アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

春に聴きたい【おすすめクラシック15選】ピアノと合唱、オーケストラ

ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》【解説と名盤3選】

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迫りくる

ナチスの悪魔!

音楽で、抗(あらが)わん!!

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登る、登る、登る!

ボレロ…いやいや、ボレロ(的)な盛り上がり!!

 

さて、今回は、壮大でドラマチック

 

そして、長大な交響詩的名作、ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》

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ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》のこんな解説があります。  

F:《第7》の第1楽章はとても有名ですわね。M:そう、小太鼓のリズムにのって、ラヴェルの《ボレロ》のように盛り上って行く展開部がね。(中略)M:《レニングラード》という副題が示す通り、(第二次世界大戦の)独ソ戦の間の、29ヶ月にわたったといわれるレニングラード攻防戦を描いた曲で、戦争画という領域があるのだから、戦争交響曲といってもいいのじゃないかな。F:ショスタコの交響曲中、最大規模のものといわれますね。M:この長大さに、攻防戦を耐え抜いた300万市民の気持がよく表われていると思いませんか?

出典:諸井誠 著 「交響曲名曲名盤100」P206より引用

作曲の背景を解説

1941年9月、ナチスドイツ軍に包囲されるレニングラード

ソビエト連邦における第二の都市であったレニングラードは、兵器を生産する拠点でもあったことからドイツ軍の執拗な攻撃を受けます。

一方ソビエト連邦側としても大都市レニングラードを護るべく徹底抗戦の姿勢を崩しません。

日に日に廃墟と化していくレニングラード、そして補給を絶たれ深刻な食糧不足に陥り餓死していくレニングラードの市民たち。

その結果、第二次世界大戦としては最多と言われる67万人の死者を出しますが、これは公式の数字であって実際は100万人を超えたのではないかとも言われています。

当時のレニングラードの人口が319万人と考えられていますので、どれほど激しい戦いだったかがうかがえます

この最中、1941年9月17日、祖国レニングラードを愛するショスタコーヴィチはラジオ放送で語っています。

レニングラードこそは我が祖国

我が故郷、

我が家、

生まれ育った街並み、

愛しい大通り、

一番美しい広場、

建物への愛情を抱いていることでしょう

Wikipediaより抜粋

 

日々、ナチスドイツ軍の攻撃による惨劇の度合いが増すレニングラードと、これに対するソビエト連邦の抵抗姿勢を交響曲として作曲することを宣言したのでした。

それが交響曲第7番《レニングラード》であるわけです。

 

また、当時はソビエト共産党の芸術家に対する監視は厳しく、音楽家であるショスタコーヴィチもその例外ではありませんでした。

そのためソビエト共産党とレーニンを讃える内容の意見や芸術を発表していました。

しかし、1970年代に晩年のショスタコーヴィチは本音を語り始めます。

つまり、交響曲第7番《レニングラードはナチス・ドイツに踏みにじられたという意味があることは前述ました。しかし、それとともに実は「レーニンによっても踏みにじられたのだ」という意味のことも語ったのです。

このショスタコーヴィチが自身の交響曲に意味を含めるという行為は交響曲第5番《革命》においても成されています。

 

交響曲第5番《革命》に隠された意味についてはコチラの記事へ

www.alpacablog.jp

 

初演:1942年3月5日(3月29日説もあり)

クイヴィシェフにて

指揮:サムイル・サモスード

ボリショイ劇場管弦楽団

編成:

弦5部、ピッコロ×1、フルート×2(2番はアルトフルートも兼任)、オーボエ×2、コールアングレ×1、クラリネット×計2、小クラリネット×1、バスクラリネット×1、ファゴット×2、コントラファゴット×1、ホルン×4、トランペット×3、トロンボーン×3、チューバ×1、ティンパニ、トライアングル、タンバリン、小太鼓、シンバル、大太鼓、タムタム、シロフォン、ピアノ、ハープ×2

 

【各楽章を解説】ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》

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それでは、各楽章について解説します。

ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

ちなみにショスタコーヴィチ自身は各楽章に副題をつけています。

第1楽章:戦争

第2楽章:回想

第3楽章:祖国の大地

第4楽章:勝利

第1楽章 アレグレット《戦争》

冒頭の解説にもありましたが、交響曲第7番《レニングラード》の第1楽章には、まるでラヴェルの《ボレロ》を思わせるような部分があります。

「《ボレロ》の真似だ!」


そう言われることは百も承知のショスタコーヴィチ。

しかし、

 

