アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番【解説と名盤3選|感想】

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むせび泣くには

声もなく…

ただその音のひとしきり

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  • パリでの母の死…
  • 深い悲しみ
  • 歌う、ピアノ

 

さて、今回は、モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番

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モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番についてのこんな解説があります。  

モーツァルトには、(中略)短調は珍しい。ところがまたモーツァルトの短調には本物の傑作が多いのだ。(中略)

うっかりするとこの曲は、抒情に溺れるか、情緒に押し流されるかして、やたらに刺戟的な、悪趣味な演奏に引きずられるのだが、それは絶対に駄目である。クールになりすぎてもいけないし、堂々としすぎても感じ悪いし…

出典:諸井誠 著 「ピアノ名曲名盤100」P38より引用

 

ピアノソナタ第8(9)番を作曲のころ、モーツァルトは新たな職探しのためにパリに滞在していました。

 

折しもパリは、フランス革命前夜といってもいい政情にあり、職探しは上手くいきません。

 

さらに旅行に同行していた母を亡くすというアクシデントに見舞われたモーツァルト。

ピアノソナタ第8(9)番は、この「母を失った悲しみ」が反映しているのではないかと言われています。

 

ただ、解説にもありますように演奏の際、

  • 抒情に溺れたり
  • 情緒に押し流されても
  • クールになりすぎても

 

「絶対に駄目」…とのこと…。

 

まさしく名言です。

 

モーツァルトの音楽には音符がそれほど多くはないですが、それに反比例するかのように、込められている

 

  • 感情
  • 思い

の多さには、いつもビックリさせられます。

注:モーツァルト:ピアノソナタ「第8番」という表記は旧モーツァルト全集での番号になります。本記事では新モーツァルト全集としての「第9番」との表記は(9)と付記しています。

【各楽章を解説】モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番

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それでは、各楽章について解説します。

モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

第1楽章 アレグロ・マエストーソ(堂々と速く)

心は、まるでガラスのよう…

目には見えぬし、さわれない

それでも叩かれ、ヒビ入る

そんな時には見えてくる

そのクモの巣状に美しく…

なのに苦しく辛すぎる、

痛い感情、らせん柄(がら)…

 

ザルツブルクで職を失ったため、パリへとやってきたモーツァルト。

そんな旅を、共にしてくれた母アンナの死。

 

厳格なモーツァルトの父の性格を、バランス良く補うような「朗らかで屈託のない性格だったという母アンナ」。

 

モーツァルトには珍しく短調の暗い曲なのは、何も母の死が影響したわけではないという説もあります…。

 

しかし、事実はどうあれ、確かに見えてくる(聴こえてくる)のは透明感をともなった痛みの感情のように思えます。

 

第2楽章 アンダンテ・カンタービレ(歩くような速さで歌うように)・コン・エスプレッシオーネ(表情豊かに)

ふと、第1楽章の悲しみを忘れてしまったかのような、

  • 優しく
  • おだやかで
  • そよ風のよう…

そんな楽章です。

なごやかで静かな息を繰り返しながら眠る、そう、まるで生まれたての赤子のような、やわらかくも無邪気な眠り…。

そんな印象の1曲です。

第3楽章 プレスト(きわめて速く)

おだやかな第2楽章を終えると、再び現れる…痛み…。

第1楽章を超える激情を秘めつつ展開する第3楽章。

運命に打ちひしがれながらも、わずかな力を振りしぼって歩き出していく人の様を思います。

 

向かい風は

  • 強く
  • 激しく
  • 行く手をはばむ

それでも一歩を踏み出していく、そんな強さをともなった意志を持った楽章です。

 

【名盤3選の感想と解説】モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番

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イングリット・ヘブラ−:ピアノ

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

冒頭の解説にありましたようにモーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番は

  • 抒情に溺れ
  • 情緒に押し流されて

刺激的で悪趣味なものになっては「絶対に駄目」なので、そんな基準で選ぶならこの名盤一択です。

そう、生粋のモーツァルト弾きイングリット・へブラーの名盤です。

ヘブラーによるモーツァルトピアノ・ソナタ全集には2種ありますがその1960年代のフィリップス盤のほうが、アルパカのとくによく聴くオススメ盤です。

淡々とした味の中にモーツァルトの音楽が持つ、

  • 柔らかさ
  • まろやかさ
  • あたたか味

が感じられて嬉しい名盤なのです。

とくに、抒情や情緒をことさら表出することなくとも、こんなに印象的な演奏ってありえるのだということを教えてくれます。

フレッシュで香り豊かな要素を兼ね備えたモーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番を聴きたいときにいい名盤でもありますね。

内田光子:ピアノ

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アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【名盤の解説】

モーツァルトのピアノソナタは女流のピアニストで聴くことが多いのですが、内田光子のモーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番も美しい。

音の一粒一粒がキラキラしていながら眩しすぎることもなくて心地いい名盤です。

テンポは速めで駆け抜け疾走していくようなのスマート系の演奏。

ヘブラーの落ち着いた雰囲気とは逆の表現ですが、違った意味での洗練された心地よさが感じられますね。

ワルター・ギーゼキング:ピアノ

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

少しクールに傾きすぎな感じはありますが「これぞモーツァルトのピアノソナタの演奏の模範」と言われるくらいの超名盤です。

ただ作曲当時の最愛の母を失くしたモーツァルトの心情はこんな寒くて凍えるようなピアノソナタ第8(9)番が流れていたのかも…。

名盤がありすぎて迷うし、どの名盤から聴けばいいのかがわからない…。

そんなときは「まずはギーゼキングの名盤から聴いてみる」という選択はアリですね。

ただ、難点としては録音がモノラルということはあります。

ぜひ一度は聴いてみたいモーツァルトのピアノソナタのデフォルト的な名盤でもあります。

 

 

【まとめ】モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番

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さて、モーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

最愛の人との突然の別れ、しかも就職活動が上手く行かずに悶々としている時に襲った不幸なのですからモーツァルトの悲しみはいかばかりであったことでしょう。

 

様々な感情が織りなす心の物語が生み出されるものが芸術と言えそうですが、このモーツァルト:ピアノソナタ第8(9)番もそんな1曲と言えそうです。

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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