幸福なアルパカblog

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チャイコフスキー「偉大な芸術家の思い出のために」【悲しいお別れの時に効く11の変奏曲】名盤と解説

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「悲しさや、さみしさを感じさせるメロディ」で、チャイコフスキーのルービンシテインにたいする深い友情が伝わってきて、とても心にしみる一曲です。  

人が亡くなるということはこの世の摂理(せつり)ですし、亡くなった人が帰って来ることもありません。
それは悲しい事実ですし、どうすることもできないものならば、いつかは心の整理をつけて、その人との思い出のみを胸に、生きていかなければなりませんね。
作曲家のチャイコフスキーにもそんなことがあったようです。
そしてその時の心の風景が「音楽というカタチ」を通して私たちに伝わってきますね。

それがこの「偉大な芸術家の思い出のために」という1曲です。

 

(この曲の中でも明るめの第2楽章の第6変奏の動画を見つけました。)


チャイコフスキー 「ある偉大な芸術家の思い出のために」第6変奏

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてください。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインして読み進めてくださいね”

 

 

 

 

1.「偉大な芸術家の思い出のために」の全体を解説

 この曲は副題にある「偉大な芸術家」、すなわちニコライ・ルービンシテインの死を悼んで作曲された。チャイコフスキーより5歳年長のニコライは、実兄アントン・ルービンシテイン(チャイコフスキーの直接の師)とともにロシア音楽の発展と紹介に大きな功績をあげた人物で、チャイコフスキーも彼にモスクワ音楽院の教師として招かれて以来親しく付き合い、(略)そのルービンシテインがパリで客死したのは1881年、三重奏曲は翌年の完成である。ピアノ・パートに大きな比重が置かれているのは、当時有数の名ピアニストだったルービンシテインを偲んでのことだろう。

 出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」p154より引用  

 

 

 

ピアニストの、ルービンシテインはチャイコフスキーの親友でした。
しかし、チャイコフスキー作曲の「ピアノ協奏曲第1番」という曲に対するルービンシテインの評価は低くく、曲の書き直しを迫ったようです。
けれども、チャイコフスキーはこれを受け入れず、2人は仲たがいをしたことがありました。
しかし、ルービンシテインはのちに、「ピアノ協奏曲第1番」への評価を変え、チャイコフスキーも曲の書き直しをしながら2人は仲直りしたというエピソードがあるみたいです。そして、その後、ルービンシテインはこの曲を積極的に演奏し紹介につとめたようです。

その親友のルービンシテインがパリで亡くなったは1881年、その後、1812年に彼を偲んで作曲したこの「偉大な芸術家の思い出のために」は過去の交友を懐かしんで、チャイコフスキーがつくった曲と言われています。    

2.「偉大な芸術家の思い出のために」の各曲を解説

この曲は第1楽章と第2楽章の「主題と変奏」との2曲で成り立っています。
それでは、各楽章について解説したいと思います。

第1楽章:モデラート・アッサイ(早すぎず遅すぎずあまり興奮せずに)ーアレグロ・ジュスト(やや速く正確なテンポで)

胸のうちは、空っぽで、友のいない時と空間のなかで、ただただ喪失感に打ちひしがれる心情が伝わってくるようです。
ロシアのいてつくような厳しい寒さは、友を失ったチャイコフスキーの心の風景そのものとも言えますね。
果てしなく広がる大地の真っ白な雪がこの曲のイメージかもしれませんね。

 

第2楽章:主題と11の変奏

少しだけ光がさしたような明るさが戻ります。
第1変奏は悲しみをほんの少しの瞬間だけ忘れられたような感じかな。
第6変奏のワルツはいかにもチャイコフスキーらしいと言えそうな、舞曲の要素が満載のいい曲です。
最終変奏(実質この楽章が第3楽章という位置づけかも)は、第1楽章のメロディがもう一度、奏でられますが、最終章ということもあってその激情と悲しみは頂点をきわめます。

以上、簡単にこの曲のイメージを書いてみました。   

3.「偉大な芸術家の思い出のために」を聴いてみよう(名盤紹介)

3-1.スークトリオ

  ヤン・パネンカ:ピアノ
       ヨセフ・スーク:ヴァイオリン 
       ヨセフ・フッフロ:チェロ

非常にバランスの取れた演奏で、それぞれの奏者が、それぞれの奏者の思いを読み取りながら、けっして主張を強くすることなく、この曲にひそむチャイコフスキーの悲しみや喪失感に心をかたむけて、どこまでも純粋に曲の核心に迫ろうとしていることが伝わってきますね。

by カエレバ

 

3-2.アルトゥール・ルービンシュタイン:ピアノ
      ヤッシャ・ハイフェッツ:ヴァイオリン 
      グレゴール・ピアティゴルスキー:チェロ

豪華なメンバーが集結して、磨き上げたこの曲のひとつの極みとでも言えそうな演奏ですよね。
スーク・トリオのよりは奏者ひとりひとりの主張は強いように感じます。
技巧で言うと、とくにハイフェッツのヴァイオリンの語り口が舌を巻く思いがしますし、感嘆させられます。

ちなみにこのアルバムのピアニストの「ルービンシュタイン」はチャイコフスキーの親友の「ルービンシテイン」とは血のつながりはありません。
念のために…。

by カエレバ

4.好きなアルバムを見つけよう

さて、アルパカとしては、以上2枚を聴いてみて、やっぱりどちらかと言うとスーク・トリオの演奏を好むかもしれません。
それはやっぱり、チャイコフスキーの心の声に耳をかたむけながら、それを正確に聴き取り、そしてそれを聴くものに伝えてくれます。
 

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まとめ

いかがでしたか。   

チャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出のために」は、音符という絵の具を使って描かれた深い群青色の心象風景ですね。
忙しい毎日のなかで、疲れたり、傷ついたりした時には明るい音楽を聴くのは、いいものです。
でも、明るすぎる音楽を聴いただけでは、どうしても心が晴れない時もあるものです。
そんな時は、同じブルーな心情を歌い込めた音楽にふれるのも、たまにはアリかもしれませんね。

 

そんなわけで…

 

『一つの曲で、たくさんな楽しみが満喫できる。

   それがクラシック音楽の醍醐味ですよね。』

 

 

今回は、以上になります。 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。