アルパカと聴く幸福なクラシック

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モーツァルト:ハフナーセレナード【解説と名盤3選の感想】

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気高き

ハフナー家!

音の花、舞う♫

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ハフナー家の令嬢エリザベートの結婚を祝おう。

流れるモーツァルトが送る底抜けに明るい名曲セレナード。

 

今回は、モーツァルト《ハフナーセレナード》解説とおすすめ名盤を紹介です。

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】モーツァルト《ハフナーセレナード》

曲の解説

モーツァルト時代のウィーンに旅行した人の記録によれば、ほとんど毎晩のように、なん組か街頭でセレナードを奏する団体に出会ったという。そして、当時の貴族や富豪たちは、誕生日や祝婚の祝いその他の機会に、すすんでこの種のセレナードを書かせることになり、そうしたことが地方都市にも波及していった。それと同時に、屋内用のセレナードもあらわれた

出典:門馬直美 著 「管弦楽・協奏曲名曲名盤100」P18より引用

1776年7月にザルツブルクの市長であり豪商のハフナー家の娘マリア・エリザベートの婚礼の前夜祝宴のために作曲されました。

全体が8楽章で構成されるセレナードです。曲の前後には行進曲(ニ長調 K.249)も付くことから規模の大きなセレナードとなっています。モーツァルトには珍しく演奏に1時間を要する大作セレナードです。

行進曲(ニ長調 K.249)は曲を演奏する奏者が行進しながら演奏とともに入場するものです。遅筆なモーツァルトですから演奏当日までに奏者たちは練習する時間なんてありません。しかも行進となると暗譜で演奏するわけですから当時の奏者たちの苦労が容易に想像できます。

第2楽章から第4楽章はヴァイオリン協奏曲の形をとっています。当時のセレナードはむしろ協奏曲のような面を持ったものと言う認識が普通でした。

演奏自体は全楽章を通して演奏すると言うよりは奏者たちがランダムに楽章を選んで自由に演奏していたという記録が残っています。

ハフナー交響曲へと発展

ハフナーセレナードを作曲後に再びハフナー家から作曲を依頼され6曲を完成させます。この後、導入の楽章と第2メヌエットを削除して交響曲として体裁を整えてウィーンで発表します。これが有名な交響曲第35番《ハフナー》なのです。

ハフナー家なくして「ハフナーセレナード」も「ハフナー交響曲」も存在しなかったと言えそうですね。

初演:1776年7月21日ロレート教会にて

編成:弦5部、フルート×2、オーボエ×2、ファゴット×2、ホルン×2、トランペット×2

 

【各楽章を解説】モーツァルト《ハフナーセレナード》

行進曲 ニ長調 K.249

これから始まるハフナーセレナードにワクワクする瞬間を演出します。華やかな宴の始まりを予告する行進曲です。

 

第1楽章 アレグロ・マエストーソ|アレグロ・モルト

序曲からして元気、そして始まる華やかな第1楽章。明るく力強い、そして流れるように気持ちよく展開します。

ハフナー家の令嬢エリザベートの結婚を祝う盛大な前夜祝宴の様が目の前に広がっているような感覚に導かれます。

 

第2楽章 アンダンテ

ロマンティックで柔らかなヴァイオリンが歌えば管弦楽が包み込むように応えるという会話が始まります。エリザベートを思うハフナー家の家族の優しさがそのまま音楽に昇華したという印象の楽章です。

 

第3楽章 メヌエット

ハフナーセレナードの中ではこの楽章のみ憂いを帯びています。美しい旋律が印象的でヴァイオリンの独奏も聴きどころになっています。

 

第4楽章 ロンド:アレグロ

輝かしくてまぶしくいヴァイオリンの歌はアップテンポのノリの良さも兼ね備えています。クライスラーがヴァイオリンとピアノによる編曲を行ったことでも有名です。

ロンドのテーマを繰り返す中で4回の変奏曲が展開します。

 

第5楽章 メヌエット・ガランテ

メヌエット・ガランテとは「優雅なメヌエット」と言う意味です。前楽章でノリノリに前向きな曲が配置されていましたが第5楽章ではどこか暗さを含んだ彫りの深いメヌエットになります。

 

第6楽章 アンダンテ

そよ風のように柔らかな楽章です。品ある管弦楽の演奏の中にひっそりと現れるオーボエの歌が、またたおやかで美しい。

モーツァルトらしい可愛らしい歌に満ちた楽章になります。

 

第7楽章 メヌエット

なんとも明るい舞踏曲風の楽章です。婚礼の前夜祝宴にふさわしく婚礼の前夜祝宴にふさわしい雅やかな楽章になります。

 

第8楽章 アダージョ|アレグロ・アッサイ

静けさの感じられるアダージョの後は、壮麗で明るくまた力強い曲調へと変貌していきます。ハフナーセレナードの最終楽章にふさわしく栄光という印象のある華やかな最終楽章です。

 

【名盤3選の感想と解説】モーツァルト《ハフナーセレナード》

 

サー・ネヴィル・マリナー:指揮 アカデミー室内管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

マリナーの名盤は高貴でありながら微笑ましいハフナー家へ贈る音楽として理想の響きと言えそうです。ハフナーセレナードの前後に演奏されていたという行進曲が聴けるのも魅力

切れの良いスマートな演奏でありながら決してセカセカと急ぎすぎることもありません。バランス感覚の素晴らしい音楽を作り上げながら自由な音楽を発想しアカデミー室内管弦楽団も絶妙に応えます。

長年、モーツァルトの理想のひとつのカタチを創造し続けてきたコンビならではの不動の自信が感じられます。しかし堅苦しさのカケラも感じさせない柔軟さには舌を巻く名盤でもあります。

 

リボル・フラヴァーチェク:指揮 プラハ室内管弦楽団 



 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

室内楽的な楽しみが満喫できる名盤。早めのテンポで音楽を運びながらスークのヴァイオリンが優美に歌います。

マリナーの名盤のような説得力を持った高貴さとは違い、素朴で温かみのある音世界を作り出しています。モーツァルトが生きたころにどの場所でも気軽に演奏されていたのがこのような演奏だったかもしれません。

 

トン・コープマン:指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

実際に18世紀で演奏されていたのはコープマンの名盤から聴こえるようなものだったかもしれません。マリナーの名盤の持つ優雅さやフラヴァーチェクの名盤の持つ温かみとは一味もふた味も違ってなんとも不器用なイメージです。枯れたような音世界の中から喜びや楽しみに興じる18世紀当時の人々の姿が垣間見えるような名盤です。

 

【まとめ】モーツァルト《ハフナーセレナード》

モーツァルト《ハフナーセレナード》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

ハフナー家の令嬢エリザベートの結婚を祝うための底抜けに明るい名曲セレナード。

喜ばしくも、嬉しく楽しい…そんな当時のハフナー家の人々の笑顔が音楽全体からイメージ出来るような明るいモーツァルトの名曲。音楽にノッて心も合わせて嬉しく楽しいひとときを過ごすのもいいものですね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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