アルパカと聴く幸福なクラシック

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サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》【解説と名盤3選|感想】そのシンメトリーの美しさ!

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壮大なオルガン!

シンメトリーの美!

炸裂す!!

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光を放つ!

その見事なシンメトリーの美の極地!

 

そう、

  • 第1楽章と第2楽章
  • オルガンと管弦楽

その左右対称の美しさ

 

さて、今回は、サン・サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》解説とおすすめ名盤を紹介です。

 

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》

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サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》についてのこんな解説があります。  

サン=サーンスは、若いころ、オルガニストとして最高の地位といわれる、パリのマドレーヌ寺院のオルガニストをつとめていた。彼がのちに、この交響曲に壮麗なオルガンを加えたのは、彼自身がそのようにオルガンの名手だったからである。サン=サーンスが51歳の時(1881年)に書き上げたこの曲は、彼が尊敬したリストに捧げられている。

出典:志鳥栄八郎 著 「新版 不滅の名曲はこのCDで」P60より引用

 

まさしくオルガンの性格や特性を熟知していたサン=サーンスだからこそ作曲しえた名曲と言えそうです。

 

また、交響曲第3番《オルガン付き》に対するサン=サーンス自身の言葉として、

 

「この曲には私が注ぎ込める全てを注ぎ込んだ」

 

とのことで、その言葉の通り、

  • 華麗なピアノ
  • 荘厳なオルガン
  • 艶(あで)やかな管弦楽

で彩られています。

 

またこのサン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》には2つの要素が隠されていると感じます。

 

それが、

  • シンメトリー(左右対称)の美と、
  • 循環の美

です。

 

シンメトリー(左右対称)とは第1楽章と第2楽章のシンメトリーのこと

そう、両楽章とも「前半」と「後半」の2つに分かれていて、そのどちらもが

  • 「前半」が純粋な管弦楽の曲であり
  • 「後半」が管弦楽にオルガンが加わる

という形になっているのです。

 

さらに全曲を通して、ひとつの旋律が各楽章に散りばめられつつ統率がとられています。

この旋律はグレゴリオ聖歌の中の《ディエス・イレ(怒りの日)》からの引用であり、これが全曲を通して循環するのです。

 

さらに、前述した「シンメトリーの美」は、オルガンという楽器のビジュアルにも通ずるようにも感じるのは私、アルパカだけではないのでは?

 

そう、あの壮麗な響きを象徴するような「シンメトリーを構成するオルガンの姿の美しさ…」

 

今、天国のサン=サーンスさんに、あらためておたずねしたいことがあります。

 

それが、

 

「あの…サン=サーンスさん、交響曲って本来4楽章形式ですよね?」

「そこで質問です。交響曲第3番《オルガン付き》を4楽章に分けずに、あえて2楽章形式にしたのは、もしかしてシンメトリーを意識したためですか?」

 

【各楽章を解説】サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》

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それでは、各楽章について解説します。

サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》は第1楽章と第2楽章の2曲で成り立っています。

そして、さらに第1楽章と第2楽章も2曲(前半と後半)で成り立っています。

第1楽章(前半)
アダージョ:アレグロ・モデラート(ゆっくりと:ほどよく速く)

雨もよう、そのいつもより暗めの朝は明けて…。

サラリ

サラリ

サラリ…

そぼ降る雨のようなさみしさをたたえた始まり…。

それがサン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》のイメージ…。

そのさみしさは胸のざわめき、鼓動に姿を変えながらの第1主題となります。

そう、グレゴリオ聖歌《ディエス・イレ(怒りの日)》の音形をたどるのです。

その後もサン=サーンスらしい旋律の美と感性を伴った盛り上がりを見せつつ、そのまま後半へと移行していきます。

第1楽章(後半)
ポコ・アダージョ(ほどよくゆっくりと)

祈り…。

そう、

  • 静寂
  • 安らぎ
  • 揺らぐことのない心…

そんな「優美な管弦楽」に「包み込むようなオルガンの歌」が加わり、サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》の癒やしの楽章の後半は展開します。

 

「静けさ」という名のやすらぎ、まるで凪いだ湖面がキラリキラリと放つ光のよう…。

それは、決してまぶしすぎる光ではなく柔らかくも美しい光…。

不安な心を落ち着けて、揺らぐ心を鎮める、そんな癒しのメロディ、ハーモニー…。

第2楽章(前半)
アレグロ・モデラート:プレスト(ほどよく速く:きわめて速く)

通常の交響曲で言うところのスケルツォ楽章なだけあって、とても力強くまたノリのいい1曲です。

弦楽器、管楽器、ティンパニは元気に高らかに鳴り響き、ピアノも軽やかに歌います。

第2楽章(後半)マエストーソ:アレグロ

バアアアアアアアアン…♫

ジャジャジャジャジャジャ、

ジャアアアアアアアン♫

 

いきなり歌い出すオルガン!!

