朗らかに
高らかに響く
さわやかソナタ♫
明るい調性ニ長調!
楽しく軽やかモーツァルト!
さて、今回はモーツァルトらしさ満開のニ長調のモーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番の解説とおすすめ名盤を紹介です。
注:モーツァルト:ピアノソナタ「第9番」という表記は旧モーツァルト全集での番号になります。本記事では新モーツァルト全集としての「第8番」との表記は(8)と付記しています。
- 【解説】モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番
- 【各楽章を解説】モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番
- 【名盤2選の感想と解説】モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番
- 【まとめ】モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番
【解説】モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番
モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番についてのこんな解説があります。
曲は3楽章からなる調性的にも明るい性格をもった作品であり、軽やかな面もみせているが、そうしたこのソナタの書法の中に、マンハイムからの影響よりも、ザルツブルクのスタイルの方が支配的であるとする見方も強い。
1777年の秋から就職活動のためモーツァルトは母とともにマンハイムへと赴きます。
このマンハイム滞在中に3曲のピアノソナタを作曲します(第7番、第8(9)番 、第9(8)番)。
ただピアノソナタ第9番はそれより以前(1774年)、ミュンヘン旅行の際に書き始められてはいたようです。
依頼はフォン・フライジンガー家の令嬢であるヨゼファからのものでしたが途中作曲が中断されていたものをマンハイム旅行中に完成させた形でした。
同じ頃、モーツァルトの関心は当時注目し始められていたフォルテピアノに向かっていました。
当時主流だったチェンバロと違って音の強弱をコントロールできて細やかなニュアンスが表現できるようなった鍵盤楽器でした。
そのためモーツァルトの創作意欲も高まっていたのでしょうか、次々と3曲のピアノソナタ(第7番、第8(9)番 、第9(8)番)を作曲しています。
【各楽章を解説】モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番
それでは、各楽章について解説します。
モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。
第1楽章 アレグロ・コン・スピリート(活き活きと速く)
とてもシンフォニックに展開する第1楽章です。
モーツァルトらしい朗らかさを含んだ明るさが特徴の曲で、聴いていてワクワクしてきます。
全曲を通して音楽に影を落とすことなく駆け抜けていくモーツァルトらしいニ長調です。
第2楽章 アンダンテ・コン・エスプレッショーネ(感情をこめてややゆっくりと)
ゆったりと情感を込めた優美な楽章です。
若い頃のモーツァルトの緩徐楽章の中でも、とくに旋律が優しく流れていくことが特徴的です。
第3楽章 ロンドー:アレグロ(速く)
第1楽章の底ぬけな明るさからは離れます。ひととき影もおとしますが全体としては明るく展開していくロンドです。
ある意味「変化に富んでいる」と言える良さがあるのが第3楽章です。
【名盤2選の感想と解説】モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番
イングリット・ヘブラー:ピアノ
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アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
あくまでも朗らかに、どこまでも純粋に、そして全曲を通して柔らかく流れる名盤です。
そして、イングリット・ヘブラーの演奏する初期の頃のモーツァルトのピアノソナタはどこまでも素晴らしい。
イングリット・ヘブラーのモーツァルトのピアノソナタ全集は2種類ありますがどちらも素晴らしい名盤なので迷います。
ただ、どちらかと言いますとモーツァルトの若い頃のピアノソナタでしたらイングリット・ヘブラーの若い頃の名盤がおすすめかもです。
いくらか変化に富んでいる表現がされていて、キラリと光るひらめきのようなものをその音から感じます。
もし録音の良さを重視するのでしたら、新しい録音の方を選ぶほうがいいですね。
ウラディーミル・アシュケナージ:ピアノ
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アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
第1楽章の駆け抜けていくようなフレッシュさと華やかさが印象的な名盤です。
また第2楽章の抒情的で美しいピアノの歌が美しい名盤でもあります。
そして、第3楽章はコロコロとはずむようなピアノの音のひとつひとつが粒立っていて心を打ちます。
繊細な語り口の優しいモーツァルトと言えそうな名盤です。
【まとめ】モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番
さて、モーツァルト:ピアノソナタ第9(8)番の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- 朗らかに
- 高らかに響く
- さわやかソナタ♫
若いモーツァルトのはじけるような感性の光る名曲ピアノソナタです。
同じ頃に作曲された3曲のピアノソナタ(第7番、第8(9)番 、第9(8)番)も合わせて聴くと当時モーツァルトの移り変わる心境なども伺いしれて興味が尽きませんよ。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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