アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

春に聴きたい【おすすめクラシック15選】ピアノと合唱、オーケストラ

バッハ《マタイ受難曲》【あらすじと解説と名盤3選|歌詞】最高傑作!2千年前の真実の物語を音楽で…

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清らかさ…安らかさ…

そして、裏切り…

聖書の物語を音楽で…♫

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バッハ《マタイ受難曲》はバッハの最高傑作と言われる名曲です。

とても壮大で演奏によっては3時間を超えることもあります。

今回は、その

  • 重厚であり
  • おごそかであり
  • また静謐(せいひつ)でもある

そんな魅力を放つ、バッハ《マタイ受難曲》の解説とおすすめ名盤を紹介です。 

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【解説】バッハ《マタイ受難曲》

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バッハ《マタイ受難曲》のこんな解説があります。  

十字架にかかったキリストの受難の物語を歌う音楽です。(中略)

冒頭のぶ厚い合唱にはじまり、キリストの逮捕、裁判、処刑と、物語は劇的に進行してゆきますが、バッハの音楽の流れはまことに迫力と輝きとにみたされ、不思議な戦慄と感動とを聴く者にあたえます。

出典:皆川達夫 著 「バロック名曲名盤100」P178より引用 

内容としては、新約聖書のマタイ伝福音書の中の第26章と27章に描かれた出来事が引用されています。

解説にありますように、イエス・キリストの

  • 逮捕
  • 裁判
  • 処刑

の場面がバッハの美しい旋律とともに展開する名曲で、

  • キリストの言葉をうたうバス
  • 新約聖書の記述を朗唱するテノールの福音史家(エヴァンゲリスト)
  • その他、登場人物たちの語る言葉をうたう独唱者たち
  • そして、群衆たちの合唱

これらがバッハ《マタイ受難曲》を彩り、物語が展開します。

そして、これに加えて個性的なのは、

独唱者による、

  • アリア
  • レチタティーヴォ
  • 重唱

さらに、賛美歌などを歌う合唱などが散りばめられていて、全曲が千変万化の様相を見せてきて飽きさせることがありません。 

 

台本は、筆名ピカンダー(本名、クリスティアン・フリードリヒ・ヘンリーツィ)が担当し、1727年4月11日の聖金曜日に初演が行われています。

 

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【あらすじ】バッハ《マタイ受難曲》

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それでは、まずは簡単なあらすじを聖書のマタイ伝からみていきましょう。

今回はとくに、イエス・キリストの

  • 逮捕
  • 裁判
  • 処刑

という場面にトピックを分けて聖書の流れに沿って解説していきます。 

|逮捕|聖書マタイ伝|第26章第1節から第27章第10節まで 

イエスが、らい病患者のシモンの家にいる時、ひとりの女がイエスの頭に高価な香油を注ぎます。

これに対して、イエスの弟子たちは「なんともったいないことをするのか、これを換金すれば貧者が救えるのに…」と言い寄ります。

しかしイエスは、女のしたことが「今後、世界中で記念として語られるだろう」と評価しました。

 

そのあと弟子のひとりのユダは、イエスを追いかけている祭司たちにイエスを売ることを考え、会いにいきます。

その結果、取引きとして銀貨30枚をユダは受け取ります。

 

宗教的な記念日である「過ぎ越し」の日、弟子たちとの夕食の際にイエスはこの中に自分を裏切ろうとしている者がいることを語ります。

そして、イエスは今夜あなたたちは皆つまづく(私を見放す)だろうと語ります。

それに対し真っ先にペテロは「皆がつまづいても私は決してつまづきません」と宣言します。

イエスは語ります。

「今夜、ニワトリが鳴く前に、お前は3度、私を知らないと言うだろう」と…。

 

最愛の弟子たちとの最後の夜であることを悟っているイエスは、「私とともに目を覚ましていなさい」と語ります。

しかし弟子たちは耐えることが出来ずに眠ってしまいます。

その間もイエスは祈りを続けます。

 

そうこうしているうちに、ユダは祭司たちから使わされたものたちとともにイエスの元へとやってきます。

「私が口づけする者、それがイエスだから捕らえろ」と伝えてあったため、そこでユダが口づけした相手、イエスを捕らえる使いの者たち。

 

しかし、イエスの弟子たちは見放し、逃げ去ってしまいます。

 

そして、祭司たちのもとに連れて行かれるイエス、それを隠れてこっそり見ていたのは弟子ペテロ。

そこに女たちがやってきて「あなたがイエスと一緒にいたところを見た!」と言いますが、ペテロはこれを「知らない」と2回否定します。

さらに別の者の問いかけに対しても否定することで、結果的にはイエスの予言したとおり3度「知らない」と言ってしまうのでした。

さらに3度の否定の後、ニワトリが鳴き出しますが、このことも予言が当たり、ペテロは泣き出してしまいます。

 

そんな折、祭司たちの連盟と国の長老たちの満場一致で、イエスを死刑に処すことを決定。

この判決を見たユダは深く後悔して自ら命を断ってしまいます。 

|裁判|聖書マタイ伝|第27章第11節から第26節まで

さて、イエスは総督ピラトの前に連れてこられます。

ピラト自身は、イエスを正式に有罪にする気はないものの、弁明を行わないイエスを不思議に思います。

過去、総督は「祭りの時期には囚人ひとりに対して刑の執行を免除」してきました。

その時、ピラトのもとにはバラバという強盗殺人犯もいたので、民衆に対してイエスとバラバのどちらの刑を免除し、どちらを十字架にかけるかを問います。

その結果、民衆は「イエスを十字架にかけること」を望むのでした。 

|処刑|聖書マタイ伝|第27章第27節〜66節まで

そして、頭には茨の冠を載せられ、重い十字架を引きずり、ひどい仕打ちを受けながら刑場であるゴルゴダの丘へと向かうイエス。

そして兵卒たちによって十字架に付けられるイエスでしたが、ある者には「わが神、わが神なぜ私を見捨てられたのか!」と叫んだように聞こえます。

しかし、別の者には「天にあるエリアに迎えに来るよう呼んでいる」ようにも聞こえました。

 

そして、ある者は、海綿にワインを浸してイエスに飲ませようとしますが叶わず、イエスは息を引き取ります。

 

その時、神殿の幕は真っ二つに裂け、大地は揺れ、岩は割れるという現象が表れるのでした。

これを見た民衆は「やはりイエスは神の子だったのだ」と語ります。

参考書籍:塚本虎二 訳「新約聖書《福音書》」岩波書店刊

 

【歌詞を解説】バッハ《マタイ受難曲》

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ここでは、バッハ《マタイ受難曲》で歌われる歌詞をトピックに分けて解説します。

また、楽曲の分け方には旧版と新版とでは違いがありますが、基本は新版で解説します。

ただ()内には旧版の番号も記しておきます。

 

