壮大!!
古代エジプトでの
アイーダの恋と悲劇!
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エジプトの奴隷、アイーダの
- 英雄との恋
- ライバルからの嫉妬
- そして、悲劇…
「壮大で、ドラマティックな展開」のオペラ《アイーダ》の
- 有名な「凱旋行進曲」
- 物語の「あらすじ」
- 「名盤」
を解説します
【解説】ヴェルディ:歌劇《アイーダ》
ヴェルディのオペラ《アイーダ》の1曲、凱旋行進曲は、サッカー日本代表のテーマ曲としても有名ですね。
アイーダの恋人であり、エジプト軍の指揮官でもある「ラダメスの戦争勝利の凱旋」の場面で流れます。
さて、この凱旋行進曲が印象的なヴェルディのオペラ《アイーダ》についてのこんな解説があります。
スエズ運河が開通した1869年、それを祝って建てられたカイロの大歌劇場のこけら落としのために作曲されたのが、このオペラである。
この時、ヴェルディは56歳。
すでに多くの傑作オペラを発表してきたが、この「アイーダ」によって、さらに新境地を開いたのであった。
出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P400より引用
ヴェルディのオペラの中では
- ナブッコ
- リゴレット
- 椿姫
などが有名ですが、オペラ《アイーダ》の特徴としては
壮大なスケールと豪華な雰囲気に仕上がっているということがあげられます。
ヴェルディの、オペラ作家としての地位や名誉も確立して、もっとも充実している時に作曲されたオペラと言えそうです。
【あらすじと感想、解説】ヴェルディ:歌劇《アイーダ》
それでは、ヴェルディのオペラ《アイーダ》のあらすじを解説します。
登場人物は以下の通りです。
主要な登場人物
-
アイーダ(ソプラノ)
エチオピアの王女で、今はエジプトの奴隷として、その身分を隠しつつ、エジプトの王女、アムネリスの召使いとして奉仕している。
心やさしく、慈しみ深い性格を持つ20歳。 -
ラダメス(テノール)
将来が期待される、エジプト軍の若き指揮官。
奴隷のアイーダと恋仲にある24歳。 -
アムネリス(メゾソプラノ)
エジプト王女であり、ラダメスに片思いしている。
感情に支配されやすく、また嫉妬深い20歳。 -
エジプト国王(バス)
威厳に満ち、堂々とした態度。
アムネリスの父、ラダメスを信頼している。
娘であるアムネリスをラダメスと結婚させて次の国王にとの願いを持っている。 -
アモナスロ(バリトン)
アイーダの父親、エチオピアの王。
国を思う気持ちが強く、直情的な性格、いつの日かエジプトに勝利しエチオピアに栄光をもたらすことを夢見る40歳
ヴェルディ:《アイーダ》は、全4幕で成り立っています。
第1幕 悩むアイーダ、恋人と父親が戦うことに…
古代エジプトの時代、エジプトの敵国であるエチオピアの王女、アイーダはその身分をかくし、エジプト王の娘であるアムネリスの奴隷として仕えていました。
ある日、エジプト王はエジプトにせまるエチオピアの攻撃を鎮圧するべく司令官としてラダメスを指名します。
ラダメスとしては、思いを寄せるアイーダにその「戦功を捧げる」ことを誓います。
その時、アイーダは、ラダメスを愛していることを告げつつも、婚約者であるアムネリスと結ばれるべきだと伝えます。
しかし、ラダメスは、エジプトが勝利したのちにはエチオピアの奴隷を解放するよう進言することを伝え、アイーダへの思いをつらぬくことを宣言します。
そして、その場面をこっそり見ていたアムネリスの心は、嫉妬の炎に、おおわれるのでした。
「エジプトとエチオピアが戦うこと」は、「恋人と父親が戦うこと」。
そんな深い葛藤の中で、アイーダは苦しむのでした。
第2幕 エジプトの勝利!しかし…
エジプト軍が勝利!