 

  • 勇ましく!
  • 厳かに!
  • そして、壮大に!

 

さらに、

 

  • 強く
  • 鋭く
  • けたたましく

胸いっぱいの喜びのバイブレーションを込めて展開する、

サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》のフィナーレにして、

 

聴かせどころ!

 

管弦楽オルガンによる

美のシンメトリックの集大成!!

 

全楽器、壮麗に

 

咆哮す!!

 

そんな感動の展開を見せ(聴かせ)つつ、

 

「シンメトリックビューティー♫」

 

サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》という楽曲は深い余韻を残し、終わってゆくのです。

 

【名盤3選の感想と解説】サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》

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ダニエル・バレンボイム:指揮 シカゴ交響楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

迫力重視!!

でしたら、この名盤!

 

録音からして凝っています。

そう、管弦楽とオルガン、別々に録音しているです。

 

オルガンの録音は世界一美しく壮麗なフランスのシャルトル大聖堂。

盲目のフランス人オルガニスト、ガストン・リテーズの演奏です。

 

管弦楽の録音はシカゴのメディナ寺院。

こだわりの達人集団、シカゴ交響楽団を情熱的にドライヴするは指揮者バレンボイム!!

 

 

クラシック音楽の壮大な曲であればあるほど「録音の限界」という壁は出てきます。

その意味で、このバレンボイム指揮の名盤は、管弦楽とオルガンの音のバランスが優れています。

それがこの録音を行う上でのこだわり。

オルガンの録音がシャルトル大聖堂であれば、管弦楽の録音はその残響を合わせるべく寺院にて行っています。

この名盤は、録音バランスのために管弦楽の音の魅力が減じることはなく、また逆にオルガンの音が沈みこむということもありません。

少し技術的で作為的な面は感じるにせよ、この名盤は中々の出来栄えであり「素晴らしい」のひとことがピッタリですね。

シャルル・ミュンシュ:指揮 ボストン交響楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【名盤の解説】

あたたか味や柔らかさがあって聴きやすい名盤です。

豪快さという意味では少し足りない気もしますが、押しが強すぎても聴いていて疲れます。

意外とこういう演奏こそが、バランスの良いサン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付》のであっって理想形なのかもしれません。

弦楽器の語り口のようなものは古さを感じるかもしれませんが、その古さ自体は心地いいものでオルガンの柔らかい歌に合っているように思います。

ぜひバレンボイム指揮の名盤や、この後紹介するデュトワ版を聴いた後で聴き直すとミュンシュ指揮のこの名盤の本当の素晴らしさに気づけるかもしれません。

シャルル・デュトワ:指揮 モントリオール交響楽団 

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

やはりバレンボイムとシカゴ交響楽団の名盤は良く言えば迫力のあるところであって必ずしも深い感性をも揺り動かすとは言い難いところがあります。

そんな時、本来のサン=サーンスの色鮮やかな美しさを感じたいときには、このシャルル・デュトワ指揮の名盤は強く印象に残る名盤です。

管弦楽の透明感と瞑想的なオルガンの響きは、とくに癒やしの要素のある第2楽章でその個性を発揮しています。

もちろん他の楽章でも美しく響くオルガンの音には心揺さぶられます。

バレンボイム指揮のサン=サーンス: 交響曲 第3番《オルガン付き》と聴き比べながら個性に合う名盤を選ぶのがオススメです。

 

 

 

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【まとめ】サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付き》

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さて、サン=サーンス: 交響曲 第3番《オルガン付き》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

  • 第1楽章と第2楽章
  • その各楽章にオルガンと管弦楽

そのシンメトリー、左右対称の美しさ。

 

そして、グレゴリオ聖歌の中の《ディエス・イレ(怒りの日)》のメロディが全体を通して貫き循環していく…。

 

さらに、オルガンの持つヴィジュアル的にもシンメトリックな美しさも改めて気づくことの出来る「たくさんの要素を楽しんじゃう系」の名曲紹介でした。

 

ぜひ、管弦楽の鮮やかさとオルガンの持つ壮麗さを兼ね備えたサン=サーンス: 交響曲 第3番《オルガン付き》聴いてみてくださいね。

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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ある意味これも「2楽章」の美…♫

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