編成は以下の通りです。

 

登場人物|歌手陣

  • 福音史家(ナレーター)|テノール
  • イエス|バス
  • その他登場人物|ソプラノ、アルト、テノール、バス
  • 合唱Ⅰ/Ⅱ
  • リピエーノ・ソプラノ|通常はボーイソプラノ

器楽

第1アンサンブル

  • ブロック・フレーテⅠ/Ⅱ
  • フルートⅠ/Ⅱ
  • オーボエⅠ/Ⅱ(オーボエ・ダモーレ、オーボエ・ダカッチャを兼ねる)
  • ヴァイオリン(2部)
  • ヴィオラ
  • ヴィオラ・ダガンバ,
  • 通奏低音(チェロ,ヴィオローネを含む)
  • オルガン

第2アンサンブル

  • フルートⅠ/Ⅱ
  • オーボエⅠ/Ⅱ(オーボエ・ダモーレを兼ねる)
  • ヴァイオリン(2部)
  • ヴィオラ
  • ヴィオラ・ダガンバ
  • 通奏低音(チェロ,ヴィオローネを含む)
  • オルガン

 

※また、表記として、

  • レチタティーヴォは【レ】
  • レチタティーヴォ・アコンパニャート(伴奏付きレチタティーボ)は【レ・ア】
  • コラールは【コ】

とさせていただきます。

 

では各曲の解説に入ります。

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【逮捕】第1番(1)〜第43番(52)

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|十字架の予言|

第1番(1)【合唱】来たれ娘たちよ、われとともに嘆け

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歌詞:

来たれ娘たちよ、われと共に嘆け…

見よ「誰を?」花婿を!

彼を見よ「どのような?」子羊のような!

おお神の子羊よ、罪無くして

十字架にてにほふられた

見よ「何を?」彼の忍耐を見よ

あなたは、いつも忍耐強かった

いかにあざけられても

見よ「どこを?」私たちの罪を

全ての罪を、あなたは背負われた

さもなければ、

私たちは絶望していたことでしょう

見よ、彼が愛と慈しみから

木の十字架を運ばれるのを

私たちをあわれんでください、おおイエスよ

第2番(2)【レ】十字架を予言

《福音史家とイエス》

歌詞:

イエスは、

これらの言葉をすべて語り終えると

弟子たちに言った、

あなたがたも知っての通り、

2日後は過越(すぎこし)の祭りである

そこで、人の子はひき渡される

十字架に、つけられるために… 

第3番(3)【コ】その罪はなんですか?

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

愛するイエスよ、

あなたはどんな罪を犯して

これほどの、

厳しい判決を受けたのですか?

どんな悪事を、

あなたは犯したのですか?

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|香油を注ぐベタニアのマリア|

第4番(4〜5)【レ+合唱】大祭司のたくらみ

《福音史家、合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

同じころ、

祭司長と律法学者、

それに民の長老たちは

カヤパという名の大祭司の屋敷に集まり

どんな策略でイエスを捕まえ、

殺そうかと企んだ、

そして、彼らは言った

「祭りの間はやめよう、

民衆が暴動を起こすかもしれない…」

第4番(6〜8)【レ+合唱】香油を注ぐベタニアのマリア

《合唱Ⅰ》

歌詞:

ベタニヤの地で、

イエスは、らい病患者のシモンの家に居た

ひとりの女がイエスのそばへ、

高価な香油の入った壷を持ってやってきた

そして、その香油をイエスの頭に注いだ

それに対して弟子たちは、

怒り出して言い放った

「なぜそんな無駄使いをするのだ?

この香油を高く売れば、

貧しい人に施すことが出来るのに…」

イエスは言った

「なぜ、この人を困らせるのか?

彼女はわたしに良いことをしてくれたのだ

貧しい人びとは、

いつもあなたがたとともにあるが、

わたしはいつも一緒ではいられない

この人は、わたしに香油を注いで、

わたしを葬る準備をしてくれたのだ

まことにおまえたちによく言っておく、

この福音が伝えられる限り、

世界中どこででも、

この人のしたことが記念として、

語り継がれることとなるだろう」

第5番(9)【レ・ア】あふれる涙

《アルトⅠ、フルート》

歌詞:

愛する救い主よ

この信仰深き女が、

あなたの体に、

香油をもって、

葬りの準備とすることを、

あなたの弟子たちが、

とがめても

どうか、

私の目からあふれ出る涙のひとしずくを

あなたの御頭(みかしら)に注ぐことを、

お許しください。

第6番(10)【アリア】罪と後悔

《アルトⅠ、フルート》

歌詞:

懺悔(ざんげ)と後悔の思いは

罪深い心を、ふたつに引き裂き

私の涙のひとしずくは、

かぐわしい香油となって

誠実なるイエスよ、

あなたに注がれますように

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|ユダの裏切り|

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第7番(11)【レ】銀貨30枚にてイエスを売る

《福音史家、ユダ》

歌詞:

その時、

12人の弟子のうちのひとり

イスカリオテのユダが

祭司長たちの所に行き、

そして、言った、

「あなた方にイエスを引き渡す、

さあ、いくらもらえる?」

その問いに対して、

彼らは銀貨30枚を差し出した

この後から、

ユダはイエスを彼らに引き渡す機会をうかがった

第8番(12)【アリア】その子は蛇となった

《ソプラノⅡ、フルート》

歌詞:

血を流すがよかろう、

なんじの愛しき心よ!

ああ、あなたが育てた子、

あなたの乳をもって養われた子が、

その親を殺そうとする

その子は、蛇となったのだ

第9番(13〜15)【レ】裏切りの予言

《福音史家、イエス、弟子たち(合唱)》

歌詞:

種なしパンの祭の第一日、

弟子たちがイエスのところに歩み寄ってきて言った

「私たちは過越(すぎこし)の食事の用意を、

どこにいたしましょう?」

イエスは言った

町にいるある人を訪ねて伝えなさい

「先生があなたにこう言っています

『私の時が来た、私はあなたのところで、

弟子たちとともに、

過越(すぎこし)の食事をとりたい』」と

弟子たちはイエスが命じた通りに

過越(すぎこし)の食事の準備をした

夕方になると、

イエスは12人の弟子と共に食卓についた

そして、彼らが食事をしている時、

イエスが言った

「まことに私は、お前たちに言っておく

お前たちの中のひとりが私を裏切るだろう」

弟子たちは深く心を痛め

代わる代わるイエスに向けて言い始めた

「主よ、それは私ですか?」

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|最後の晩餐|

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第10番(16)【コ】つぐないと報い

 《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

それは私です

私がつぐなうべきなのです

地獄の中で、

ムチ打たれ縛られて

そして、

あなたが耐え忍んでくださった苦難、

それを受けなければならないものこそ、

この私の魂にふさわしい報いなのです

第11番(17)【レ】裏切る者とは誰のこと

《福音史家、イエス、ユダ》

歌詞:

