アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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ラヴェル:シェエラザード【その歌詞と名盤を解説|感想】ラヴェルの隠れた名曲!

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おとぎの国へようこそ!

ラヴェル版「シェエラザード」

オリエンタルな魅力と異国情緒も楽しい♫


ラヴェル: シェヘラザード、おとぎ話への序曲

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シェラザードと言えば、R・コルサコフのシェラザードが断然有名!

 

でも、一般的に、あまり知られていないラヴェルのシェエラザードも、なかなかいいものです♫

「規模は小さい」ですが、モーリス・ラヴェルらしい美しい管弦楽が聴けて嬉しい名曲です。

 

今日は、そんな異国情緒も感じるモーリス・ラヴェルの、「こぢんまりとしていて美しい」シェエラザード、解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【解説】モーリス・ラヴェル:シェエラザード

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実は、モーリス・ラヴェル作曲のシェエラザードには2種類あります。

  • 序曲《シェエラザード》 
  • 歌曲《シェエラザード》

 

です。

 

今回は、この2種類の《シェエラザード》についての解説をします。

 

ちなみに、R・コルサコフが作曲した「王妃シェラザード」が活躍する「千夜一夜物語」についての詳しい内容を知りたい方はこちらの記事をお読みください。

 

【解説】序曲《シェエラザード》

さて、モーリス・ラヴェル:序曲《シェエラザード》は、1898年に作曲されています。

 

もともと、モーリス・ラヴェルはシェラザードを自分の書いた脚本をもとにしてオペラを作曲するつもりでいました。

しかし、物語を書くという作業は、なかなか進まず、結局、オペラ用の序曲のみが残りました

 

1899年にモーリス・ラヴェル自身の指揮で演奏されますが、ヤジを飛ばされたり酷評されたりして散々な目にあっています。

このため、モーリス・ラヴェルは、序曲《シェエラザード》の楽譜出版をすることを断念しました。

そして、実のところ、モーリス・ラヴェル自身も問題点を感じてはいました。

それは、 

  • R・コルサコフのオリエンタリズム(東洋趣味)
  • ドビュッシーの得意とした独特な音階(全音音階)

以上、2つのことを「マネしてしまっている」という問題点でした。

 

それから時は経ち、モーリス・ラヴェル生誕100周年にあたる1975年、あらためて楽譜は出版されました。

ただ、序曲《シェエラザード》の録音自体はその前年の1974年に、ジャン・マルティノン:指揮、パリ管弦楽団によって行われています。

 

【歌詞を解説】歌曲《シェエラザード》

さらに、1903年、モーリス・ラヴェルはシェエラザードを歌曲としても作曲しています。

当時、モーリス・ラヴェルは、「アパッシュ(チンピラや、ごろつきの意)」という名の芸術家サロンのメンバーでした。 

さまざまな分野の芸術家(作曲家、指揮者、詩人、画家など)が集うアパッシュに、トリスタン・クリングゾールという詩人がいました。

そのクリングゾールの詩に曲をつけたのが、歌曲《シェエラザード》です。

ソプラノ歌手ためのの歌曲で、内容としては、

  • 第1曲《アジア》
  • 第2曲《魔法の笛》
  • 第3曲《つれない人》

以上、3曲で構成された歌曲に仕上がっています。

これらについて歌詞の解説をします。

第1曲《アジア》:解説と歌詞

解説

どこか憂いを秘めた東洋的な諦観(ていかん)と、そこから、こぼれてくる神秘感を感じます。

「静けさを含んだ癒やしの響き」と、なんとも「不安定感をともなった不思議な流れ」を感じます。

 

歌詞

アジア、アジア、アジア…

 

おとぎの中の驚きの国

とりとめのない空想が、お姫様のように眠ってる

不思議でいっぱいの「お姫様の森」のなかで…

 

アジア…

 

私は、船で旅立ちたい

夕べ、港に泊まってる

不思議でいっぱい、帆かけ船

その紫の帆をひろげ、

黄金(こがね)に染まった大空の、

ひときわ大きな鳥のよに…

 

私は行って見てみたい

お花が咲いた、たくさんな島々に

悪さ、はたらく海のうたを聴きながら…

古(いにしえ)から続く、人に魔法をかける歌を…

 

私は行って見てみたい

ダマスカスと、ペルシャ人の街

塔がそびえるイスラム寺院のある街を

 

私は行って見てみたい

美しきシルクのターバン、

褐色(かっしょく)の肌、ひときわ白き歯に映えるさま

 

私は行って見てみたい

憂いをおびた愛に悩みし、その瞳

喜び勇んだ眼差しも

オレンジのよな黄色い肌を…

 

私は行って見てみたい

服はきれいなベルベット

長めの襟のその服を

 

私は行って見てみたい

口にくわえた長パイプ

たくわえたヒゲに覆われたさま

 

私は行って見てみたい

左と右をギラッと睨む商人たちと

イスラムの裁判官と大臣を

思い通りに、操る、曲がった指の、その動きで

命を生かすか、殺すかを…

 

