アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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モーツァルト:フィガロの結婚【あらすじと2枚の名盤を解説|感想】恋とはどんなものかしら

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親しみやすい旋律と、

ほれたはれたのドタバタ劇!

気持ちが沈んだ時に聴きたい♫


 歌劇「フィガロの結婚」序曲

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モーツァルト作曲の傑作オペラ、フィガロの結婚。

素晴らしい歌が、ギュギュッと詰まってる名作オペラです。

映画《ショーシャンクの空に》でも、モーツァルト:フィガロの結婚第3幕の「手紙の二重唱」でも印象的に使われて、思い出に残ってます。

今回は、そのモーツァルト:フィガロの結婚、あらすじと魅力の解説と感想です。

【解説】モーツァルト:フィガロの結婚

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モーツァルト:フィガロの結婚の、作曲当時の社会的エピソードを含む、こんな解説があります。 

このオペラは、モーツァルトが30歳(1786年)、もっとも脂ののりきった時に書かれたものだが、原作のボーマルシェの戯曲は、フランスの支配階級の腐敗堕落ぶりを猛烈にこきおろしたもので、1784年にパリで初演された時には、たいへんな騒ぎになったという。

そして、このオペラもまた、1789年に勃発したフランス大革命に一役買うことになった、ともいえるのである。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P380より引用

 モーツァルト:フィガロの結婚は、「女性が大好き!」な、伯爵、アルマヴィーヴァが発端で起こるドタバタ劇です。

普通、オペラには深いテーマのものが多いですが、この、モーツァルト:フィガロの結婚は、軽快で、楽しい展開の物語で、見やすく、聴きやすいオペラに仕上がっています。

【あらすじと感想、解説】モーツァルト:フィガロの結婚

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それでは、ドタバタ要素がいっぱいの、モーツァルト:フィガロの結婚のあらすじを解説したいと思います。登場人物は以下の通りです。

登場人物

アルマヴィーヴァ伯爵(Br)
伯爵夫人(S)
スザンナ(S)伯爵夫人の侍女
フィガロ(Bs or Br)伯爵の召使い
ケルビーノ(Ms)小姓
バルトロ(Bs)伯爵家の医者
マルチェリーナ(Ms)伯爵家の女中

ほか 

モーツァルト:フィガロの結婚は、全4幕で成り立っています。

第1幕 伯爵の「女性好き!」なんとかして!?


もう飛ぶまいぞこの蝶々 - ジョゼ・ヴァン・ダム

スペインのセビリアにあるアルマヴィーヴァ伯爵の館。

今日は、伯爵の召使い、フィガロと、伯爵夫人の侍女であるスザンナの結婚式の日

2人の新生活を始めるにあたって、ベッドを置くために、部屋のスペースを測るフィガロ。

そんなウキウキのフィガロに、新婦のスザンナは語ります。

「実は、アルマヴィーヴァ伯爵が、私を誘惑しているの。」

それを聞いたフィガロはビックリ!

なんとか伯爵の思惑を阻止しようと、知恵を働かせるフィガロでした。

また、伯爵に仕える小姓のケルビーノがいました。

女性が、気になって気になってしょうがない、多感な思春期を迎えているケルビーノです。

スザンナをはじめ、伯爵夫人にまで声をかけまくる、節操のないケルビーノに対して、伯爵は軍隊行きを命じます。

第2幕 フィガロのやっちまった過去が明かされる!


恋とはどんなものかしら(第2幕)

軍隊行きは勘弁してほしいケルビーノは、スザンナとともに、あこがれてる伯爵夫人に相談にいきます。

伯爵夫人は、夫である伯爵の浮気性に困っていました

そこで、ケルビーノを使って行う、あることを画策します。

スザンナが伯爵を呼び出し、そこに女装させたケルビーノにいてもらって、伯爵がちょっかいを出すところを押さえて証拠をつかもうとしたのです。

そこで、化粧道具を取りに出ていったスザンナ。

そこに運悪く、伯爵がやってきます。

そこで、ケルビーノは、急いで身を隠しますが、伯爵は「何かおかしい、誰かいるのでは?」と疑います。

必死に否定する伯爵夫人ですが、伯爵の疑いは晴れません。

そこに、スザンナが戻って来ますが、様子のおかしさに気づき、ケルビーノを窓から逃して事なきを得ます。

伯爵は、誰もいないことを知り、伯爵夫人に平謝り…。

 

さて、ここで、女中のマルッチェリーナが登場します。

このマルッチェリーナは、フィガロにお金を、貸しています。

そして、フィガロがお金を返せない場合、マルッチェリーナ自身と、結婚をするという約束をした際の、証文をみせます

そして、医者のバルトロが弁護士を使って、訴訟を起こす意志を表します。

伯爵は大喜び、これをネタに、フィガロとスザンナの結婚をなきものにしようと、ほくそ笑みます。

第3幕 二転三転する、ドタバタは続く…

裁判では、マルッチェリーナが勝利します。

しかし、この後、ある衝撃の事実が明らかになります。

それは、捨て子であるフィガロが、実は、マルッチェリーナと弁護士のバルトロの間に生まれた子であるということです。

その子は、生まれて間もなく盗賊に、さらわれて行方不明になっていたのでした。

そして、現在のフィガロの右腕に、刻まれた紋章を発見。

これが、証拠となり事実が明らかになったのでした。

スザンナを含めた全員で、大喜び!

