豪華な曲を聴いてちょっと胃もたれ気味になることもあるものです。そんな時は《ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ》でも聴いてゆったりとするのもいいかも…。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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