私は行って見てみたい

ペルシャ人、インド人、中国人

日傘の下の、おなかふくれた中国人の大臣を

品があって、はかなげな手をしたお姫様たちを

詩と美について、文人たちが言い争うさまを

 

私は、魅惑の宮殿の中にいつまでもとどまっていたい

遠いお国からの旅人のように

のんびりと描かれた風景をながめていたい

モミの木の額縁のキャンパスの上に

果樹園にいる人たちを描いた風景画を

 

私は行って見てみたい

無実の罪をかぶせられたものの首をはねられる

その執行するものを

大きな青竜刀で…

 

私は行って見てみたい

物乞いと女王たちを

 

私は行って見てみたい

バラと血を

 

私は行って見てみたい

愛による死と、憎しみによる死を

 

そして、いつかは国に帰ってすることは

わたしの冒険物語を夢見がちな人びとを前に語るのさ

 

シンドバットの如く、古いアラブのさかづきを

口にチビリと湿らせながら…

時に、もてあそぶように語りを中断させながら…

 

第2曲《魔法の笛》:解説と歌詞

解説

少し気だるい昼下がり、わずかばかりの眠気をとろうとする時の穏やかな時の流れを歌っているように感じます。

歌詞

木陰の下は心地よく、私のご主人、眠っている

てっぺんとがった、さんかく帽子をのせている

黄色くて、長いその鼻は、いっぱいたくわえ、白いひげ

けれども私は、ふたたび目を覚まし

外からの音に耳、すます

フルートの歌が流れるように聴こえくる

悲しみ、よろこび、行き交って

せつなさと、たわいなさが行き交(か)い流れ、

あれは、私の大切なひとが、かなでる音楽

私がガラスの窓へと近づくと

すべての音のひとつひとつが舞っている

フルートは私のほほを目あてにする

神秘的なキスのよに

 

第3曲《つれない人》:解説と歌詞

解説

どこかクールで憂いを秘めた異性に恋してしまった乙女の心を歌っているのでしょうか。

満足感とは、ほど遠く、心のうちは、ただただ物足りなさが行き過ぎる。

そんなつかみどころなのない、しかし、諦(あきら)めきれいな恋の心象(しんしょう)風景なのでしょうか…。

歌詞

あなたのひとみは、乙女のように穏やかな、

若い異国のそのお方

細(こま)やかな、そのりんかく

その美しい顔立ちには、影を落としたようなヒゲ

ますます心を迷わせる、そのライン

そのあなたのくちびるは、私の戸口で歌います

今まで聴いたことのない、甘美な歌を

まるで、いつわり、込めた歌のよう…

さあ入って、そして、私のワインであなたを癒やさせて

けれども、あなたは通り過ぎ

私は部屋から、あなたが去っていくのを見つめてる

最後は、たおやかな身振りをあらわし

腰をわずかにかがませて

女性のように、憂うつな足取りで

 

【3枚の名盤の感想と解説】モーリス・ラヴェル:シェエラザード

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シャルル・デュトワ:指揮 モントリオール管弦楽団

 

アルパカのおすすめ度☆☆☆☆★

【名盤の解説】

序曲《シェエラザード》と歌曲《シェエラザード》が両方収録された名盤です。

色彩豊かで芳醇(ほうじゅん)な味わいを持つデュトワとモントリオール管弦楽団のコンビの名盤。

そして、およそラヴェルには似つかわしい華麗な響きを持っている名盤でもあります。

コレット・アリオット=ルガスのソプラノも可愛らしくて歌曲《シェエラザード》にはピッタリです。

ラヴェルのシェエラザード、序曲も歌曲も聴きたいならこの名盤がオススメですね。 

 

小澤征爾:指揮 ボストン交響楽団

 

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

歌曲《シェラザード》のみの名盤です。

シルヴィア・マクネアーの感性的美しい声と小澤征爾とボストン交響楽団の構成力たっぷりの安定感が実現した名盤。

オケがもう少しやわらかい響きでもいいかなとは思いますが、バランス自体はとてもいい聴きやすい名盤でもありますね。

 

ジャン・マルティノン:指揮 パリ管弦楽団

 

アルパカのおすすめ度☆☆☆☆☆

【名盤の解説】

序曲《シェエラザード》のみの収録ですが、その華麗な展開を感性的な装いにまとわせた名盤です。

どこまでも優しく表現された、序曲《シェエラザード》は、まさしく美しき王妃、シェエラザードのイメージをのせた名盤とも言えそうです。

モーリス・ラヴェルの序曲《シェエラザード》の録音を世界で初めて行ったマルティノンの演奏は一度は聴いてみてもいいかも…。

 

【解説と名盤、まとめ】モーリス・ラヴェル:シェエラザード

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さて、モーリス・ラヴェル:シェエラザードの解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

R・コルサコフ作曲のシェエラザードも、もちろん名曲ですが、ラヴェルのシェエラザードは小規模ながらも、美しい旋律と、あいまって管弦楽が見事です。

ぜひ冒険物語、シェエラザードのラヴェル版も聴いてみてくださいね♫

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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