「私とともに、

同じ鉢に手を浸す者が、

私を裏切るだろう

人の子の去りゆくさまは、

聖書に記された通りである

しかし、その者は不幸である、

人の子を裏切るのだから

生れて来ない方が、

その者にとっては良かったであろう」

イエスを裏切ろうとしているユダは口をはさんだ

「先生、それは私ですか?」

イエスはユダに言った。

「あなたの言う通りだ」

 

そして、一同が食事をしている時

イエスはパンを取り、

感謝をもってそれを裂き

弟子たちに与えて言った

「さあ、取って食べなさい、これは私の体である」

また、さかずきを取り、

感謝をもって彼らに与えて言った

「あなたがたは、このさかずきから飲みなさい

これは、新しい契約のために流される私の血である

この血が流されることによって

多くの人のために罪の赦(ゆる)しを得るためである

私は、あなたたちに言っておく

私は、今よりのち、

ぶどうから造られたものを飲むことはない

来たるべき日に、父の国にて、あなたたちと共に

新たに飲むであろうその日まで…」 

第12番(18)【レ・ア】弟子たちへの愛

《ソプラノⅠ、オーボエ・ダモーレ》

歌詞:

イエスが私に別れを告げられ、

私の心は涙の中を泳ぎ、悲しむとも

なお、イエスの最後の契約であり、

また遺言は喜ばしいものである

イエスの肉体と血液、この尊きものを

私の両手に遺してくださったのです

世に住んでいる日々の中

イエスが弟子たちを、

決して憎んだことがないように

世の終りの日までも、

弟子たちを愛してくださる

第13番(19)【アリア】私の心を捧げます

《ソプラノⅠ、オーボエ・ダモーレ》

歌詞:

私はあなたに心を捧げます

お宿りください、

私の救い主よ…私の心に…

私は、あなたの中に身を沈めます

たとえ、あなたにとって、

世界があまりにも小さ過ぎても

私にとっては、そう、

あなただけが天と地よりも尊き存在なのです

第14番(20)【レ】「つまづき」の予言

 《福音史家、イエス》

歌詞:

一同は讃美歌を歌った後、オリーブ山へと出かけた

そこでイエスが弟子たちに言った

「今夜あなたたちは、みんな私につまずくだろう

聖書にこう書かれているからだ

『私は羊飼いを打つ

すると羊たちの群は散り散りになるだろう』

しかし、私がよみがえりし時には、

あなたたちよりも先にガリラヤに行く」

第15番(21)【コ】私を認めてください

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

私を認めてください、

私の守り主よ

私の羊飼いよ、

私を受け入れてください

すべての善きものの源泉である

あなたによって

多くの善き事が、

私に行われました

あなたの口は、

私を励ましてくださいます

それは、あたかも

ミルクや甘い食べ物のように

あなたの聖なる霊は、

私に与えてくださいました

あふれるほどの、

天国の喜びを…

第16番(22)【レ】私はつまづきません

《福音史家、イエス、ペテロ》

歌詞:

するとペテロが答えて、イエスに言った

「たとえみんながあなたにつまづいても、

私は決してつまづきません」 

イエスはペテロに言った

「よく、あなたに言っておく

今晩ニワトリが鳴く前に、

お前は3度、私を知らないと言うだろう」

ペテロはイエスに言った

「たとえ私が、

あなたと共に死なねばならなくとも、

私は、あなたを知らないなどとは言いません。」

他の弟子たちも同じことを言った

第17番(23)【コ】私を、あなどらないでください

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

私はここに…

あなたのもとにとどまります

私をあなどらないでください

私はあなたから去ることはありません

たとえ、あなたの心が、

傷つき破れることがあったとしても

たとえ、あなたの心が、

最後の死のひと突きに青ざめても

その時こそ、

私はあなたをしっかり抱きとめましょう

私の腕とふところに

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|ゲッセマネの祈り|

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第18番(24)【レ】目を覚ましていなさい

《福音史家、イエス》

歌詞:

そして、イエスは弟子たちとともに

ゲッセマネという園に来て言った

「私が向こうに行って祈っている間、

あなたたちは、ここに座っていなさい」

そして、ペテロとゼベダイの子2人とを伴いながら、

悲しみもだえ始められた

そこで、イエスは彼らに言った

「私の魂は憂(うれ)いのあまりに、

死ぬほど悲しい

みんな、ここにいて、

私とともに目を覚ましていなさい」

第19番(25)【レ・ア】さいなまれた心は震える

《テノールⅠ、合唱Ⅱ、オーボエ・ダカッチャ、フルート》

歌詞:

おお痛まし!

さいなまれた心は震える

その心は打ちひしがれ、

そのお顔はなんと青ざめたことか!

それほどの苦しみの元は、

何なのですか?

裁き主は、

彼を法廷の場に引きずり出す

そこには、

なぐさめめもなく、

助ける者とていない

ああ、私の罪が、

あなたを打ったのです

彼は、あらゆる地獄の責めに苦しまれ

見に覚えのない

盗みの罪を償(つぐな)われた

ああ主イエスよ、

私の罪が招いた苦しみを

あなたは耐えてくださっているのです

ああ、私の愛が、主よ

あなたの震(ふる)えと

慄(おのの)きを和らげ、

あなたを支えることが出来たなら

私はどんなに喜んで、

ここに留まることでしょう

第20番(26)【アリア】イエスのそばで目覚めていよう

《テノールⅠ、合唱Ⅱ、オーボエ》

歌詞:

私は、イエスのそばで

目覚めていよう

そうすれば、

わたしたちの罪は眠り、

消え入るだろう

私の死をイエスの苦しみは償(つぐな)い、

イエスの悲しみは

私を喜びに満たす

ゆえにイエスの尊き受難は、

まことに辛いが

しかし、

私たちにとっては甘美なものである

第21番(27)【レ】この苦杯を私から去らせてください

《福音史家、イエス》

歌詞:

そして、少し進みゆき、

地にひれ伏し祈って語った

「私の父よ、かなうならば、

この杯(さかずき)を私から去らせてください

されど、私の願いによってではなく、

あなたの御心(みこころ)のままに…」

第22番(28)【レ・ア】死の苦杯を飲み干そう

《バスⅡ、弦楽》

歌詞:

救い主が、

父の御前(みまえ)にひれ伏された

これにより主は、私

と全ての人を

我われの奈落の底から、

神の恩恵へと引き上げてくださった

主の心は定まり、

死の苦い杯(さかずき)を飲み干そうとしている

この世の全ての罪が注がれ、

悪臭を放つその杯を…

それは、

愛する神の定められたことだから…

第23番(29)【アリア】私も救い主の続いて飲もう

《バスⅡ、ヴァイオリン、通奏低音》

歌詞:

私は喜んで定めに従おう、

十字架と苦い杯(さかずき)を受け入れ、

私も、救い主にならって飲み干そう

なぜなら彼の口からは、

ミルクと蜜の流れ出る真実のものであり

すべての苦しみと屈辱は

最初のひと口で癒されるのだから…

第24番(30)【レ】一時も私とともに起きていられないのか

《福音史家、イエス》

歌詞:

そして、イエスが弟子たちのもとに戻ると、

眠ってしまっている彼らを見て言った。

「あなたたちは、

わずかな時も

私ととも目を覚ましていられないのか?