その報告を聞いたエジプトの王女アムネリスは喜びいさみます。
しかし、ひるがえってアイーダは破れた祖国を思い、心を痛めます。
凱旋したラダメスは、エジプト王にエチオピアの奴隷たちを解放する願いを伝え、受け入れられます。
しかし、エジプト王はラダメスに対し娘のアムネリスと結婚し、エジプトの次期国王となってほしいことを告げます。
- 喜びにふるえるアムネリス
- 困惑するラダメス
- そして、絶望するアイーダ…
ラメダスにとっては、エジプト軍の勝利の嬉しさはありながらも将来の栄光のためにはアイーダへの想いをあきらめなければならない。
そんな心の葛藤を抱えます。
そして、
「エジプトの王座さえも、アイーダの存在の価値にはかなわぬ!」
と歌われます。
第3幕 エジプト軍の機密がモレる!
一方、解放されたエチオピアの国王でありアイーダの父であるアモナスロでした。
そのアモナスロはアイーダに対し、「ラダメスからエジプト軍の機密情報を聞き出せ」と持ちかけます。
悩むアイーダとラダメスは「2人で駆け落ちをしようと画策」しますが、その際、ラダメスはアイーダにエジプト軍の手薄な場所を教えてしまいます。
それを隠れて聞いていたのがエチオピア国王アモナスロでした、
アモナスロは、アイーダに対し、共にエチオピアへ逃げようと持ちかけますが、そこにアムネリスが現れます。
とっさにラダメスはアイーダとアムナスロを逃し、ラダメスは捕らえられてしまうのでした。
第4幕 潔(いさぎよ)し、騎士ラメダス!
機密を漏らしてしまったラダメスは死刑が宣告されます。
そこで、アムネリスはラダメスに語ります。
「アイーダへの思いを断ち切り、私の気持ちを受け入れてくれれば、死刑を取り消すよう嘆願する」と…。
しかし、ラダメスはそれを断り、死を受け入れることを宣言するのでした。
その後もラダメスは一切の弁明も、言い訳もせず、ただ黙して語らない姿勢をつらぬき、生き埋めの刑のため地下牢へと閉じ込められるのでした。
そして、そこにはなんと、アイーダがいたのでした。
かしこいアイーダは、判決の結果、ラダメスが地下牢へ閉じ込められることを予想して先回りしていたのでした。
薄暗い地下牢にて、2人はこの世の苦しみからの解放を夢見て、抱き合い幕は降りるのでした。
【名盤を解説】ヴェルディ:歌劇《アイーダ》
リッカルド・ムーティ:指揮
ニューフィルハーモニア管弦楽団&コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団
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アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
アイーダ役のカヴァリエの安定した「純粋な美声」はハマり役。
ラダメス役のドミンゴは日本では「三大テノール」と言われて有名。
アムネリスのコッソットの透き通った声の魅力。
そして、ヴェルディ:《アイーダ》の全体をまとめた指揮者ムーティは録音当時33歳の若さだったことが圧巻という名盤!
そのみずみずしい若い感性が「若い3人」の青春群像を見事に描き出した名盤とも言えそうです。
録音は少し古いイメージがありますが、
- ニューフィルハーモニア管弦楽団の壮快さ
- コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団の整った美しさ
そんなバックも手伝って素晴らしい名盤と言えると思います。
ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団管弦楽団&ウィーン楽友協会合唱団
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アルパカのおすすめ度★★★★☆
- テバルディの風格さえも感じられる美しいアイーダ
- ベルゴンツィのラメダスの安定した美声
- シミオナートの力感をともなった芯の強い歌声
そんな魅力がドラマを展開する名盤。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の優美さもありヴェルディ:《アイーダ》の
- 神秘感
- 優美さ
- 壮大さ
が、滑らかさとともに表現された名盤でもあります。
気になる録音の古さは「現代の技術でリマスタリング」されて聴きやすくなっています。
名盤には、やはり録音の古さを超える魅力が十分にあります。
ぜひ、堪能したい、それが「クラシックの名盤」の世界ですね。
【解説と名盤、まとめ】ヴェルディ:歌劇《アイーダ》
さて、ヴェルディ:《アイーダ》の、あらすじと名盤の紹介、解説はいかがでしたか?
- 英雄との恋
- ライバルからの嫉妬
- そして、悲劇…
そんな心のドラマが壮大な装いをともなって展開する名作オペラヴェルディ:《アイーダ》。
とくに、ひきこもりがちなストレスフルな冬の時期に聴くのはオススメかも…。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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