アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

秋に聴きたい【おすすめクラシック15選】

デュカス《魔法使いの弟子》【感想|あらすじ解説と名盤3選】魔法を使って楽しいひと時♬

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魔法を使って

仕事をサボろう!

やっちまった系な名曲♫

デュカス: 交響詩《魔法使いの弟子》

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「魔法の師匠はお出かけか…」

「水汲みの仕事、だっり(だる)〜…!」

 

「よっしゃ、ここはいっちょ魔法を使って…」

 

さて、今回は、ちょっとしたイタズラがオオゴトに…。

デュカス: 交響詩《魔法使いの弟子》解説とおすすめ名盤を紹介です。

【ここをクリックすると名盤の解説へ飛びます】

【解説】デュカス: 交響詩《魔法使いの弟子》

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デュカス: 交響詩《魔法使いの弟子》のこんな解説があります。  

デュカスは、パリ音楽院で学び、フランクサン=サーンスダンディなどから影響を受け(中略)多様な色彩感も盛られている。(中略)1897年には「魔法使いの弟子」で名声を飛躍的に高めた。この曲はゲーテがワイマルで1790年代の末期に書いた諷刺的あるいは警句的なバラードによるもので、普通には交響詩というよりもスケルツォと呼ばれている。

出典:門馬直美 著 「管弦楽・協奏曲名曲名盤100」P142より引用

 

交響詩《魔法使いの弟子》という呼び方は日本での呼び方であって、正式には《ゲーテのバラードによるスケルツォ》と言います。

ただ《スケルツォ》とは言っても、とくに三部形式であったりロンド形式という型にはめた意味ではなく、とても自由な発想にもとづいて作曲されています。

 

解説にありましたが、原作はゲーテの書いた風刺的バラードという形をとっています。

このバラードとは、定型詩のひとつで日本で言えば俳句や短歌、西洋でいうところのソネット(14行詩)のようなもののひとつです。

さらにゲーテが書いた《魔法使いの弟子》自体も実は、もとを辿るとある原作に行き着きます。

それが、2世紀のシリアの地で活躍した風刺作家ルキアノスの書いた《嘘を好む人たち》という詩です。

この詩の内容を一部変更しながらゲーテは《魔法使いの弟子》を書き上げたという経緯がありました。

 

 

そして、このゲーテの作品にいたく感動した32歳のデュカスは、この詩をモチーフにした曲を書き上げます。

そう、それが交響詩《魔法使いの弟子》というわけです。

 

デュカスという作曲家は、完璧主義者ということで有名で、自ら高く評価できた作品以外は全て破棄してしまうほどでした。

そのため、現在では20曲ほどの作品しか残っていません

 

そんなデュカスでしたが、交響詩《魔法使いの弟子》は、その数少ない曲の中のひとつであり、デュカスの自信作と言って間違いないでしょう。 

 

【あらすじと楽曲を解説】デュカス: 交響詩《魔法使いの弟子》

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ざっくりと【あらすじを解説】

《魔法使いの弟子》あらすじ 

 

年老いた魔法使いの先生はお出かけ。

留守番をおおせつかった魔法使いの弟子は、

 

「鬼の居ぬ魔になんとやらだ… 羽根を伸ばそう…!」

 

…とはいきませんでした。

 

留守番をする間、水汲みの雑用をおおせつかっているからです。

 

そこで魔法使いの弟子は、

見ようみまねで、日ごろ先生が使っている魔法を使って仕事を済まそうと考えます

 

そして、見事、ホウキが動き出し、まるで人のするように水くみを始めます

 

しかし魔法使いの弟子は魔法のかけ方は知っていても解き方を知りませんでした。

 

魔法にかかったホウキは水汲みを続けるため部屋は水浸し…

困ってしまった魔法使いの弟子はマサカリを振り下ろしてホウキを真っ二つ!!