目を覚して祈っていなさい

誘惑に敗れることのないように

心は熱くあっても、

肉体は弱いものだから…」

イエスは、

再びあちらに戻り、祈りつつ言った

「わが父よ、

この杯(さかずき)を、

私から取り去ることを

お望みでないのでしたら、

私は杯を受け入れますので、

どうか、

あなたの御心がおこなわれますように…」

 

第25番(31)【コ】神は見捨てられることはない

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

私の神のお考えが、

いつの時にも行われますように

その御心そのものが、

善きものであるのですから…

わが父は、

信ずるものを常に救ってくださる

わが父を、

かたく信じる者たちを…

誠実なる神は、

私たちを苦しみから救い、

またほどよく、さとされる

神を信じ、

神に自分をゆだねる者を

神は、

お見捨てになることはない

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|イエスの逮捕|

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第26番(32)【レ】3度目の祈り

《福音史家、イエス、ユダ》

歌詞:

そして、イエスは、

弟子たちが眠っているのを見た

彼らの眼は、眠気でいっぱいであることを知り、

何事もなかったかのように、

再びあちらに向かい

3度目もおなじ祈り、

言葉を捧げた

そして、

イエスは弟子たちの所に戻り言った

ああ、

あなたたちはまだ眠り、

休もうとするのか

時は近づけり…

人の子は、

罪人たちの手に引き渡されようとしている

起きなさい、

さあ行こう。

見よ、私を裏切りし者は、

ぐそこにいる

 

そして、イエスがなお話しているうちに、

12弟子の一人、

ユダがやってきた

彼に従う、

多数の剣と警棒を携える衆、

祭司長や民衆の長老たちからの

遣いの者たちと共に来た

イエスを裏切ろうとするユダは、

彼らに合図を送る、

そう「私が口づけする者、

それがイエスである、彼を捕えろ」と…

ユダはすぐにイエスに歩み寄って言った

「あいさつを受けてください、先生」

そして、イエスに口づけをした

イエスはユダに言った

「わが友よ、

なぜあなたは来たのか?」

すると、人々が歩み寄り、

イエスに手をかけ捕えた

第27番a(33)【二重唱アリア】放せ、止めよ、縛るな

 《ソプラノⅠ、アルトⅠ、合唱Ⅱ、フルート、オーボエ、弦楽》

歌詞:

こうしてイエスは捕らわれた。

放せ、やめろ、縛るな!

心を痛めた月も光も

沈んでしまった

私のイエスが、捕

らわれてしまったから…

放せ、やめろ、縛るな!

放せ、やめろ、縛るな!

彼らは、イエスを連れて行く

そして、イエスは縛られて…

 

第27番b(33)【合唱】燃えさかる奈落を開け、おお地獄よ

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

稲妻と雷は、

雲の中に消えてしまったのか?

 火に燃えさかる奈落の扉を開け、

おお地獄よ!

打ち砕き、

滅ぼし、

飲み込み、

粉々にしてしまえ

激しい怒りをもって

いつわりの裏切り者!

人殺しの血統を!

第28番(34)【レ】剣を取るものは剣により滅びる

《福音史家、イエス》

歌詞:

すると、

弟子たちのひとりが、

手を伸ばした

大祭司の手下に向けて

切りかかり

彼の片耳を

切り落としてしまった

すると、

イエスはその弟子に言った

「あなたの剣(つるぎ)を、

鞘(さや)に収めなさい

剣を取る者は、

剣により滅びる…

それともあなたは、

私が父に願えば

12軍団を超える天使たちを、

送ってもらえることも

出来ないと思うのか?

しかし、

この聖書に書かれたことは、

このようなことで、

どうして叶うと思うのか?

それは、

成されねばならないことなのだ

 

またイエスは、

民に向かって語った

あなたたちは、

人殺しに対するように、

剣(つるぎ)と棒を持って、

私を捕えに来たのか?

私は、

いつもあなたたちに神殿において

かたわらにて座り、

教えていたのに…

お前たちは

私を捕えなかったではないか

しかし、

このようになったのは、

預言者の書き残した言葉が

成されるためである

すると、弟子たちは、

イエスを見捨てて逃げ去った

第29番(35)【コ】おお人よ、お前の罪の大きさを嘆け

《合唱Ⅰ/Ⅱ、リピエーノ・ソプラノ》

歌詞:

おお人よ、

あなたの罪の大いなることを嘆きなさい

それゆえにキリストは、

父のふところを離れ、

この地上に降りられたのだ

私たちを思い、

汚れなく、

清く優しい乙女より

この世に生まれ、

とりなしをしようとしてくださった

死した者には生命を与え、

病めるものには、

癒しを与えてくださった

この時まで…

彼は、

私たちのために犠牲となり、

私たちの罪の重荷を、

背負われた

十字架の上において、

長い間…

第30番(36)【アリア】今や私のイエスは去った

 《アルトⅠ、合唱Ⅱ》

歌詞:

ああ、

今や私のイエスは行ってしまわれた

あなたの恋人は、

どこに行ってしまったのですか?

おお、

女たちのうちで最も美しい者よ

私は、

イエスを見つることができるだろうか?

あなたの恋人は、

どこに向かったのですか?

ああ、

私の子羊は、

虎の爪にかかってしまった

ああ、

私のイエスは、

どこに行ってしまったのでしょう?

それでは、

私たちもあなたと共に彼を探しましょう

ああ、

私は、私自身の魂に

どう言ったらよいのでしょう?

