かっこイイ!
リズムに、心をワクワクさせよう!!
オーケストラの魔術師、
ラヴェルの面目躍如!
- 【かっこイイ解説】ラヴェル:「ボレロ」
- 【かっこイイ物語解説】ラヴェル:「ボレロ」
- 【かっこイイ曲解説ースネアドラムも解説】ラヴェル:「ボレロ」
- 【かっこイイ名盤5選を解説】ラヴェル:「ボレロ」
- 【解説と名盤、まとめ】ラヴェル:「ボレロ」
【かっこイイ解説】ラヴェル:「ボレロ」
かっこイイ、ラヴェル:「ボレロ」にも様々なエピソードがありますが、そのうちのひとつを含む、こんな解説があります。
スペイン系の母をもつラヴェルは、スペインに近いピレネーで生まれたこともあって、スペイン的な感覚には好感を抱いていた。パリに住むロシアの女流舞踊家イダ・ルービンシテインからバレエ音楽の作曲を依頼されたとき、以前から関心をもっていたボレロのリズムを用いそれを書き、それを1928年11月22日に初演した。
出典:門馬直美 著 「管弦楽・協奏曲名曲名盤100」p163より引用
これ以外にも、
- 本来は、他人の作曲したピアノ曲(アルベニス作曲のピアノ曲集『イベリア』)を管弦楽版に編曲をしようとしたところ、すでに別の編曲版が存在していて、あきらめた。
- 作曲依頼者のイダ・ルービンシテインの独占的な上演権が切れた後、各地で演奏されて、非常に好評でした。けれども、自分の作曲した「ボレロ」に対する自己評価の低かったラヴェルは驚いてしまった…。
- 「ボレロ」のヒントは「工場が発する音」だったとのエピソードもあります。
ラヴェルのお父さんは、よくラヴェルを、町の工場へ連れていったそうです。
その際に聞いた(聴いた?)「工場の発する音」が、ラヴェルの記憶として残っていたことが、このラヴェル「ボレロ」のかっこイイ曲作りに、影響したそうです。
【かっこイイ物語解説】ラヴェル:「ボレロ」
さて、ラヴェル:「ボレロ」ですが、バレエの演劇としてのイメージは、こんな感じです。
ー物語的で詩的な解説ー
スペインにある小さな酒場。
テーブルの上で、ひとりの踊り子が、踊り始めます。
まずは足ならし…。
タッタタタッタッタ♬
タッタタタッタタタタタタタ♬
タッタタタッタッタ♬
タッタタタッタタタタタタタ♬
それは、伝統的なスペインに起源をもつダンス、ボレロのリズム♬
まわりの客たちは、はじめは、まったく無関心。
他愛もないおしゃべりに、夢中です。
そんな中、踊り子の単調な足音が、次第に大きくなり、踊りが加わっていきます。
酒場の数人が目を向けます。
しかし、踊り子は、ただただ踊りを楽しむことに夢中。
そして、流れる汗もそのままに、踊り続けます。
そんな踊り子に、目を向けるひとたちが増えはじめます。
そして、だんだんと場が盛り上がっていきます。
ジョッキを揺らし、歌うもの。
テーブルを叩いて、リズムを取るもの。
鼻うたを歌うもの。
そんな盛り上がりの中、踊り子に合わせて数人が、踊り始めます。
あるひとたちは肩を組み、
あるものたちは飛びはね、
そして、あるものたちは、踊り子のまわりでバックダンサーをつとめる始末!
酒場は、おおいに、おおいに、盛り上がり、時が過ぎ、そして時が過ぎるのも忘れて踊ります。
…そして、酒場の夜は、更けていくのでした。。。
ま、ちょっと…といいますか、かなりアルパカの想像を盛りました。
あしからず…(汗)
【かっこイイ曲解説ースネアドラムも解説】ラヴェル:「ボレロ」
そもそも「ボレロ」とは、18世紀の終わりに舞踏家のセバスチャン・セレソによって発想された、3拍子を基調とした舞曲を意味します。
その舞曲の特徴から「飛ぶ!」という意味があるとの説もあります。
本来、この舞曲はギターとタンバリンが伴奏を担当します。
そして、それに合わせて、踊り手がカスタネットを鳴らしながら、軽やかに、それこそ「飛ぶ!」ようなステップを魅惑的に展開しながら踊ります。
さて、これをふまえて、ラヴェル作曲のかっこイイ「ボレロ」の解説です。
まずスネアドラムという、サバ缶を大きくしたような形の太鼓が奏でる、静かなリズムから始まります。
そして、このスネアドラムは始めから最後まで、活躍する楽器となります。
この後、約15分間の曲の中で、2つのメロディーだけが繰り返される」ということが、淡々と繰り返されます。
しかし、メロディこそ、淡々として単調でありながら、回を重ねるごとに、様々な楽器が重なり合い、会話を交わすなかで、華々しいほどの力強い音楽的な発展をしていきます。
そして、
クライマックスは、急激に曲が転調!