めでたくフィガロとスザンナの結婚は、予定通りに行われることが決まります

これには、すっかり落胆の伯爵でした。

第4幕 伯爵の思惑は叶わず…さあフィナーレです!

さて、伯爵夫人とスザンナの画策は、まだ終わっていません。

スザンナは伯爵にラブレターを渡します。

これに喜々として、はしゃぐ伯爵。

そして、約束の逢い引きの場所では、スザンナの服で身を包んだ伯爵夫人が待つという策です。

同じころ、当のスザンナの方は、伯爵夫人の姿をしているわけですが、ここで、フィガロは知恵を働かせます

つまり、(伯爵夫人の服をまとった)スザンナを抱きしめます。

伯爵は、スザンナ(本当はスザンナの姿をした伯爵夫人)に会いに向かう途中、これを見ます。

そこで、伯爵は、「とうとう妻の浮気現場を押さえた!」これで、「お互い様」ということに出来るぞ…と考えます

さらに、この妻の浮気の、証拠を固めるために、たくさんの人を呼び集めます。

そして、「…してやったり…!」と思ったその瞬間、その場所に、(スザンナの服をまとった)伯爵夫人が現わし、正体を明かします。

たくさんの人の前で、恥をかいてしまった伯爵。

ここで、深く改心します。

そして、伯爵は妻に深く詫びることで、妻の許しを得たのでした。

これで、物語は大団円

全員の合唱で物語は幕を閉じるのです。

じつは、モーツァルト:フィガロの結婚は、長いドラマの「エピソード2」?

さて、実は、この「フィガロ」の物語は3部作だということはご存知でしたか。

実は、モーツァルト:フィガロの結婚の劇には、前日譚があります。

それが、ロッシーニの《セビリアの理髪師》というオペラです。

内容としては、アルマヴィーヴァ伯爵が、ロジーナ(《フィガロの結婚》での伯爵夫人)に恋心を燃やします。

しかし、なんとも恋を成就するには、多くの壁が、たちはだかっていました。

そこで、伯爵のために一肌脱ごうと、立ち上がったのが、理髪師のフィガロ。

ロジーナの心が、欲しくて仕方ないアルマヴィーヴァ伯爵を、フィガロの知恵と機転をきかせた活躍によって見事、アルマヴィーヴァ伯爵はロジーナと結婚。

大団円で終わります。

時代的には、「エピソード2」と言える、モーツァルト:フィガロの結婚のほうが、先に完成。

その後に、「エピソード1」とも言える、《セビリアの理髪師》を、ロッシーニが、完成させるわけです。

これは、いわば、物語の第2部が先に作られ、そのあとに第1部が作られるという、結果になりました。

これは、少し、スターウォーズの制作過程に似た歴史を、思わせるオペラなのですね。

ちょっとした豆知識でした。

【2枚の名盤を解説】モーツァルト:フィガロの結婚

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カール・ベーム:指揮
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団

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アルパカのおすすめ度★★★★★

もっとも多くの人たちに聴かれてきた、不動の地位を築いた「超」がつくくらいの名盤中の名盤。

男性陣のフィガロ役、プライは、く響く声が魅力、伯爵役のディースカウは、その揺るがない匠(たくみ)との感想の美声

また、女性陣も、スザンナの、機転と可憐がよく表現されたマティス、伯爵夫人の漂う気品は、ヤノヴィッツがその歌に乗せてきます

これを、しっかりとした構築感と、あたたかみをもって、指揮者のベームとベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団がまとめている感想を持ちます

そんな歴史的な名盤ですね。

サー・ネヴィル・マリナー:指揮
アカデミー室内管弦楽団

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アルパカのおすすめ度★★★★★

なんともマリナーらしい、清らかで、明るい《フィガロの結婚》なことでしょう

およそ、モーツァルト:フィガロの結婚に、ふさわしい「清楚さ」をそなえた名盤と言えそうです。

フィガロ役の、ヴァン・ダムの風格、スザンナ役のヘンドリックスの可憐さ、伯爵夫人のポップの聡明さは、モーツァルト:フィガロの結婚にピッタリ。

こんな素晴らしい配役を、シルクのような高貴な演奏で、マリナーが最高のサポートをしているという感想です

アルパカが、つらい時、何度も何度も聴いて、みずからを励ましてきた、大好きな、モーツァルト:フィガロの結婚です。

 

【解説と名盤、まとめ】モーツァルト:フィガロの結婚

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さて、モーツァルト:フィガロの結婚の、あらすじと名盤の紹介、解説はいかがでしたか?

なんだか「無理くり、話が展開する感がないわけではありません」が、そこはご愛嬌ということで…。

ただ、やっぱり、モーツァルトの音楽で、物語が進むと、なんだか納得というか、説得力が高まっちゃう感もあって、心地いいですよね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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