その魂が、

私自身に

不安げに尋ねてきたとしたなら…

ああ、

私のイエスは、

どこに行ってしまわれたのか…と…

第31番(37)【レ】死罪の証拠、見つからず

《福音史家》

歌詞:

イエスを捕らえた人々は、

大祭司カヤパの所に、

イエスを連れて行った

そこには、

律法学者や長老たちが集まっていた

ペテロは、

遠く離れてイエスの後を追い、

大祭司の屋敷の中庭に行き、

手下たちのそばに座り、

事の成り行きを見ることにした

さて、

祭司長や長老たちと

会議の皆は、

不利な証拠を探し、

イエスを、

死罪にしようとしたが、

証拠は得られなかった

第32番(38)【コ】世の中は私を不当に裁いた

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

世の中はずる賢く、

そして不当に私を裁いた

嘘といつわりの言葉、

多くの網と秘密の罠によって…

主よ、この危機の中にあっても、

私を見守ってください

私を、

いつわりの陰謀からお守りください

第33番(39)【レ】イエスの沈黙

《福音史家、証人(アルト、テノール)大祭司(バス)》

歌詞:

また、

多くのまやかしを語る者が入ってきたが、

やはり彼らは、

証拠を見つけることができなかった

最後に、

まやかしを語る者2人が現れて語るには、

「イエスは『私は神殿を壊して、

3日で建て直せる』と言った」と…

大祭司は立ち上がってイエスに言った

「お前は何も答えないのか?

この者たちは、

お前に不利な証言をしているが…」

しかし、

イエスは沈黙を守ったままだった

第34番(40)【レ・ア】あわれみに満ちた、彼の御心が

《テノールⅡ》 

歌詞:

私のイエスは、

いつわりに対して、

沈黙を守っておられる

これにより、

私たちに教えてくださる

あわれみに満ちた、

彼のみこころが、

私たちのために、

受難を取られたことを

そして、

私たちが同じような苦しみに出会ったら、

イエスがなさったように

迫害の中でも、

沈黙を守るべきであることを…

第35番(41)【アリア】忍耐だ

《テノールⅡ》

歌詞:

忍びなさい、

そして耐え続けなさい…

たとえ、

いつわりの舌が私を刺しても

私は、

私自身に向けられた、

まやかしの罪に対する

はずかしめと、

あざけりの苦しみを受け入れよう

その時、

私の愛する神が

私の嘘のない心に、

報いてくださることだろう…

第36番(42〜43)【レ&合唱】お前は救い主、神の子なのか

《福音史家、大祭司、イエス、合唱》

歌詞:

すると、

大祭司が答えてイエスに言った

「生ける神の名において私たちに答えよ、

お前は救い主、神の子なのか?」

イエスは彼に言った

「あなたはそう言う

しかし、

私はあなた方に言っておく

これより後、

あなた方は、

人の子が全能の神の右に座り、

天の雲に乗って来るのを、

見るだろう」

すると大祭司は、

自分の服を切り裂いて言った

「彼は神を汚した、

これ以上の証拠は必要か!

どうだ、

今皆は彼が、

神を汚す言葉を聞いたはずだ

どう思う?」

人々は答えて言った

 

「この者は、死罪に値する!」

 

そして、彼らは、

イエスの顔につばきを吐きかけ、

拳(こぶし)や平手で彼を叩いた

何人かは彼に言った

「キリストよ、

当ててみろ!

お前を殴ったのは誰だ?」

 

第37番(44)【コ】あなたは全く罪人ではない

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

誰があなたを、

これほど打ったのですか?

私の救い主よ、

誰があなたを、

責め苦しませたると共に、

こんなひどい目に、

合わせたのですか?

あなたは、

罪人なんかではありません

私たちと、

その子らのような

罪人とは異なり

あなたは、

悪事というものを、

全く知らない方なのに…

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|ペテロのつまづき|

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第38番(45〜46)【レ&合唱】ペテロ、3度の否定

《福音史家、ペテロ、第1の下女、第2の下女、合唱Ⅱ》

歌詞:

ペテロは、

大祭司の屋敷の中庭に、

座っていたが、

ひとりの女が、

彼に歩み寄って言った

「あなたも、

ガリラヤのイエスと、

一緒にいたでしょう」

しかし、

ペテロはみんなの前で、

否定して言った

「私は、

あなたが、

何を言っているのかが

わからない」

ペテロが門まで出で行くと、

そこで、

 

別の女が彼を見て、

そこにいる人たちに言った

「この人も、

ナザレのイエスと一緒にいた」

それを、

ペテロは再び否定し、

誓って言った

「私は、

その人は知らない」

と…

さらに、そこにいた人々が、

取り囲んでペテロに言った

「確かにお前も、

イエス共にいた仲間のひとりだ

お前の、

そのなまりが証拠だ!」

そこでペテロは、

呪いの言葉を含みつつ、

誓いを始めた

「私は、そ

んな人は知らない」

その時、

ちょうど鶏が鳴いた

そこでペテロは、

イエスの言葉を思い出した

イエスはペテロに言った

「鶏が鳴く前に、

あなたは3度、

私を知らないと言うだろう」

そして、

ペテロは、外に出て、

泣きじゃくった

第39番(47)【アリア】あわれんでください、私の神よ

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 《アルトⅠ、ヴァイオリン・ソロ》

歌詞:

あわれんでください、

私の神よ

私の涙ゆえに…

私を御覧ください、

心も目も

あなたの前で、

泣き崩れています

第40番(48)【コ】今はあなたから離れても

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

今は、

あなたから離れても、

私は必ず、

再びあなたのもとに、

戻るでしょう

あなたの子が、

私たちを、

あがなってくださいました

彼が、

自らの悩みと死の苦しみによって…

私は、

罪を否定しません

しかし、

あなたの恵みといつくしみは

私たちの罪と比べ、

はるかに大きい

私の内に、

常にある罪よりも…

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|ユダの自死|

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第41番(49〜50)【レ&合唱】ユダの後悔と死

《福音史家、ユダ、第1と第2の祭司長、合唱Ⅰ》

歌詞:

夜が明けると、

全ての祭司長や、

民の長老たちは、

イエスの処分について話し合い、

彼を処刑することに決めた

そしてイエスを縛り、

彼を連行していき

総督ポンティオ・ピラトのもとへ、

渡した

同じころ、

イエスを裏切ったユダは、

イエスに、

有罪の判決が下ったことを知り、

後悔し、

祭司長や、

民の長老たちに、

銀貨30枚を返そうとした

「私は、

悪事を働いてしまった

罪のない人の血を、

売り渡したのだから…」

しかし彼らは言った

「私たちには、

関係ないことだ

お前自身で処分せよ!」

そこでユダは、

銀貨を神殿に投げ込み、

そこから立ち去り、

自ら首を吊って、

死を選んだ

祭司たちは、

銀貨を拾い上げながら言った

「この銀貨を、

神殿に納めるわけには行かない。

これは血塗られた金なのだから」

第42番(51)【アリア】私のイエスを私に返せ

《バスⅡ、ヴァイオリン・ソロ》

歌詞:

私のイエスを返してくれ!

