旋律の宝庫!
七色に変わる
表情豊かな協奏曲集♫
- 晴れ渡る、空(第1番)
- 高らかに歌うトランペット(第2番)
- スカッと明るい旋律(第3番)
- 印象的な可愛らしさ(第4番)
- 明るくおおらか(第5番)
- 落ち着いた中にも躍動感(第6番)
千変万化に鮮やかに!
バッハが生んだ感動曲集、ブランデンブルク協奏曲は
古くても、常に新しい♫
魅力いっぱい協奏曲!
今回は、ブランデンブルク協奏曲の解説とおすすめ名盤を紹介です。
【解説】バッハ《ブランデンブルク協奏曲》
この協奏曲は全部で6曲からなります。1721年にフランス語による献呈文とともに北ドイツのブランデンブルク伯に捧げられたために、その名があるわけです。ケーテン宮廷楽長をしていたバッハが、この宮廷のために作った作品を6曲選びだして、ブランデンブルク伯に献呈したものでしょう。
出典:皆川達夫 著 「バロック名曲名盤100」P210より引用
解説にありますブランデンブルク協奏曲を献呈した「北ドイツのブランデンブルク伯」とはクリスティアン・ルートヴィッヒのこと。「献呈文」には、「いくつかの楽器による、6曲の協奏曲」と書かれています。(「ブランデンブルク協奏曲」という名称自体は、バッハの伝記を書いたフィリップ・シュピッタが付けています。)
「献呈のため」に新たに書かれたものではなく、すでに過去バッハが作曲した曲の中から選ばれています。1717年からケーテンで楽長を勤めるバッハは、普段とは異なりキリスト教会とは関係ない作品を多く書いています。
ブランデンブルク協奏曲の6曲はこのケーテンの頃に書かれた曲なのです。
作曲された順番も番号順ではありません。第6番→第3番→第1番→第2番→第4番→第5番
となります。
曲の形式としてはリトルネッロ形式(ソロと合奏が交代しながら進んでいく)で作られていて楽章も急→緩→急の順番で展開していきます。(1番は例外)
【各楽章を解説】バッハ《ブランデンブルク協奏曲》
ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調 BWV1046
作曲時期:1718年〜19年
独奏楽器:オーボエ×3、ファゴット、狩猟ホルン×2、ヴィオリーノピッコロ
- 第1楽章:アレグロ
- 第2楽章:アダージョ
- 第3楽章:アレグロ
- 第4楽章:メヌエット、トリオ1、メヌエット、ポロネーズ、メヌエット、トリオ2、メヌエット
特徴的なのは独奏楽器のなかのひとつ「ヴィオリーノ・ピッコロ」の活躍です。通常のヴァイオリンで代用が可能なため、現在ではほとんど使われなくなっていますがヴァイオリンより高音を担当する弦楽器です。
- 晴れ渡る、空
- 薫る風…
- おいしい空気
そんな気持ちのいい始まりの第1楽章ですが、第2楽章に入るといきなり陰影の深い曲調へと変わります。第3楽章では、オーボエと交代して、ホルンとヴァイオリンが全体を導き華やかな印象になります。
ブランデンブルク協奏曲の中では第1番のみ第4楽章まであります。メヌエット→トリオ1→メヌエット→ポロネーズ→メヌエット→トリオ2→メヌエットと表情を変えていく最終楽章になります。
ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調 BWV1047
作曲時期:1718年〜19年
独奏楽器:リコーダー、オーボエ、トランペット、ヴァイオリン
- 第1楽章:アレグロ
- 第2楽章:アンダンテ
- 第3楽章:アレグロ・アッサイ
高らかに歌うトランペットが印象的な第1楽章、静かな瞑想の境地のような第2楽章。第3楽章は再び、高らかに、トランペットが歌います。可愛らしく透明な羽を思い切り伸ばして愉(たの)しむ天使の舞のよう。
ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV1048
作曲時期:1718年
独奏楽器:ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ
- 第1楽章:アレグロ
- 第2楽章:アダージョ
- 第3楽章:アレグロ
テンポも上がってスカッと明るく旋律も美しい第1楽章です。第2楽章は静かに短く、そして第3楽章は再び明るい曲調へと変わり華やかに展開します。
ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV1049
作曲時期:1719年〜20年
独奏楽器:リコーダー×2、ヴァイオリン
- 第1楽章:アレグロ
- 第2楽章:アンダンテ
- 第3楽章:プレスト、フーガ、リトルネッロ
リコーダーの歌う様が可愛らしい第1楽章です。第2楽章は一転して寂しげな歌を歌います。そしてそれを吹き払うかのように第3楽章では力強く楽器群が鳴り響きます。
ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV1050
作曲時期:1720〜21年
独奏楽器:フルート、ヴァイオリン、チェンバロ
- 第1楽章:アレグロ
- 第2楽章:アフェットゥオーソ
- 第3楽章:アレグロ、フーガ、リトルネッロ
明るくおおらかな印象の曲でなんとも雅やかな第1楽章、そして打って変わってのなんとも憂うつな雰囲気の第2楽章です。第3楽章は再び雅やかに展開します。
ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調 BWV1051
作曲時期: 1718年
独奏楽器:ヴィオラ、ヴィオラダガンバ、チェロ
- 第1楽章:アレグロ
- 第2楽章:アンダンテ・マ・ノン・タント
- 第3楽章:アレグロ
円熟という言葉がピッタリな落ち着いた雰囲気の曲です。第1楽章は躍動感も加味された重厚感があります。第2楽章は湖畔をゆっくり歩きながら湖面を眺めているような優しい印象の曲です。
第3楽章は第1楽章を引き継ぐような躍動感と明るさを持ちながら進んでいきます。
【名盤3選の感想と解説】バッハ《ブランデンブルク協奏曲》
カール・リヒター:指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
この重厚さや荘厳さはリヒターの指揮する名盤以外ではなかなか引き出せないかもしれません。ある意味バッハ演奏家としての気迫を感じます。
バッハの音楽をこの世に生み出すために、ただただ心を透明に保ちながら無の境地から最大限にバッハを奏でてゆく様に感動します。
古楽器による演奏の名盤が次々と出てきても決して色褪せない素晴らしい名盤です。
トレヴァー・ピノック:指揮 イングリッシュ・コンサート
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
ブランデンブルク協奏曲の持つ朗らかで明るい面が存分に引き出された名盤で素晴らしい。その明るさは、キラキラしすぎたものではなく、とても上品な趣きを持っています。
さわやかで、まろやかで聴きやすい印象のバッハ:ブランデンブルク協奏曲の名盤です。
イ・ムジチ合奏団
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
なんとも華やかな名盤です。ブランデンブルク協奏曲は重厚であり過ぎてはいけません。
しかしだからと言ってライトな感覚でありすぎてもしっくり来ないわけです。その点、イ・ムジチ合奏団の名盤ならとてもバランスが良くアンサンブルも素晴らしいですのでオススメです。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【まとめ】バッハ《ブランデンブルク協奏曲》
さて、《ブランデンブルク協奏曲》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- 晴れ渡る、空(第1番)
- 高らかに歌うトランペット(第2番)
- スカッと明るい旋律(第3番)
- 印象的な可愛らしさ(第4番)
- 明るくおおらか(第5番)
- 落ち着いた中にも躍動感(第6番)
バッハが生んだ感動曲集、ブランデンブルク協奏曲は古くても常に新しい、魅力いっぱいな協奏曲集です。
表情豊かに七変化、6曲通して聴いても感動深まるばかりの時間を過ごせます。ぜひ、一度聴いてみてくださいね。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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