幸福でいっぱいの
1日の始まりに、
愛と感謝のあいさつを…♫
結婚における障壁である
- 年齢のこと
- 社会的地位こと
- そして、宗教の違い…
そを乗り越えようと決心した、2人の「出発」と「あいさつ」の物語。
さて、今回は、エルガー作曲の有名な曲《愛の挨拶》の解説とおすすめ名盤を紹介です。
【解説】エルガー《愛の挨拶》
作曲家の恋…。
それは、ほぼ無理ゲーで成就がムズい世界…!
例として、
- 恋の多かったベートーヴェンは、生涯独身…
- ブラームスは、片思いを続けた純粋すぎる人生…
- ショパンは一時期は、恋が叶うも結局は破局…
- ドビュッシーは、泥沼不倫後の略奪愛…
しかし、作曲家のなかでも例外中の例外が、エドワード・エルガーなのです。
【物語を解説】エルガー《愛の挨拶》
エルガーの人生には、こんな物語があります。
29歳のエルガーが、ピアノ教師をしていた頃、その生徒にキャロライン・アリスという8歳年上の女性がいました。
2人はお互いに惹かれ合いますが、当時はまだ階級制度の影響が強く陸軍少将の娘であるアリスとは結婚するには身分が釣り合いません。
そう、エルガーは、経済的に恵まれない家庭に生まれ育った庶民階級の人だったのです。
しかも当時のアリスは、女流作家としても活躍するいわばキャリアウーマン。
しかも、エルガーのほうが8歳年下であり、また信仰の違いもありました。
しかし、2人は周囲の反対を押し切り1889年に結婚します。
その際、親から勘当されたアリス側の結婚式における参列者は、なんと、いとこ夫婦だけだったようですね。
そして、この結婚の際にアリスは、自身で書いたポエム「愛の恵み」をエルガーに贈ります。
そして、そのお返しとしてエルガーが贈った曲が「愛の挨拶」というわけなのです。
そして、エルガーは、作曲家としては珍しく「家庭的にも社会的にも幸福な一生」を送りました。
生まれてきた娘の名を「キャリス」と言いましたが、母のキャロライン・アリスから取りました。
また、結婚から約10年後の1899年に「エニグマ変奏曲」が評価されたことをきっかけに、作曲家としてもその地位を固めていきます。
さらに、その後は、音楽家としての成功とともにイギリス王室から、
- ナイト
- 国王の音楽師範
- 准男爵
という称号が与えられています。
徐々にエルガーの功績を讃える人々がでてきましたが、晩年のエルガーの象徴的な言葉は、
「私の作品を愛するなら、まず妻アリスに感謝するべきだ」
というひとことです。
エルガーは、その人生の最後にも、「ナイトの称号のある人々が眠る栄誉ある墓地」に埋葬されることを拒みます。
そして、今もなお愛する妻と共に同じお墓で眠っているとのことですね。
【3枚の名盤の感想と解説】エルガー《愛の挨拶》
高嶋ちさ子 クラシカル・ベスト
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
普段の高嶋ちさ子さんの楽天的で明るい雰囲気というよりは、晴れた朝のようなさわやかな演奏の名盤です。
とても聴きやすくて楽しくなってきます。
エルガー《愛の挨拶》以外の選曲も、みんなよく知っている曲ばかり。
まさしく「恵み多き朝のはじまりに思わず挨拶したくなる」名盤でもありますね。
クラシック定番名曲ベスト50 〜ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
ピアノのみのエルガー《愛の挨拶》もいいものです。
静かな朝や、日差しのやわらかい午後にはピッタリです。
こちらは、よく知られたピアノの名曲を集めた名盤。
ゆったりとした気分で聴くのに適しています。
五嶋みどり:ヴァイオリン
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
のびやかで艷(つや)やか、なんとも美しい名盤です。
技巧の素晴らしさはもちろん、その中にある澄み切った透明感も心地良いですね。
エルガー《愛の挨拶》以外の選曲も優れているオススメの名盤でもあります。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【まとめ】エルガー《愛の挨拶》
さて、エルガー《愛の挨拶》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
エルガー自身の歩んだ人生の物語も紹介させていただきました。
クラシック音楽と言うと「思ったことや感情にウソをつくこと無く表現」していることが多くて好感が持てます。
けれども、それが「暗い感情」の表現となると、本当にツラくなってくることもあるのもウソの無い事実…。
エルガー《愛の挨拶》は、エルガーにとっての
- 明るくて
- 嬉しくて
- 幸福である
そんな感情が、ウソのない素直な思いとして湧き出てくる名曲です。
誰が聴いても心を楽しませてくれる、そんなエルガー《愛の挨拶》を聴いて光あふれる一日を送っていきたいですね。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
関連記事↓
「春を感じる」こんな優しい名曲はいかがですか?
思い切り明るい、シューベルトのピアノ五重奏曲《ます》もいい♫