アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」【感想と名盤5枚の解説】すがすがしい朝の光を浴びに行こう!

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こんこんと湧き出る泉に触れてみよう。


メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲第1楽章

【解説】メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」

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えっ?16歳で作曲!?

天才的なメンデルスゾーンの、素晴らしく恵まれたこんなエピソードと解説があります。 

メンデルスゾーン邸のまばゆい大広間で開かれる日曜音楽会は、当時の一流音楽家たちも常に出入りして、その豪華さはベルリンの街の話題になったほどである。メンデルスゾーンの少年期の作品の大半はその音楽会を前提にしたもので、室内楽曲がたくさん書かれているのもそのことと関係がある。それにしても、作曲家としてはまだまったく無名の少年でありながら、作品を書くそばからそれがすぐれた演奏家たちの手で音になり、しかもその場で暖かい助言や適確な批評をさえ仰ぐことができるとは、何とまあ恵まれた環境だったことだろう。
メンデルスゾーン16歳の1825年に作曲された弦楽八重奏曲も、もちろん日曜音楽会のプログラムを飾ったに違いない。

出典:大木正興・大木正純 共著 「室内楽名曲名盤100」より引用

たしかに「天才」とはいえ人知れず、努力があったことと思います。

でも、これほど恵まれた環境が少年時代から整っていたなんて、うらやましい限りです。

このメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」の抜けるような透明感のある曲はある意味、少年時代特有の、純粋な心があってこそ書けたのかなとも、思ってしまいます。

 

【各楽章を解説】メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」

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それでは、抜けるような透明感のあるメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」の各楽章について解説したいと思います。

この曲は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

 

第1楽章「アレグロ・モデラート・コン・フォーコ(ほどよく速く、熱烈に)」

美しく澄んだ、こんこんと湧き出る泉を思わせる2つの印象的なメロディが何度か繰り返されながら音楽が進みます。

そのメロディが何度かの変化を加えながら、わずかな盛り上がりを重ねていきます。

そして最後は、それこそ、一点の曇りもない澄んだ青を展開する空に向けて飛翔する、透明な天使を思わせるフィナーレ♬

「弦楽八重奏曲」を作曲したのがメンデルスゾーン、若干16歳。

「う〜ん。天才って、ところどころに存在するものなのだな」と思って、感動してしまいますね!

 

第2楽章「アンダンテ(歩く速さで)」

積極的で、明るくい基調のメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」の中で、静かでゆっくりと進む1曲です。

少し悲しげな、少年期特有の憂いのようなものでしょうか。

でも、こんな年でもこんな曲が書けることが、驚きですね。

 

第3楽章「スケルツォ」(急速で快活に)」

舞曲風でノリがよく、メロディも親しみやすいです。

テンポもよく進みますので、聴きやすい1曲に仕上がっていると言えますね。

 

第4楽章「プレスト(きわめて速く)」

こちらもアップテンポで、なかなか聴かせる曲です。

少し陰影も含んでいた第3楽章とは違って、とても明るい基調であり、また、若々しい感性で貫かれている曲です。

このメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」のフィナーレにふさわしく、非常に盛り上がる1曲です。

 

【5枚の名盤を紹介】メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」

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では、メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」のスカッと爽快な名盤を、解説していきますね。

イタリア合奏団

まさしく名前のとおりイタリアの抜けるような空の青がイメージできる、澄み切った心地よさがある演奏です。

メンデルスゾーンは、こういった明るい基調の演奏が、合います。

楽天的にすぎる。

そんなきらいも、あるかもしれませんが、そこはご愛嬌。

16歳の少年、メンデルスゾーンの愛嬌ある音楽にはいいのではないでしょうか。

 

スメタナ四重奏団とヤナーチェク四重奏団

「本来、メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」は室内楽用の曲なんだよな。」と改めて思い出させてくれる1枚。

メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」は、音楽の流れが、なめらかで豪華なイメージがあるため、忘れてしまいがちですが、やっぱり室内楽曲なのですよね。

そんな、本来のカタチを感じさせてくれます。

ガッチリとして、安定感のある音づくりは、さすがはスメタナ四重奏団とヤナーチェク四重奏団のコンビ。

シンプルであるがゆえに美しい、本来の室内楽的楽しさを思い出させてくれる一枚です。

 

ウィーン八重奏団 

こんな華やかな響きは、このメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」にはピッタリ。

いついかなる時にも、気品があふれていて、飽きさせません。

いわば「小さくて可愛らしく変身したウィーンフィル」。(ウィーン八重奏団はウィーンフィルのメンバーで結成されています。)

大きな海と言っていいウィーンフィルの、そこから流れ入る小川版とも言えそう。

でも、決して悪い意味ではなく、可愛らしい気品に満ちた演奏という意味で、素晴らしい演奏といっていいですね。 

イ・ムジチ合奏団

少し早めで、スタイリッシュな音の流れ。

淀むことなく、自然に流れる河のように輝きながら、音楽が進みます。

音作りに迷いがないといいますか、イ・ムジチ合奏団のアンサンブルの美しさは、さすがです。

むかしから、日本人が親しんできたイ・ムジチ合奏団は、一度は聴いておいていい1枚です。

 

ブランディス弦楽四重奏団とヴェストファル弦楽四重奏団

アンサンブル的には、演奏者一人ひとりの主張が、ハッキリしているように感じます。

それが、いい意味でにぎやかで、また華やかに聴こえます。

重厚な感じも、持っています。

ただ、その反動で、高音の主張が少し強く感じる気もします。

ただ、メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」の本来の明るさや、自由奔放さを楽しみたいならこの1枚がいいですね。

Apple Music

Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中

 

【解説と名盤、まとめ】メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」

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さて、メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」、名盤の紹介と、解説はいかがでしたか?

スゴイ寒気がやってきて寒い日々、ひきこもらなきゃ、やってられない休日に「春」のように暖かいメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」はいかが? 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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