アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

春に聴きたい【おすすめクラシック15選】ピアノと合唱、オーケストラ

ラヴェル:道化師の朝の歌(管弦楽版)【解説と感想|5枚の名盤】スペイン風の異国情緒あり!!

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情熱的なスペインの異国情緒!

楽しいメロディに

胸、踊らせたい時にオススメ!!


ラヴェル:道化師の朝の歌

【解説】モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌

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モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌の、こんな素敵な解説があります。 

「道化師の朝の歌」の原曲は、1905年の5曲からなるピアノ曲集の「鏡」のなかの第4曲である。

のピアノ曲集は、ラヴェルのピアノ曲の傑作にぞくし、しばしば演奏されている。(中略)

1918年に(中略)管弦楽化した(中略)「道化師の朝の歌」は、ラヴェルの知性的に精妙な管弦楽法のなかに辛辣な諷刺と人間としての道化師の悲哀をおりこんでいる

出典:門馬直美 著 「管弦楽・協奏曲名曲名盤100」P160より引用

さて、このモーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌は「Alborada del gracioso(アルボラーダ・デル・グラシオーソ)」というスペイン語です。

しかし、原曲のピアノ組曲「鏡」の5曲のうち、「道化師の朝の歌」以外の4曲はフランス語で題名が付けられています。

モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌が、スペイン語である理由は2つです。

  1. スペインでの風景や人物が描かれている
  2. モーリス・ラヴェル自身のアイデンティティによる

というものです。

スペインでの風景や人物が描かれている【解説】

モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌は、スペインでのある風景が描かれています。

それは、スペインの「チャラ男」と「娼婦」との一夜を明かした朝の風景

「チャラ男」とは、別の言い方では、いわば「伊達(ダテ)男」といえますが、要は、「軽薄」「浅はか」「ノリだけで生きてる」男の「朝の歌」なわけです。

また、朝の歌「Alborada (アルボラーダ)」とは、音楽で言うところの夜の曲「セレナード」の逆です。

つまり、「朝」と「夜」の違いはあれど、ほぼ同義なのです。

どういうことかと言いますと、よく知られている「セレナード」とは、「夜の音楽」であり、夜、恋人の窓の下で歌う言わば「愛の歌」です。

そして、「朝の歌」とは、その「セレナード」の朝バージョンとも言えるものなのです。

モーリス・ラヴェル自身のアイデンティティによる【解説】

それと、モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌がスペイン語である、もうひとつの理由が、「ラヴェルの母親の祖国がスペインであるから」というもの。

つまり、母親がスペイン人なのでスペイン風の趣きを持つ、モーリス・ラヴェル:道化師の朝を、スペイン語で表現したとも言われています。

つまり、ラヴェルのアイデンティティの原点でもあることが、モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌をスペイン語で表した、ひとつの理由でも、あるようですね。

【5枚の名盤の感想と解説】モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌

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アンドレ・クリュイタンス:指揮 パリ音楽院管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★★★

【解説】

骨太で発展的、もっともノリにノッてる 情熱系!!

生前、ラヴェルを得意としたクリュイタンスの演奏、とくにモーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌は素晴らしいですね。

その元気さの中にフランス的気品も漂っていて心地良いという感想です。

もっともエネルギッシュで熱い、モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌の名盤です。

ジャン・マルティノン:指揮 パリ管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【解説】

行儀のよさと、センスの良い粋な響き

速さの強弱も、あまり大きくは付けないため、クリュイタンスのような元気さはないかもしれません。

でも、その分、音楽の流れがエレガントで、引き込まれる名盤です。

全体的に「少し落ち着いた雰囲気で聴きたいときには、いいな」という感想の名盤です。

ピエール・ブーレーズ:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

感情に流されることのない理知的で、透明感のあるモーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌という感想です。

演奏がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団であることと、さらに録音状態が良いことがあって、楽器の一音一音の微妙なニュアンスまで、聴き取れて嬉しい名盤。

芳醇なニュアンスにあふれているため、「冷たくなりがちな知性」が軽減されて、美しいなという感想です。

「録音の良さ」を重視したい方には、オススメの名盤です。

シャルル・デュトワ:指揮 モントリオール交響楽団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

なんとも心地よい彩りに満ちていて、華やかな演奏の名盤でしょう。

フランス的おしゃれ感も、ところどころに見られていいですね。

そんな眩しい装いの中にも熱い情熱が詰まってるという感想です。

とにかく、この「語り口と、おしゃれなニュアンス」はデュトワならではの美しさ

そんな感想の名盤です。

モニク・アース:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

ピアノ演奏による、ラヴェル:道化師の朝の歌です。

「勢いや情熱」というよりも、「涼やかな語り口」の春風のような優しさの名盤

フランスのピアニスト、アースによる、フランス的な着こなしの演奏は、まさしく「シンプルなのに洗練された、なんともニクイ見せ方(聴かせ方)」をさせてくれますね

管弦楽の豪華さに胃もたれを感じたらピアノ版のモーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌も、アリですね。

心をさわやかにしてくれる柑橘(かんきつ)系の名盤です。

【解説と名盤、まとめ】モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌

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さて、モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌の、名盤のオススメと解説はいかがでしたか?

明るくて、異国情緒がいっぱいの、モーリス・ラヴェル:道化師の朝の歌は、ワクワク感の少ない毎日にジンワリ効(聴)いてくる元気な1曲です。

気持ち的にクサクサしたときに聴きたい。

そんな1曲ですね。

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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