アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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モーツァルト: ポストホルン・セレナード【感想とおすすめ名盤も解説】1通のありがとうを届けたい時に…

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明るくて元気なセレナード!

ポストホルンのかなでる、音の手紙を耳で聴こう!!

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あなたは、自分の思いを伝える際、どんな方法を使いますか?

現代では、スマホは誰もが持っているもので、恋人にメールやSNSで、すぐにでも、思いを届けられます。

 

手紙と言うのは使う紙やペンへのこだわり、そして、何より、字がうまくないと書く勇気が出ないものです。

何度か書き直しても、もともと汚い字がキレイになるわけもないのに何度も書き直したりして…。

でも、いくら便利な世の中になっても、手書きの手紙が完全に無くなってしまうことはないと思います。

話は飛んで、18世紀のモーツァルト の時代、思いを書きとめた手紙たちは、ふだんから、当たり前のようにやりとりされていたことでしょう。

当時は、郵便用の馬車というものがあったそうで、みんなの書きあげた、たくさんな思いを届けていたそうです。

その際、「郵便ですよ〜!」の合図がわりで吹いていたのが「ポストホルン」。

そして、このポストホルンの響きを音楽の中に取り入れたのが、モーツァルト の「ポストホルン・セレナード」というわけです。

「あの人からの手紙を届けにきたよ〜♬」

の合図であるポストホルンの音は当時の人にとって、嬉しくて、こころ踊るものだったのかもしれません。

その、「嬉しくて、こころ踊る思い」がカタチになったのかもしれないなと思わせてくれるのが、 モーツァルト 「ポストホルン・セレナード」なのですね。

【解説】モーツァルト: ポストホルン・セレナード

この楽曲は、どのような目的で書かれたかと言うことは明確ではないようです。
つまり、

モーツァルトは、セレナードを10曲以上のこしているが、どのような機会のために作曲されたのかわからないものもいくつかある。(省略)「ポストホルン」は、ザルツブルク大司教の命名日(1779年9月30日)あるいは同市の市民の何かの家庭的な行事のために書かれたらしいとされているものの、正確なことはわからない。「ポストホルン」という名称は、モーツァルト自身によるものではないが、第6楽章メヌエットの第2トリオでいわゆるポストホルンが2本使われていることによる。この楽器は、コルネットの前身の楽器で、かつて郵便馬車などの合図に使われていた。

出典:門馬直美 著 「管弦楽・協奏曲名曲名盤100」p20より引用

また、モーツァルトが旅行中に郵便馬車の奏でるホルンのメロディを覚えておいて、この曲の中に散りばめているとの解説もあります。

やはり、天才音楽家の耳は普段、身の回りで流れるたくさんの音の中から、たくさんのものを感じ取り、自分の音楽に昇華していくのですね。

 では、まず、「ポストホルン」の各楽章を簡単に書いていきたいと思います。

【各楽章を解説】モーツァルト: ポストホルン・セレナード

この曲は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

それでは、各楽章について解説したいと思います。

第1楽章:アダージョ・マエストーソーアレグロ・コン・スピーリト(ゆるやかに、荘厳に、堂々として元気に、 生気に満ちて)

ティンパニ(胴体が銅で出来た太鼓)の音がところどころにあらわれて全体を堂々とした元気な印象にまとめ上げた名曲ですね。聴いているだけでワクワクしてきます。 

第2楽章:メヌエット:アレグレット(踊るようにやや速く)

メヌエットらしい3拍子で展開して、踊るような楽しい一曲。そんな中にも第1楽章と同じく、堂々とした雰囲気がなくなることはありません。

第3楽章:アンダンテ・グラチオーソ(歩く速さで優雅に)

木管楽器(モーツァルトの時代でいうところの木で作られた楽器、フルート、クラリネット、オーボエなどの楽器のこと)の優しい音色が、踊りながら、それを弦楽器(ヴァイオリンやヴィオラ、チェロなど)がサポートします。まるで女性の華やかなダンスを男性がパートナーとして支える感じかな。 

第4楽章:ロンドーアレグロ・マ・ノン・トロッポ(速く、しかしあまり速すぎないように ト長調

フルート、オーボエ、ファゴットという天使たちが、透明な泉のほとりで微笑みながら午後の談笑を愉しみます。

今日はどんないい出会いや、出来事にめぐり逢えることでしょうと話し合っているかのようです。

第5楽章:アンダンティーノ(歩く速さよりやや速く)

天使も、哀しむことがあるのだとしたなら、こんな感じなのでしょうか。

たくさんな人を救いたいのに、なかなかその思いが届かずに、深く思案している。

そんな心境でしょうかね?

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第6楽章:メヌエット(踊るように)

少し気を取り直して…と励ましにきた仲間の天使が園遊会に誘ってるという感じ…かな。


第7楽章:フィナーレ・プレスト(終曲・きわめて速く)

プレスト(急速に)の指示のある一曲。堂々とした曲調にスピードが加われば、まさしくこの「ポストホルンセレナーデ」という楽曲のクライマックスという感覚ですよね。 

以上、ざっとこの曲の全体を書いてみました。

【名盤を紹介】モーツァルト: ポストホルン・セレナード

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思いを伝える手紙を書くときに聴きたい2枚の名盤を紹介します。

同じくモーツァルトの曲で「ハフナーセレナード」という曲がありますが、その曲よりはマイナーな位置にあるこの「ポストホルンセレナード」という曲です。そのため、「ハフナーセレナード」に比べるとアルバムはそれほど多くないように感じます。

そのなかから2枚、ご紹介です。

カール・ベーム 指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

生前から現在にいたるまで、リスペクトする音楽関係者は多いですね。

巨匠と呼ぶにふさわしいですし、実際そのように呼ばれていました。

ベーム本人は、ただただ、偉大な作曲家自身や、その残した音楽をリスペクトし、いかに演奏するか。

また、その作曲者の思いを、聴衆の耳にいかに届けられるのかを、真剣に、そして、きまじめに考え続けていたと思います。

そんな精神的な姿勢が、このような名演奏を残さしめたのではないでしょうか。

素晴らしい「ポストホルンセレナーデ」ですね。 

ネヴィル・マリナー 指揮 アカデミー室内管弦楽団

映画「アマデウス」でも音楽監督に抜擢されるほどに、モーツァルトを得意としました。

そして、もちろん言うまでもないことですが、映画の中の音楽はすべて、マリナー指揮 アカデミーセントマーチンインザフィールズの演奏だったのですね。

そんなわけで、モーツァルト演奏に対する一定の評価があり、全体的に可愛らしく、優美に響くモーツァルトをきかせてくれます。

 

【解説と名盤、まとめ】モーツァルト: ポストホルン・セレナード

いかがでしたか。

モーツァルトの「ポストホルンセレナード」という曲は、出来ていく際のエピソードも特徴がありますし、全体的にもまとまりのあるよい曲ですよね。

さて、この素晴らしく便利な時代、むしろ手書きの手紙は「思いをたっぷりと、伝えてくれる」最高のもののひとつではないでしょうか。

モーツァルト: ポストホルン・セレナードを聴きながら、郵便屋さんが手紙を届けるように「ありがとうの思い」を届けてみませんか?

 

さて、名盤の紹介と解説はいかがでしたか? 

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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