アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

バッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリア【解説と名盤6枚】うたた寝の気持ちよさに身も心もゆだねちゃおう!

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「眠い。。。」
「ひたすら眠い。。。」
それならいっそ、寝てしまおう!


バッハ - ゴールドベルク変奏曲 1981

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今回のバッハ「ゴールドベルク変奏曲」は、当時のロシア公使であるカイザーリンク伯爵の不眠症を解消するために作曲されました。

とくに冒頭の曲「アリア」は本来、「心のうちの情感を歌う小規模な歌曲」というくらいの意味で、人を、優しく眠り誘う効果が、あると思います

ただ、歌の無い、曲のみのものでも、「アリア」と呼ぶことはありますし、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」も歌の入らない「アリア」です。

この後、このエピソードを詳しく解説します。その後、詩情を込めながら、名盤などを解説していきたいと思います。

有名な音楽家バッハと、同時代に生きたカイザーリンク伯爵。

ドレスデンの宮廷に駐在しており、ロシア公使であった、このカイザーリンク伯爵は、日々の激務のため、極度の不眠症におちいっていました。

当時、このカイザーリンク伯爵に仕えていたバッハの弟子、ゴールドベルクは、師匠のバッハに相談します。

「バッハ師匠、私の仕えるカイザーリンク伯爵は、日々の重責と、それからくるストレスのため、不眠症となり、非常に苦しんでいます。
私が、静かな音楽を弾いてさしあげても、全く効果がありません。」

それを聞いて、バッハは応えます。

「そうか…、それは気の毒なことであるな。よっしゃ、よっしゃ、私がてきめんに効く『眠れるための曲』を作曲してあげるよ。うん、うん。」

さて、時がたち、バッハ作曲の「ゴールドベルク変奏曲」が出来上がります。

ちなみにこの「ゴールドベルク変奏曲」という名は後世、このバッハの弟子のゴールドベルクという名前から付けられたことは、言うまでもありません。

さて、ゴールドベルクは、出来上がった譜面をふところに抱え、カイザーリンク伯爵のもとへ向かいます。そして、バッハ作曲の「ゴールドベルク変奏曲」を弾き始めます。

果たして、その効果はというと…。

さすがはバッハです。

見事、不眠に悩む、カイザーリンク候を、見事、眠りにいざなったというではありませんか。

スゴイ、大したものですね♫

【解説】バッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリアと30の変奏

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バッハ「ゴールドベルク変奏曲」の「睡眠導入剤」的な効用以外に、こんな解説があります。 

バッハ自身がこの曲につけた正式な名称は、「アリアと種々(しゅじゅ)の変奏」というもので、その題名のとおり、荘重なサラバンド風の主題と、それに続く32の変奏からできている。この「アリアと変奏」という形式は、当時一般に広く愛好されていたが、バッハとしてはめったに手をつけなかったもので、それだけに、随所に工夫がこらされ、古今の変奏曲中の屈指の名曲となっている。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」p273より引用

 面白いエピソードに彩られた、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」ですが、曲の構造的には、非常に枠にはめられたような「型」にしたがって作曲されています。

それなのに、こんなにも、美しく、内省的であり、また透明感が表現されているのですから驚きです。

日本でも、古来から「型」が産み出す「美しさ」が尊ばれますが、何か、それに近いものを感じます。 

【曲の解説】バッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリア

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それでは、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」についての解説をしたいと思います。

この曲は主題(アリア)が演奏されたのち、30曲の変奏曲が展開します。

そして、一番最後に、ふたたび主題(アリア)が演奏されて終わります。

印象的な何曲かをピックアップします。

さて、「詩」のかたちで、解説はしますが、冒頭に解説した通り、曲自体に歌は入りません。

「歌詞」を書いているわけではありません。あしからず…。

 

主題「アリア(歌うように)」

夢のお国は、ぼくの国。
寝てもさめても夢の国。
目がさめて、見上げたそこには、ママの顔。
いつも笑ったママの顔。

第1変奏

アップテンポの楽しくて、明るい曲です。夢の中で、駆け回るこどもたち走る姿に似ています。

第6変奏

いたずらっぽく、砂場で遊ぶ、元気な子どもたち。
服は砂だらけで、すっかり汚れてます。
でも、もちろん、まったく気にすることなく笑っています。

第8変奏

いたずらをして、お母さんや、おともだちの気をひこうと一生懸命です。
今日も小さな武勇伝づくりに、もう夢中…。

第12変奏

つみ木をひとつ、つみ上げて、
まだまだつみ木を、つみ上げて、
ゆらゆらゆれても、つみ上げる
どこまでつんだら気が済むか、
それはお空の、その先の、夢の世界へ届くまで。

第15変奏

今日のおそとは雨もよう。
窓の外、走ってころんで、楽しい世界。
それでも今日は、雨もよう。
おうちでお絵かきでも、しましょ。

第18変奏

やっと晴れたよ。
青いそら。
白い綿あめ、おいしそう。

第20変奏

てくてくてくてく。
歩いていくよ。
僕のつくった砂山をアリのキャラバン、隊列くんで。
運ぶはおいしい綿あめの、雲から落ちて、来たかけら。

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第25変奏

おこられて。
いたずらしたこと、おこられて。
ママがとっても怖くって、
とてもさみしくなっちゃって、
どうにもこうにも悲しくて、
泣いても泣いても、さみしくて。

第28変奏

踊ろよ、踊ろ。
いつも明るく、楽しくて、
笑顔の先生のその踊り
それにあわせて、
踊ろよ、踊ろ。
友だちたくさん踊ってる。
先生もたくさん踊ってる。
それなら僕もまけないくらい、
踊ろよ、踊ろ。
たくさん踊ろ。