聴き手をあっと驚かせます。
そして、驚きもつかの間、
全楽器たちの雄叫びが、最大限の大爆発を起こし、そして、怒涛(どとう)の大海の押し寄せるがごとき感動を、聴き手におよぼします!!
【かっこイイ名盤5選を解説】ラヴェル:「ボレロ」
アンドレ・クリュイタンス:指揮 パリ音楽院管弦楽団
「洗練された色彩美」で描かれた、フランス人作曲家ラヴェルの楽曲。
そのラヴェルの持つフランス的エスプリ(知性)のほとばしりを表現した貴重な1枚。
音の重なりや進行が、ゆったりとしていながら、はしばしにキラメク美感。
これぞクリュイタンスの芸術。
クライマックスの盛り上がりにおいても、決して知性を失わない徹底的なフランス的美学!!
これぞ、名盤の名にふさわしいですね♬
ピエール・ブーレーズ:指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
カラヤンと同じベルリン・フィルを指揮しての演奏です。
「管弦楽の作曲における魔術師」ラヴェルの曲を「管弦楽の指揮における魔術師」ブーレーズが、魔法のごとき色彩で、表現します。
ブーレーズの指揮棒は筆がわり。
様々な楽器が発する、様々な個性的な色をまとめあげ、統率をかけていきます。
けれども、決して、楽器それぞれの個性は、おさえられることはなく、自由にのびのびと歌い、愉しみます。
カラヤンがトップダウン(統率)型リーダーであるならば、ブーレーズはサーヴァント(権限の移行)型リーダーであるのかも…。
カラヤンの構築性とブーレーズの自由性を聴き比べるのも面白いかも…ですね。
小澤征爾:指揮 ボストン交響楽団
楽器の歌い方が、一音一音を切り離した、スタッカート的な演奏をすることが多く、メリハリの聴いた小気味いい、胸のすく演奏ですね。
このアルバムにおいては、音の「ノビの良さ」という意味では、物足りないかもしれません。
ただ、逆に言うと「ノリの良さ」に大いにつながっているように感じるのですから、好みの問題でしょうかね。
その「ノリの良さ」は、クライマックスに向けての布石にもなっています。
始めから「ノリがいい」ために、それを超えるべく、クライマックスにおいては、「爆発するような急展開」が待ってます。
この熱い演奏をお楽しみくださいね!
エルネスト・アンセルメ:指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
スッキリと速めのテンポをとりながらの、アンセルメとスイス・ロマンドのコンビの華麗な音芸術。
その華麗さは、まったくもって鼻につくことはありません。
奥ゆかしく、人間的な徳を思わせる心地いい華麗さとでも言えましょうか。
目じりの優しい老紳士の微笑みと、センスのいい、速めのテンポの融合(ゆうごう)に、ただ脱帽です。
サー・ゲオルグ・ショルティ:指揮 シカゴ交響楽団
骨太でしっかり構築されたボレロですね。
ずっしりとした重厚さを持ちながら、本来の楽天的かっこ良さや、ワクワク感は盛り込まれています。
この感じ、ショルティとシカゴ交響楽団のコンビのなせる技ですね。
ガッツリ楽しみましょう!
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【解説と名盤、まとめ】ラヴェル:「ボレロ」
さて、ラヴェル:「ボレロ」、イカしたかっこイイ名盤の紹介と、解説はいかがでしたか?
時には、オモロイことのないことが起こるサラリーマン生活。
イヤ〜な気持ちで、心暗くなったら、音楽の特効薬、かっこイイラヴェル「ボレロ」を聴いて気分転換なんて、アリですよ〜♬
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。