「僕には戦争はこのように聞こえるんだ」

 

実際にはその壮大で勇ましい曲想はショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》の聴かせどころにもなっています。

そして、ショスタコーヴィチらしい個性が爆発していてラヴェルの《ボレロ》の真似であるとの意見すらもぶっ飛ばされるほどの迫力があります。

ちなみにこの部分はずいぶん昔になりますが栄養ドリンクの宣伝で「ちちんぷいぷい」というキャッチーなフレーズで有名になりました。

そのCMキャラクターをアーノルド・シュワルツェネッガーが採用されていたことが驚きです。

 

第2楽章 モデラート・ポコ・アレグレット《回想》

牧歌的でありながら、どことなく悲哀感のある楽章です。

途中、激しく鳴り響く楽器群はあきらかに「戦争」を思わせますがこれは「回想」のなかの戦争です。

最後はなんとも不可思議な雰囲気で楽曲は終わっていきます。

 

第3楽章 アダージョ《祖国の大地》

ゆったりとした曲調で始まりますが様々な変化が加わっていきます。

ショスタコーヴィチ自身はこの第3楽章を交響曲第7番《レニングラード》の中心部分と考えていたようで崇高なコラール(賛美歌)を思わせるような雰囲気も持っています。

 

第4楽章 アレグロ・ノン・トロッポ《勝利》

第3楽章から引き続いて暗くて重い雰囲気で始まります。

音楽は沈みながら、時には盛り上がり、すると再び沈みを繰り返しながらドラマチックに展開します。

しかし、最後は徐々に勢いを増していき、全ての楽器が勝利を思わせるように咆哮し感動的に幕を閉じていきます。

 

【名盤3選の感想と解説】ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》

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エフゲニー・スヴェトラーノフ:指揮 スウェーデン放送交響楽団 

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

ロシア人スヴェトラーノフの、

燃える!名盤…!!

猛り狂うスネアのリズムに乗り…

踊りまくる弦楽器。

泣き叫ぶ管楽器。

う、戦争交響曲♫

レニングラードを襲うナチス・ドイツ。

立ち向かうソビエト軍と、その勝利のドラマを彩る風景が音楽を通して展開します!

 

レナード・バーンスタイン:指揮 シカゴ交響楽団 

 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

熱き、レニーの名盤、ここにあり!

スヴェトラーノフの炎に対抗し、戦いを挑むはユダヤ人、レナード・バーンスタイン!!

いや、スヴェトラーノフとは戦わない!!

むしろスヴェトラーノフは同士!

ユダヤ人敵、ナチスなぎ倒せ!!

スヴェトラーノフの炎と、バーンスタインの熱い鼓動を聴き比べ!

 

スヴェトラーノフの感性強めの名盤と、バーンスタインの知性を織り込んだバリッと決まってカッコいい名盤のどちらを選ぶか?

好みによりますがどちらも熱烈名盤であることは間違いありません。

 

パーヴォ・ヤルヴィ:指揮 ロシアナショナル管弦楽団 

 

 

 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

さて、スヴェトラーノフの「感性」と、バーンスタインの「知性」ときたらヤルヴィの「理性」満開の名盤を紹介しないでは終われません。

良い意味ではじけすぎない紳士的な礼儀正しさや優しさのようなものが感じられます。

それなのにこの力強さはなぜなのでしょう。

全体を折り目正しく演奏しているため「ここぞ」という爆発の際に、強い主張が無くとも落差があるため迫力を感じるのでしょうか。

今回紹介した中では録音が最も新しいのも嬉しいところですね。

 

【まとめ】ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》

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さて、ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

  • 迫りくる
  • ナチスの悪魔!
  • 音楽で、(あらが)わん!!

そんな音楽家であり芸術家、ショスタコーヴィチの隠された反逆の精神を宿した名曲交響曲を解説してきました。

 

ああ、毎日が単調でツマラナイ、しかも現代のナチスとも言える「コロナの攻撃」は長引くばかり…。

 

よし、ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》を聴いて、日頃のストレス吹き払おう!!

 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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