夢のよに…
ひらりひらめく
音の花…♫
きっとたれかを想ってた…
なのに想いはかなわずに…
「恋多きドビュッシー」は、それに比例してきっと片思いも多かったはず…。
さて、今回は、ドビュッシーの「謎の片思い」を追いかけながら、ピアノ曲「夢(夢想)」解説とおすすめ名盤を紹介です。
【解説】【ドビュッシーが夢みたもの】ドビュッシー:夢(夢想)
ドビュッシーが夢見たもののひとつに「女性との調和」ということがあったかもしれません。
ドビュッシーの女性関係はとてもにぎやかなものでした。
ギャビーという女性と同棲中に他の女性ロザリーに気を移し、そのままロザリーと結婚します。
しかし、結婚後に銀行家の妻であるエンマと不倫関係におちいりました。
ちなみにこのエンマは音楽家フォーレの愛人でもありました。
そしてその後、妻のロザリーとは離婚して、その浮気相手のエンマと再婚します。
2人の間には女の子が産まれてやっとドビュッシーは落ち着いていったのです。
さて、ざっくりとドビュッシーの女性関係について書きはしましたがこれくらいだったら他にも似た事例が無くはないといえます。
ただここで紹介した女性のうち
- 同棲相手だったギャビー
- 最初の妻ロザリー
以上の2人はピストル自殺を図っています。
幸い命はとりとめましたが、なんともあと味の悪い結果でした。
うーん、ちょっとつれない態度が過ぎたのかも…。
そんなことを思ってしまいますね。
そんなドビュッシーです。
恋したなかには女性への「叶わぬ想い」もあったことでしょう。
夢(夢想)を作曲したのと同じ頃、ドビュッシーが友人に宛てた手紙の中にこうあります。
ああ、私は彼女を本当に愛していましたし、明白な印によって僕は、彼女がひとつの魂をそっくり巻き込むような何歩かの歩み寄りをけっしてせず、また自分のかたくなに閉じた心を探られないように警戒していると感じていただけに、悲しい愛情を持って愛していたのです。(中略)
もしそれが「虚無」でなかったら!
いずれにせよ、私はあの夢の「夢」の消滅に涙を流しています。
出典:「ドビュッシー書簡集」
「かなわぬ想い」だから思いが純粋化する。
そんな芸術性の発露に不可欠な要素をこの文面から感じます。
以上の書簡からかいま見える「ドビュッシーの当時の想いがピアノ曲《夢(夢想)》に通じていたのかどうか」の確証はありません。
でもこんな内容を読んでしまいますと想像力が豊かになっちゃってしかたがありません。
【4選の名盤の感想と解説】ドビュッシー:夢(夢想)
辻井伸行:ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
遠くの方で響いてる
その透明な夢の音
手をのばしてもつかめない
目をこらしても見えてこない
想いをよせても近づけない
それでも聴こえる夢の音…
それならそっと目を閉じて
耳と心を澄ましてみれば
きっと聴こえる夢の国…
ジャック・ルヴィエ:ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
こどもが、眠りについた後、
すぐ見る夢はどんな夢…?
それは
- 短く
- はかなくて
- それでもキラキラ光ってる
おでこのうぶ毛が遊ぶのはたったひとりのお友だち。
かすかに通りすぎる風。
そんな「夢」のひと幕の名盤です…。
サンソン・フランソワ:ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
なんだか気だるい午後のこと…。
でも、降りそそいでくる光はやわらかい。
気だるさを振りはらっちゃっても悪くない。
でも、この気だるさ、悪くない…。
ほおづえついて、夢うつつ…。
ワルター・ギーゼキング:ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
- クール
- つっけんどん
- つれない態度…
そんな印象、ピアノのなかに
やっぱりかくれているのです
そっとかくしたその想い…
しみじみしみてくるポエム(詩)
きっと照れ屋なのでしょう
かくそとしたってかくせない
かくしきれない思いやり…
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【解説と名盤、まとめ】ドビュッシー:夢(夢想)
さて、ドビュッシー:夢(夢想)の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
書簡の中の
- 女性は彫刻家カミーユ・クローデルのこと?
- 「夢の『夢』」とはアメリカの作家エドガー・アラン・ポーの言葉?
色んな予想や憶測はありますが、やっぱり真実は「夢」の向こうの「夢想」の話し…。
どうも最近、
- 頭の中がこんがらがったり
- コロナストレスにやられそうになったら…
しばし「夢想」の世界に遊ぶのもありですよ…♫
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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