主題「アリア(歌うように)」

今日もたくさん遊べたよ。
砂場やつみ木で遊んだり、たくさん踊って楽しんで。
おいしいごはんも、たくさん食べた。
あとは、寝るだけ、お母さん、
シャキシャキ、シャキシャキ
と歯をみがき。
夢の世界は楽しいな、
寝てもさめても、夢の中。

【5枚の名盤を解説】バッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリア

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それでは、主題(アリア)と、その変奏曲が美しい、5枚の名盤を解説していきたいと思います。

トン・コープマン:チェンバロ

本記事の第2章の解説は、このアルバムのイメージです。

その他のアルバム、とくにグレン・グールドの演奏には、この解説は、あてはまりません(^_^;)

トン・コープマンは、本来硬質で、枯れた味わいのあるはずのチェンバロを使って演奏しています。

それなのに、とても軟らかく、暖かみのある音をつくり出しているので不思議です。

バッハ「ゴールドベルク変奏曲」の本来持つ透明感や、純粋さを追求しつつ、決して硬くて、冷たい感触を感じさせませんよね。 

グレン・グールド:ピアノ

グレン・グールドのアルバムには1955年に録音されたアルバムと、1981年に録音されたアルバムとの2種類がありますね。

どちらもグレン・グールドらしく、硬質であり、奇抜であり、またインスピレーショナブルな感性のキラメキに満ちた名盤と言えましょう。

ピアノで、表現したバッハ「ゴールドベルク変奏曲」の金字塔とも言える1枚です。

グレン・グールドが1955年に録音したアルバムが、デビューアルバムであり、そして、1981年に録音されたアルバムが、グレン・グールドの生前、最後に発売されたアルバムとなりました。

う〜ん、なんとも運命的なものを感じるグレン・グールドの弾くバッハのゴールドベルク変奏曲。

さて、どうしましょう。

やはり、録音もデジタル録音で、優れている、1981年盤を推しましょうか。

「グレン・グールドのゴルトベルク変奏曲」と言えば、どちらかと言えば、1981年盤のほうが代表的と言えますし…。

まさしく、これが、グレン・グールドの、白鳥の歌(人生最後の芸術)に近い1枚ですね。

タチアナ・ニコラーエワ:ピアノ

どこまでも透明であり、また孤高の哲学者を思わせるような、気高くも、澄んだ心境で、このバッハ「ゴールドベルク変奏曲」の本質を表現することに、成功しているように聴こえます。

女流ピアニストのバッハ「ゴールドベルク変奏曲」の名盤は多いですが、そのうちの1枚がまさしくコレですね。

ヘルムート・ヴァルヒャ:チェンバロ

盲目のチェンバリスト、ヘルムート・ヴァルヒャの気高く、また知性と品格を兼ね備えたバッハ演奏のひとつの極み♬

盲目でありながら、他の多くの演奏家よりも「バッハの音楽世界が見えていた」素晴らしいアーティストだと言えるのではないでしょうか。

揺るぎない自信に裏打ちされた構築美。

この名盤は、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」のひとつの理想といっていいのかも…。

この演奏を聴いた上で、他の演奏家の演奏を聴くと、百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の個性がくっきりと見えて(聴こえて)きます。

トレヴァー・ピノック :チェンバロ

淡々とした弾き方で、あまり飾り立てたり、ことさら何か、効果を狙ったようには思えない淡白な印象です。

でも、むしろ、こんな「無味を味わう」ことこそバッハ演奏のひとつの理想とも言えるのかもしれないですね。

もし、たくさんのアルバムを聴くなら、候補の1枚に入れておくのもいいですね。

ニュートラル(中間、中立的)な、こんな演奏を耳に触れさせておいて、他の色々な演奏を聴き比べるのはアリかもですね。

ミッシャ・マイスキー:チェロ
ジュリアン・ラクリン:ヴァイオリン
今井信子:ヴィオラ

なんとも挑戦的なこころみが行われました。

弦楽三重奏版のバッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリアと30の変奏です。

弦楽三重奏に編曲したのはドミトリー・シトコヴェツキーです。

本節で、紹介したグレン・グールドの演奏に影響を受けて完成したのが弦楽三重奏版のバッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリアと30の変奏ですね。

普段聴かれるバッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリアと30の変奏の硬質な感じが抑えられて、軟らかく、また暖かい演奏が貫かれていますよね。

ライトに聴きたいときにオススメの1枚です。

 

「眠い…。いつも眠い…。」

ちゃんと睡眠をとっていても「いつも眠い…。」

そんなアルパカは、仕事の休憩時間も、「やっぱり眠い…。」

だから、もっぱら休憩中は、眠っているのがアルパカなのですね。

要は、人生に対する、やる気や、意気込み、あるいは野心に欠けるのかも…。 

う〜ん。問題だ。

でも、いっそ眠ってしまうなら、アルパカもカイザーリンク伯爵よろしくバッハ「ゴールドベルク変奏曲」を聴きながら、夢の世界に遊びたい…。

ムニャムニャ…。ZZZ…。

【まとめ】バッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリア

さて、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」アリア、名盤の紹介と、解説はいかがでしたか?

いつも眠くて、つらいアルパカは、ある意味カイザーリンク伯爵がうらやましい。

大音楽家のバッハに睡眠用の曲を作ってもらえるなんて…。

でも、現代はたくさんの演奏のバリエーションでバッハ「ゴールドベルク変奏曲」が楽しめます。

さあ、あなたも、今夜はバッハ「ゴールドベルク変奏曲」を静かにかけて、カイザーリンク伯爵になろう!

ムニャムニャ…。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

↓バッハ師匠のこんな明るい曲に身をゆだねるのもアリ♬↓ 

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