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クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番【解説と名盤3選の感想】ほっこり優しい名曲ピアノ

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これぞやわらか

モーツァルト!

ほっこりあたたかソナタ♫

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天才…それって「努力の天才」ってことなの?

 

音楽のミューズ、モーツァルトの過去に埋もれた「努力の時代」…でも、その片鱗さえ見(聴こ)えない名曲…。

 

さて、今回は、モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番

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1784年6月9日にモーツァルトが父に宛てた手紙にこうあります。  

アルターリアから出版するために、クラヴィーアだけのための3つのソナタを渡したところです。

出典:海老沢敏・高橋英郎(翻訳)モーツァルト書簡全集(5)P513より引用

この「3つのソナタ」とはピアノ・ソナタ第10番、11番《トルコ行進曲つき》と第12番です。

そして、上記の手紙と同じ頃のモーツァルトの手紙に、面白いエピソードが書かれています。

大好きなお父さん!大急ぎで書きます。ピアニストのリヒター氏(中略)この人は演奏はと言えば、それは沢山演奏します。(中略)私が弾いてみせると、じっと私の指を見ていて、それからいつも言います。「何てことだろう!私は汗をかくほど努力して弾くのに、ちっとも喝架を受けない。ところがあなたは、まるでただ遊んでいるようだ」私は言いました。「そうです。私も大いに努力しなければなりませんでした。その結果、今ではもう努力せずにすむようになったのです

柴田治三郎編訳「モーツァルトの手紙(下)」P102より引用

天才モーツァルトは、また「努力の天才」でもあったのかもしれませんね。

 

とくにピアノ・ソナタ第10番

  • ふわり
  • かろやか
  • 心地いい

それはモーツァルト独特のもの…。そう、

  • 自然にあふれる純粋さ
  • たおやかさ
  • 優しさ

 

「ああ、なんとモーツァルトらしいモーツァルトなことでしょう…」

 

いい意味で、ため息が出てきそう…そんな感想がぴったりなピアノ・ソナタ第10番です。

【各楽章を解説】モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番

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それでは、各楽章について解説します。

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

第1楽章 アレグロ・モルト・モデラート(快速に、しかしほどほどに)

ほっこり笑って

春の朝

わらわら笑って

わらべ歌

 

わらわらあたたか

笑い歌

なつっこくって

うれしくて

ほっこり笑って

春の朝

わらわら笑って

わらべ歌

 

走るあんよは

小さいあんよ

はしる気持ちと

うれしさと

ほっこり笑って

春の朝

わらわら笑って

わらべ歌

 

 

第2楽章 アンダンテ・カンタービレ(歩くような速さで歌うように)

はしりつかれて

春のよる

 

おネム

とろとろ

まどろんで…

 

夢でさめても

ほっこりと

 

ふわり浮かんで

雲のうえ…

 

夢でさめても

眠ってる

 

ふわり浮かんで

雲のうえ…

 

 

第3楽章 アレグレット(やや速く)

たたびさめては

よろこんで

 

おめめがさめては

うれしくて

 

ママとわらって

楽しくて

 

ほっこり笑って

春の朝

わらわら笑って

わらべ歌

 

 

【名盤3選の感想と解説】モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番

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辻井伸行:ピアノ 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

洗練されていながら決して技巧におぼれない音の純粋さ…

キラッとした輝きがありながら、素朴でほっこりした本来のモーツァルト感で包まれた名盤です。

過去、たくさんの名演奏家がモーツァルトを弾き、たくさんの名盤を残してくださいまいした。

その流れの中でも辻井伸行さんの名盤はやっぱり美しい…。

女性のピアニストが弾くモーツァルトに素晴らしい名盤は多いですが、男性のピアニストの中では辻井さんも素晴らしい

優しい感性を秘めた辻井さんのモーツァルト、おすすめです。

 

イングリット・ヘブラー:ピアノ 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

女性ピアニストで素晴らしい技巧をもったアーティストが多く素晴らしいモーツァルト演奏を聴かせてくださいます。

ただ、モーツァルト演奏の難しさは「技巧が重要であることはもちろんなことですが、技巧が見(聴こ)えてはいけない」というところです。

そして、とくにピアノ・ソナタ第10番はそんな傾向の強い1曲ではないかと思うわけですが、ヘブラーのピアノはその理想に限りなく近いと感じます。

ヘブラーの録音には新旧2種類あって、どちらもそれぞれの魅力をもっていますしどちらも聴き込みたい名盤です。

(新盤は1986から91年にかけて録音、旧盤は1963年から67年にかけて録音)

ただ、あえてどちらかを選ぶとするならば旧全集の方を選ぶかもしれません。

弾ける感性や音の一音一音に若さが感じられるからです。

もちろん新全集の方も落ち着いた魅力は捨てきれませんが、ピアノ・ソナタ第10番には旧全集がよりピッタリ合うように思います。

女流ピアニストでしたらイングリット・ヘブラーはおすすめのひとりです。

 

ワルター・ギーゼキング:ピアノ 

 

 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

素朴さが魅力のギーゼキングの名盤です。

モーツァルトの演奏にしては少し冷たい感じがあるかもしれませんが、いい意味で自己主張が少ないところに好感が持てます

心のうちに迷いや乱れを全く感じさせない、いわば哲学的な響きすら感じさせますが、それが無垢なモーツァルトの音楽性と不思議と相性がいいのかもしれません

昔から今まで、そしておそらく今後もモーツァルトのピアノ・ソナタのひとつの理想形として残る名盤になる可能性はありそうですよね。

そんな歴史的意味でもおすすめの名盤です。

 

【まとめ】モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番

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さて、モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

これぞやわらか

モーツァルト!

ほっこりあたたかソナタ♫

 

天才…それって「努力の天才」ってことなの?

 

天才モーツァルトに、そんな質問を投げかけてみたくなる、そんな1曲、ピアノ・ソナタ第10番

 

なぜなら、こんなにも「あくせくと汗水たらして頑張った感のない」名曲も珍しいくらいのほっこりとした曲なものですから…。

 

そのモーツァルトにして不断の努力の時代を経ているのですね。

その努力の結果のおこぼれ、現代の私たちは遠慮なくいただいちゃいましょう。

 

「ああ、幸せ…」。

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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