見よ、

人殺しの報酬の金を、

救いのない息子は

お前たちの足元に、

金を投げ返したのだから…

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【裁判】第43番(52)〜第54番(63)

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|判決下る|

第43番(52)【レ】おまえはユダヤ人の王なのか

《福音史家、イエス、ピラト》

歌詞:

さて、

祭司長たちは話し合い、

その銀貨で、

陶器師の畑を買い取り

巡礼者たちの墓地とした

このことによって、

その畑は、

今日に至るまで「

血の畑」と呼ばれている

このようにして、

過去、預言者エレミヤが、

語った言葉は実現した

エレミアは語った、

「彼らは、

銀貨30枚を受け取り、

それは、

あるものの代金として支払われた

つまり、

イスラエルの子から買った対価だ

主が、

私に命じられたように、

彼らは陶器師の畑と引換えに、

銀貨を支払った」

 

さて、

イエスは総督の前に立っていた

総督はイエスに尋ねた

「お前がユダヤ人の王なのか?」

イエスは言われた

「あなたがそう言っている」

そして、

祭司長や長老たちから

イエスにたいする、

様々な訴えがなされた

しかし、

イエスは何も答えなかった。

そして、

ピラトはイエスに言った

「あのような訴えが、

お前には聞こえないのか、

彼らが、

いかに厳しくお前を訴えているかを?」

しかし、

イエスはピラトに何も答えなかった

それに対し、

総督も非常に不思議に感じた

第44番(53)【コ】天を治める方に

《合唱》

歌詞:

ゆだねよ、

あなたの行くべき道と、

あなたの心の患いを、

天を治めるお方にゆだねよ、

最も忠実なる守りで

そのお方は雲、

大気、

して風に、

進むべき道を、

示される

そして、

新しい道も、

示してくださることだろう

あなたの足が歩みゆく道をも…

第45番(54)【レ】バラバの赦免

《福音史家、ピラト、ピラトの妻、合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

さて、

祭の間となると、

総督には、

習わしがあった

民衆の望む囚人ひとりを、

釈放するというものだ

その時、ピラトのもとには、

ひとりの囚人がいた

彼は、

並み外れた悪事を働いた者で、

名をバラバと言った

ピラトは、

人々が集まっている時、

彼らに言った

「お前たちは、

私が、

どちらを赦免することを望むか?

バラバか?

それともイエスか?」

ピラトはわかっていた

彼らが、

イエスを渡したのは、

妬みによるものだと

 

また、

ピラトが、

裁判の席に着いている時に

ピラトの妻からの、

伝言を受け取った

「あの正しき人に、

関わらないでください

私は昨夜、

夢であの正しき人のために、

ずいぶんうなされました」

しかし、

祭司長や民の長老たちは、

民衆を説得した

そう、

バラバを許し、

イエスの処刑をうながすように…

総督は答えて

彼らに言った、

「お前たちは、

この2人の内、

どちらの釈放を望むのか?」

彼らは言った

「バラバを!」

ピラトは言った

「では、

救い主と言われるイエスの方を、

私はどうするべきなのか?」

彼らはこぞって言った

「十字架につけろ!」

と…

第46番(55)【コ】なんと驚くべき刑罰

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

なんと驚く罰で、

あることか!

良き羊飼いが、

羊のために苦しみを受け、

正しき人である主が、

しもべに変わって、

罪をあがなわれるとは…

第47番(56)【レ】彼はどんな悪事を?

《福音史家、ピラト》

歌詞:

ピラトが言った

「いったいこの男が、

どんな悪を犯したのか?」

第48番(57)【レ・ア】彼は良いことをしてくださった

《ソプラノⅠ、オーボエ・ダカッチャ》

歌詞:

イエスは、

私たちに、

たくさんの良い行いを、

してくださいました

目の見えない者に、

光を与え、

歩けない人を、

歩けるようにし、

私たちに、

彼の父である、

神の言葉を語り、

悪魔を追い払い、

悲しむ人をなぐさめ

罪人を受け入れ、

友とされました

それ以外のことは、

私のイエスは、

なさいませんでした

第49番(58)【アリア】愛ゆえに

《ソプラノⅠ、オーボエ・ダカッチャ、フルート》

歌詞:

愛ゆえに、

私の救い主は、

死のうとされています

主は、

罪ひとつ、

お知りでないのにです

それは、

永遠の滅びと、

裁きの罰が、

私の魂に、

及ばないように、

してくださるために…

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|仕打ち|

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第50番(59)【レ】私は責任を負わない

《福音史家、ピラト、合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

すると民衆は、

ますます激しく叫び続けた

「十字架に付けろ!」

ピラトは、

これ以上言っても、

無駄であり、

むしろ暴動が、

起きそうであることを感じ、

水を取り、

民衆の前で手を洗って言った

「この正しき人の血について、

私は責任を負わない

お前たちで、その責任を負え」

民衆全員が答えて言った

「彼の血の責任は、

私たちと子孫たちに来るがよい」

そこで、

ピラトは民衆に、

バラバの許すことを示した、

そして、

イエスを鞭打たせ、

彼を十字架に付けるべく、

引き渡した

第51番(60)【レ・ア】刑吏よ、止めろ!

《アルトⅡ》

歌詞:

神よあわれみたまえ!

ここに救い主は、

縛られ立っておられる

おお鞭打ち、

殴打、

傷!

死刑を執行する者よ、

止めろ!

お前たちの心は、

痛みを感じないのか?

こんな悲惨な光景を、

目にしても、

なぜ手加減をさせないのか

お前たちにも心はあるが、

れは拷問の柱のごとく、

いやむしろ、

それ以上に頑強なものなのだろう

あわれみを持ってくれ、

止めてくれ!

第52番(61)【アリア】涙が私の頬に流れ落ちなくても

《アルトⅡ》

歌詞:

私の頬に伝う涙が、

役に立たたなかったしても

おお、

私の心を、

お受け入れください!

しかし、

主の傷に、

血が流れたならば、

私の心を、

その血を受ける際の、

捧げものの器と、

なしてください!

第53番(62)【レ】いばらの冠をイエスの頭に載せ

《福音史家、合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

総督の兵士たちは、

イエスを総督官邸に引き連れ、

部隊の全員を、

まわりに集めた

そして、

イエスの服を剥ぎ取り、

朱色の上着を彼に着せ、

さらに、

茨の冠を編み、

それをイエスの頭に乗せ、

右手には葦を持たせ、

そして彼の前にひざまずき、

彼をあざけって言った

「ごきげんよろしゅう、

ユダヤの王よ!」

そして、

イエスに唾を吐きかけ、

葦を取りあげて、

彼の頭を叩き続けた

第54番(63)【コ】おお、御頭は血と傷と

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

おお、

血と傷とにまみれた御頭(みかしら)

痛みと、

はずかしめに、

まみれている

おお、

御頭(みかしら)には、

あざけりのために編まれた

茨の冠が、

載せられている

おお御頭、

いつもなら美しく、

気高くさと、

誇りとに、

飾られているはずが、

今は、

ひどくはずかしめを受けている

どうか、

私の心からの挨拶を、

受け入れてください

あなたの、

気高き御顔(みかお)よ、

いつもなら、

大いなる権威あるものすら、

恐れおののくはずなのに…

今、あなたは、

かくも唾を吐きかけられ、

青ざめていることか

あなたの眼は、

誰とも比べることのできない光

誰が、

こんなにもひどく損ねたのですか?

