アルパカと聴く幸福なクラシック

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ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲《春》【感想と名盤の解説】この1曲で『春』のおとずれを喜ぼう

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「ヴィヴァルディ『春』は、ほがらかで、気持ちのいい、まさしく春の風にのって漂う花の香りのような一曲ですよね。 」 

 


ヴィヴァルディ: 「四季」より春 第1楽章

【解説】ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲《春》

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 「赤毛の司祭」の愛称をもつヴィヴァルディは、その器楽作品の多くをヴェネツィアの救貧院付属の女子音楽院の少女たちのために作曲しました。
 この(略)作品8の協奏曲集(1725年出版)は、当時のバロック時代の慣習に従って、12曲の作品からなっていますが、なかでも有名なのが1番から4番までで、春、夏、秋、冬と表題がついています。いずれも速いーゆっくりー速いの3つの楽章からなりますが、各楽章ごとに、四季の風物をうたった短い詩が添えられています。たとえば、春の第1楽章は、「春が来た、小鳥は喜びの歌をうたう……」といった具合に。
 この曲は、季節の推移に敏感な日本人ーーなにしろ、手紙のはじめにまで、季節の挨拶を書かねば気のすまない日本人ーーそしてまた標題音楽好みの日本人の心情にアピールして、わが国でもっともポピュラーなバロック音楽として愛好されています。
 

出典:皆川達夫 著 「バロック名曲名盤100」p92より引用  

 

【各楽章を解説】ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲《春》

第1楽章:アレグロ(速く)

「春はおとずれた。
 小鳥は楽しみ、春を祝い、
 歌っている。
 小川はせせらぎ、風をなで、
 そして、いっしょに踊ってる。
 雷は耳をつんざくばかりの音をたて、
 黒い雲が空をおおう。
 いずれ、嵐はすぎさって
 小鳥はふたたび、愛らしく歌いはじめる。
 その鳥の声をソロバイオリンがたからかに、
 そして、はなやかに歌いだす。」

そんな短い詩(ソネット)が残っていますが、これは、おそらくヴィヴァルディ自身のものではないかと言われているそうです。

 

第2楽章:ラルゴ(きわめてゆるく、表情ゆたかにゆったりと)

春の日々のなかには、時には、暗く、風強く、また雨がそぼ降ることもありますよね。
そんな、春のさみしい一面を歌っているように思えます。

 

第3楽章:アレグロ(速く)

ふたたび、明るい陽射しのもとで、人びとは語らい、笑い、手をつないで踊ります。
この素晴らしい春の一日を思い切り、愉快にたのしく過ごそうよ。
そんな気持ちの伝わる一曲です。

  

以上、簡単にこの曲のイメージを書いてみました。   

 

【名盤の解説】ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲《春》

イ・ムジチ合奏団 フェリックス・アーヨ:ヴァイオリン 

世界で初めてこのヴィヴァルディの「四季」を録音した団体だけあって、他の追随をゆるさないというくらい、評価の確立した演奏ですよね。

このイ・ムジチ合奏団は過去6回の録音しているとのことですが、やはりその音の美しさは筆舌につくしがたいほどですね。

この曲の演奏における、ひとつのスタンダードとして、一度は聴いておきたい一枚です。  

 

エウローパ・ガランテ ファビオ・ビオンティ:ヴァイオリン

「これぞ、18世紀のころの音」という感じ。

楽器の音ののびは少ないですし、全体的に枯れた味わいです。

でも、その中に、どこか華麗な精神を秘めていて、なんとも不思議な演奏です。

前記のイ・ムジチ合奏団の演奏とは対局を成すようであり、聴き比べるとおもしろいです。

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【解説と名盤、まとめ】ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲《春》

さて、名盤の紹介と解説はいかがでしたか?

ヴィヴァルディの「ヴァイオリン協奏曲『春』」は、ほとんどのひとが聴いていて楽しくて、うれしい、気持ちにさせてくれる名曲ですね。 

 

そんなわけで、

   

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。   

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。 

 

こんな「春」を感じてみませんか?