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クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》【感想と3枚の名盤も解説】心をスッキリ晴れやかに

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広大な田園

音楽が描く自然を

思い切り散策しようよ!


ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》

 ベートーヴェンは自然が大好きで、日ごろから、ウィーンの郊外を散策していました。

また、夏の時期には、田園風景が広がる土地で日々を楽しんだのです。

ベートーヴェンと言えば、音楽家としては致命傷ともいえる、難聴の深い苦しみの中で、作曲を続けたことで有名です。

きっと「田園」を散策しながら、たくさんのおいしい空気を思いっきり吸い込んでいたのでしょう。

そして、日ごろのままならない現実のストレスを癒やしていたのではないかなと想像します。

そして、自然への敬意とともに、草木との語らいや小川のささやきにも耳をかたむけて、作曲にしていたのではないでしょうか。 

【解説】ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》

このような解説を見つけました。

この曲は、(中略)彼の自然に対する愛と感謝の気持ちを音楽にしたものといってよく、彼が生涯その自然を愛でたウィーン郊外のハイリゲンシュタットの森を散策しながら書かれたのであった。(略)

小川のせせらぎや、小鳥のさえずり、雷鳴といった自然の姿が音によって生き生きと描写され、たいへんわかりやすく、彼の交響曲のうちでも、特に親しみやすい音楽となっている。 

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」p38より引用 

 さて、ではこの曲について解説します。

【各楽章を解説】ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》

この曲は第1楽章から第6楽章までの6曲で成り立っています。

その各楽章について解説します。

第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ ヘ長調 「いなかに着いたときの愉しい気持ちの目覚め」

静かな弦楽器の語りかけは「朝のはじまり」をイメージさせます。

さまざまな小鳥たちが、なき始め、太陽は明るく、田園を照らしはじめます。

「さあ、すばらしき一日のはじまりだ!」

と草木や動物たちも太陽の恵みを受けいれて謳歌します。

空気は澄んで、風は 田園をふき抜けます。 

第2楽章:アンダンテ・モルト・モッソ 変ロ長調 「小川のほとりのながめ」

小川は光を集めて反射しながら、うれしそうに踊る木の葉を運びます。

まるで、きのうまでの喧騒やら悩みやらをその清冽な水とともに流していってくれそうな…。

そんな、こころ洗われる一曲です。   

第3楽章:アレグロ ヘ長調  「いなかの人々の楽しい集まり」

一日のはじまりは、敬虔な祈りからはじまります。

作物を育てるという、尊き農作業にも、心がこもります。

そして、その日の仕事を終えたなら、みんなで、楽しく歌い、踊ります。

そんな「尊き仕事と楽しい時間、そして信じ合える仲間たち」にかこまれて過ごすことで、さまざまな悩みも、薄れていきます。

第4楽章:アレグロ ヘ短調 「雷雨と嵐」

穏やかな日々のなか、とつぜん襲う、はげしい雷雨と嵐が吹き荒れます。

せっかく育てた農作物をなぎ倒し、じょうぶな木々を押し倒さんばかりに揺らします。

農民たちは恐れ、おののき、ただただ嵐が去るのを願い、両手を組んで祈ります。

第5楽章:アレグレット へ長調 「嵐の後のうれしい感謝の気持ち 」

荒れくるった嵐は過ぎ去り、再び田園におだやかな陽光がふりそそぎはじめます。

小川の流れも、静かなものに姿を変えて人や動物たちに、その恵みを与えはじめます。

田園の人びとは喜び、歌い、自然をたたえながら平和な毎日を取りもどすのです。

 

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以上、簡単にこの曲のイメージを書いてみました。 

【名盤を解説】ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》

このベートーヴェン:交響曲第6番「田園」には数多い名盤が存在していて、目移りしてしまうほど、名盤の選び方が大変。(うれしい悩みですね)。

では、あえてその中から3枚ほど、名盤を紹介させていただきますね。

ブルーノ・ワルター 指揮 コロンビア交響楽団

クラシック音楽の好きな方たちの間では、昔から「名盤」と呼ばれていましたよね。
その輝きはいまもって色あせることはありません。

いや、むしろ、時代を重ねるにしたがって、せせこましく暗くなっていく現代、ブルーノ・ワルターの「田園」は、ただただ、輝きを増すばかりの名盤ですね。

とくに第1楽章はあたかも田園の風景が目の前に限りなく広がるのを感じます。

それはブルーノ・ワルターの持つ人間としてのふところの深さや、やさしさの表れなのだと思います。

最終楽章も秀逸の名盤ですね。

全体に低音のしっかりした骨太な演奏でありながら、やさしさや思いやりに満ちていて「これぞワルターの真骨頂」とでも言える名盤です。

ヘルベルト・ブロムシュテット 指揮 シュターツカペレ・ドレスデン

初めて「田園交響曲」を聴いたのは、はたちくらいだったかな。

ブルーノ・ワルターの名盤をCDで聴き続けてきて、それで長いこと満足しきっていたため、その他の方の名盤を聴いてきませんでした。

「でも、やっぱり他にも聴いておいたほうがいいかな。」と思って買ったのがこのヘルベルト・ブロムシュテット指揮の名盤。

ワルターの名盤と比べると、曲の流れがスッキリとまとまっていてスマートです。

ところどころ各楽器の小さなニュアンスと言いますか表現に「歌」が感じられる名盤です。

エルネスト・アンセルメ:指揮 スイス・ロマンド管弦楽団

 

ワルターの名盤やブロムシュテットの名盤に比べると、曲づくりが骨太のように感じます

スイス・ロマンド管弦楽団の、構築性バツグンな音楽づくりのなかにも、優しくもやわらかいニュアンスが流れる、素晴らしい名盤ですね。

全体も素晴らしいのですが、その良さが、発揮されたのが第2楽章の「小川の流れ」。

まるで、その情景が、ありありと目に見える名盤です。

【解説と名盤、まとめ】ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》

さて、ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》、曲解説と名盤解説はいかがでしたか?

ベートーヴェンの「田園交響曲」は、まるで、写真か絵画を眺めるような感覚で聴くことのできる素晴らしい一曲です。

私たちも、旅行のときの気持ちのいい田園散策のときにそっとイヤホンを耳にして、ベートーヴェンの気持ちを想像するのも愉(たの)しいものです。   

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。  

最後まで読みいただきありがとうございました。

 

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