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【処刑】第55番(64)〜第68番(78)

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|ゴルゴダへと向かうイエス|

第55番(64)【レ】イエスの十字架を背負わせ

《福音史家》

歌詞:

彼らは、

このようにイエスを

はずかしめた後に、

上着を脱がせて、

元の服を着せた

そして、

イエスを、

十字架に付けるために、

連れて行った

兵士たちが外に出ると、

シモンというクレネ人に、

目にとめた

そして、

彼に強要して、

イエスの十字架を担がせた

第56番(65)【レ・ア】十字架を強いられ

《バスⅠ、フルート、ヴィオラ・ダ・カンパ》

歌詞:

そう、

私たちの血と肉こそを、

十字架に、

けなければならない

私たちの魂にとって、

良いものほど、

その味は、

苦くなるのだから…

第57番(66)【アリア】来たれ、甘い十字架

《バスⅠ、フルート、ヴィオラ・ダ・カンパ》

歌詞:

「来たれ、甘き十字架よ」と、

私は言おう

私のイエスよ、

それをいつでも負わせてください!

でも、

私の苦痛が、

あまりにも重い時には、

どうか、

私が背負うのを、

手伝ってください

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|十字架とイエス|

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第58番(67〜68)【レ】ゴルゴダの丘で

《福音史家、合唱》

歌詞:

そうして彼らは、

ゴルゴタという所、

そう、

されこうべの所に着た

そこで、

彼らはイエスに、

苦いものを混ぜた葡萄酒を、

与えようとした

しかし、

イエスはこれを舐めはしたが、

飲もうとはしなかった

兵士たちは、

イエスを十字架に付けると

イエスの服を、

くじ引きで分けた

それは、預言者によって、

言われたことが、

実現するためである

つまり、

「彼らは、

私の服を、

仲間たちで分け合い、

私の服を分けるについては、

くじを引いた」

という聖書の言葉

そして、

兵士たちは、

そこに座ってイエスを見張った

また、

イエスの頭の上には、

刑の罪状が書かれていた

すなわち、

「この者はユダヤの王イエスである」と…

そして、

2人の人殺しが、

イエスと共に、

ひとりは右に、

ひとりは左に、

十字架に付けられた

そこを通りかかった人々は、

イエスをあざけり

頭を振って言った

「神殿を打ち壊し、

3日で建て直す者よ、

自分を救ってみろ!

そして、

お前が神の子なら、

十字架から降りてこい!」

また、同じ様に祭司長も、

律法学者や長老らと一緒に、

彼をあざけって言った

「あの男は、

他人を救ったのに、

自分自身を救うことが出来ない、

あの男が、

イスラエルの王ならば、

今すぐ、

十字架から降りて来るだろう

そうすれば、

私たちは彼を信じてやろう

あいつは、

神を頼っているのだから、

神は今すぐ彼を救うだろう、

「私は神の子だ」

と宣言したのだから…

そして、

共に十字架に付けられた、

人殺したちも

イエスをののしった 

第59番(69)【レ・ア】呪われしゴルゴダよ!

《アルトⅠ、オーボエ・ダカッチャ》

歌詞:

ああ、

ゴルゴタよ、

呪われしゴルゴタよ!

栄光の主は、

ここにてあざけられて

ここで、

死なねばならないからだ

この世の祝福と、

救いをもたらす方は、

呪われて、

十字架に付けられる

天と地の創造主が、

大地と大気を奪われようとしている

罪なき人が、

罪を負わされて、

死にゆかねばならず、

それが私の魂を悲しませる

ああ、

ゴルゴタよ、

呪われしゴルゴタよ!

第60番(60)【アリア】イエスが手を広げて

《アルトⅠ、オーボエ・ダカッチャ、合唱Ⅱ》

歌詞:

見よ、

イエスが手を差し伸べて、

私たちを抱こうとなさる

「来なさい!」

「どこへ?」

「イエスの腕の中に…」

救いを求め、

あわれみを受けよ、

「求めよ!」

「どこに?」  

「イエスの腕の中に」

ここに生きよ、

ここに死ね、

そして、ここに憩(いこ)え、

あなたたち、見捨てられし雛たちよ、

「留まれ!」

「どこに?」

「イエスの腕の中に…」

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|イエスの死|

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第61番(71)【レ】闇が全地を覆い

《福音史家、イエス、合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

さて、

昼の12時に地には、

闇が覆い、

それが、

3時まで続いた

そして、

3時頃、

イエスは大声で叫んだ

「エリ、エリ、ラマ、ラマ、サバクタニ?」

それは、訳すと、

「わが神、

わが神、

なぜ私を見捨てられたのか?」

 

すると、

そこに居た者の何人かが、

これを聞いてこういう者もいた

「彼はエリヤを呼んでいるのだ!」

すると、

そのうちの一人が、

すぐに走りより、

海綿に、

すっぱいワインを含ませ、

それを葦の棒の先に付けて、

イエスに飲まそうとした

しかし、

他の者たちが言った

「待て!

本当にエリヤが来て、

彼を救うかどうかを見届けよう」

けれども、イ

エスは再び大声で叫ぶと共に息をひきとった 

第62番(72)【コ】いつか私が死ぬときも

 《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

いつしか私が死す時も、

どうか私から離れないでください

私が、

死の際に、

苦しむことがあったならば

どうか、

目の前まで来てください

この上ない不安が、

私の心を覆う時、

この不安から、

私をお救いください、

あなたが受けられた、

苦悩と痛みによって…

第63番(73)【レ】地が揺れ、岩が割れ

《福音史家、合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

すると、

神殿のたれ幕が真っ二つに、

上から下まで裂けた

地震により、

岩が裂け、

墓が開いて、

眠りについていた、

多くの聖者の体がよみがえり、

そして、

イエスが復活した後に、

墓を出て、

聖なる都に来たりて、

たくさんの民の前に、

その姿を現わした

そして、

百人隊長と、彼と共に居て、

イエスを見張っていた者たちは、

地震や、

その他の出来事を見て、

おののきながら語った…

「本当にこの人は、

神の子であった」

また、

大勢の女たちが、

遠くから見ていた

彼女たちは、

ガリラヤから、

イエスに付き従って来て、

イエスと共にあり、

世話をしてきた女たちである

その中には、

マグダラのマリヤ、

ヤコブとヨセフの母マリヤ、

そして、

ゼベダイの子らの母もいた

夕方になって、

アリマタヤ人の金持ちの、

ヨセフという人が来た

このひとも、

かつてはイエスの弟子だった

ヨセフは、

ピラトの所に行って、

イエスの遺体を、

渡してもらえるよう願い出た

そこでピラトは、

イエスの遺体を、

渡すように命じた

第64番(74)【レ・ア】イエスが十字架を果たされた

《バスⅠ》

歌詞:

夕暮れの、

涼しくなった頃、

アダムの罪は、

明らかになった

夕暮れに、

救い主はそ、

の罪を克服された

夕暮れに、

鳩がふたたび戻り、

口に、

オリーブの葉をくわえて、

やって来た

おお、

美しき時!

おお、

夕暮れ時よ!

平和の約束は、

今や神と結ばれた

イエスが、

十字架を全うされたからだ

イエスのお体は、

今、

やすらぎの時につかれた

ああ、

愛する魂よ、

願うがよい、

行って、

死せるイエスのお体を、

もらい受けるがよい

おお、

私達に救いを、

持ち来たらされた尊い形見よ

第65番(75)【アリア】私の心よ、自ら清めよ

《バスⅠ》

歌詞:

私の心よ、

自らを清めよ、

私の心のうちの、

イエスを、

お墓に葬ろう

イエスは、

今や私の心の内にて、

永遠に甘い安らぎに、

付かれるのだ

この世を出て、

イエスをお迎えください

第66番(76)【レ】よみがえりの予言

《福音史家、ピラト、合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

ヨセフは、

イエスの遺体を受け取ると、

きれいな亜麻布に包み、

自分の新しい墓に横たえた

岩を掘らせて作ったもので、

墓の入り口には、

大きな石を転がしておいて、

そこを去った

そこには、

マクダラのマリヤと

もう一人のマリヤが残って、

墓の方に向かって座った

次の日、

つまり、準備の日の翌日、

祭司長やパリサイ人たちが、

全員そろって、

ピラトのもとにやって来て言った

「総督、私たちは思い出しました

人を惑わすあの者が、

生前こう言っていました

『私は3日後によみがえるだろう』と…

そこで、

どうか命令してください

3日後まで墓を見張るように…

そうしないと、

あの者の弟子たちが、

遺体を盗んで民衆に訴えるでしょう、

『彼は死者の国よりよみがえった』と…

そうなると、

民衆への惑わしは、

以前よりひどいものになるでしょう…」

そう訴える彼らに、

ピラトは言った、

「番兵を出そう、

納得の行くまで墓を見張るとよいだろう」

彼らは墓に向かい、

番兵と共に、

石に封印し墓を見張った

 

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|嘆きと悲しみ|

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第67番(77)【レ・ア】私のイエスよ、お休みください 

《バスⅠ、テノールⅠ、バスⅠ、ソプラノⅠ、合唱Ⅱ》

歌詞:

今や主は、

眠りに付かれました

私のイエスよ、

お休みください

私の罪が、

主にもたらした苦しみは、

終わりました

私のイエスよ、

お休みください

おお、

聖なるなきがらよ、

そうかご覧ください、

私が、

どんなに後悔の思いから、

嘆き苦しんだかを…

私の堕落が、

あなたに、

このような苦しみを、

もたらしてしまったのです

お休みください

命ある限り、

あなたの受難に、

多くの感謝を捧げます

あなたは、

私の魂を救うことを

これほど、

大事にしてくださったのですから…

私のイエスよ、

お休みください

第68番(78)【合唱】私たちは涙に暮れ

《合唱Ⅰ/Ⅱ》

歌詞:

私たちは、

涙と共にひざまずき、

墓に眠りし、

あなたに呼びかけます

お休みなさい安らかに…

安らかに、

お休みくださいと

お休みください、

傷つき疲れ果てたお体よ

お休みなさい、

安らかに…

存分にお休みください

あなたのおられる、

墓と墓石こそ、

悩めし良き心には

心地の良い、

やすらぎの寝床…

そして、

魂のやすらぎの場でも、

あるのです…

お休みなさい…

安らかに、

お休みなさい…

安らかに、

この上なく満ち足りて、

この眼はまどろむことでしょう…

 

 

 以上、

  • 逮捕
  • 裁判
  • 処刑

というトピックに分けて歌詞を解説させていただきました。

 

ただ、ここでひとつお伝えしておきますと、本来のバッハ《マタイ受難曲》は「楽曲全体を2部に分ける」という形になります。

 

つまり、

  • 第1部|第1番(1)〜29番(35)
  • 第2部|第30番(36)〜第68番(78)

という構成です。

本記事では、わかりやすくお伝えするために便宜上、トピックで分けさせていただきました。

あしからずご了承くださいませ。 

【3枚の名盤の感想と解説】バッハ《マタイ受難曲》

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リヒター:指揮 ミュンヘンバッハ管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

  • 厳かで
  • 礼儀正しく
  • ていねい…

そんなバッハ《マタイ受難曲》の歴史的な名盤です。

厳しくもあり、しかし端正さをも失わないその音楽は、バッハ《マタイ受難曲》の到達したひとつの境地とも言えそう。

そんな名盤でもあります。 

グルタフ・レオンハルト:指揮 ラ・プティット・バンド管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

楚々とした、清らかで美しい響きの中に誠実さが感じられる名盤です。

ことさら感情的に、音楽を運ぶことはなく淡々としていながら全編に優しい光がチラリチラリと降り注いでいます。

それをより引き立てているのがボーイソプラノと少年合唱団です。

「幼子のような心でなければ天国の門は開かない」

そんなイエスの言葉を体現したような名盤とも言えそう…。

また、いい意味で飾り気が全く感じられず、バッハ《マタイ受難曲》に真摯に向き合った名盤だと感じますね。 

トン・コープマン:指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

トン・コープマンの持つ「素朴な味わい」は健在です。

アルトの声質がイマイチな気もしますが、全体としては本来バッハの音楽の持つ良さ。つまり「虚飾のなさから醸し出される美しさ」を存分に引き出した名盤です。

アルパカ個人としても聴く機会の多い名盤のひとつ…。

素直で気取らない、そんなバッハのすばらしさを再確認したい時にも聴きたい名盤でもまたあるのですね。 

 

 

【まとめ】バッハ《マタイ受難曲》

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さて、バッハ《マタイ受難曲》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

  • 重厚であり、
  • おごそかであり
  • また静謐(せいひつ)でもある

そして、演奏にも、3時間近い時間を必要とするバッハの大作であり、名曲中の名曲です。

「宗教的な部分が、とっつきにくい」と感じる方も多いとは思います。

けれども、じっくりと腰を据えて聴き込むと「日常では決して感じることの出来ない神聖な世界観を垣間見る思い」が湧いてくるかもしれません。

 

楽曲自体が2部構成になっていますので、2日に分けて聴いたり、今回紹介したトピックを3つに分けて3日かけて聴くのもアリかも…。 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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