 

しかし、しかし、しばらくすると、今度は2つに分かれたホウキたちが水汲みを始めて大変な事態になります。

 

部屋が、まるで洪水のようになったところで魔法使いの先生が帰ってきて魔法を解きます。

 

魔法使いの弟子は大目玉をくらって大失敗…。

 

そんな内容なのですね。

 

ざっくりと【楽曲を解説】

魔法使いの先生と弟子

 深い森…なのでしょうか。

静かで弦楽器の幻想的な「いかにも魔法使いの登場」を思わせる始まりです。

魔法使いの先生は出かけます…。

そしてこっそり、こっそりとホウキに近づきながら見ようみまねの魔法をかける弟子…。

 

そして、動き出す…ホウキ…。

 

ファゴットによる、

 

ごっぼ…♫

ごっぼ…♫

ごっぼ…♫

ごっぼ…ごっぼ…ぼぼぼ…♫

ごっぼ…ごっぼ…ぼぼぼ…♫

ごっぼ…ごっぼ…ぼぼぼ…♫

 

この音は、まさしく桶に水を汲んで運ぶ魔法にかかったホウキを思わせます。

「さあ、働け働け!!

俺の初めての子分、ホウキよ!!!」

 

そんなさまを思わせる実に軽快な音楽が

  • 弦楽器と
  • 木管楽器たち

がメインになりながら展開…すると音楽は金管楽器も加わり盛り上がっていきます。

「どうよ、俺だって、やりゃあ出来るんだぜぃ!!」

そんな魔法使いの弟子の声が、聴こえてくるようです。

ホウキの暴走!!

「ん!?」

 

必要以上に

ドンドン、ジャンジャン、水を汲んでいくホウキ…。

それこそ音楽は、

 

ドンドン♫

ジャンジャン♫

 

ドンドン♫

ジャンジャン♫

 

鳴り響きます。

そして困った魔法使いの弟子は、マサカリを持ってきてホウキを

「一刀両断(いっとうりょうだん)!!」

 

ここで一瞬、ピタリと音楽が止まります…。

 

 

先生のカミナリ…落つ!!

 

…しかし、

 

再びファゴットが歌い始めます。 

ごっぼ…♫

ごっぼ…♫

ごっぼ…♫

ごっぼ…ごっぼ…ぼぼぼ…♫

ごっぼ…ごっぼ…ぼぼぼ…♫

ごっぼ…ごっぼ…ぼぼぼ…♫

 

 

ホウキは水汲みを再開します。

しかも、今度は2つに割られて増えたホウキたちが水汲み仕事に大活躍!!

 

部屋はまるで洪水のよう…。

困り果てる魔法使いの弟子…。

 

そこに魔法使いの先生は帰ってきて魔法を解きます。

 

【3枚の名盤の感想と解説】デュカス: 交響詩《魔法使いの弟子》

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ジャン・フルネ:指揮 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 

ジャン・フルネ & オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

ジャン・フルネの特徴は「幻想感」

やっぱり「魔法」がテーマの曲には、この世離れした雰囲気が欲しいものです。

それに見事に応えた名盤がコレ!

ことさら音楽に強弱を付けすぎることはなくとも、なんともドラマティックでもあります。

この流れ、魔法を

  • 楽しみ
  • 遊び
  • そして、逆にもてあそばれちゃう…

そんな《魔法使いの弟子》七転八倒の様がなんともユーモラスに感情豊かに描かれています

ぜひ、この名盤で魔法の世界を体験してみてくださいね!

エルネスト・アンセルメ:指揮 スイス・ロマンド管弦楽団 

エルネスト・アンセルメ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

重厚感の中にも鮮やかさがあって、輝かしい名盤です。 

またその割にコミカルさや軽みのような面をのぞかせたりもして飽きさせない音作りをしています。

録音が古いのが難点です。

しかし手兵、スイス・ロマンド管弦楽団を自由自在に遊ばせながら絶妙な色彩感でコントロール仕切った名盤でもありますね。

 

シャルル・デュトワ:指揮 モントリオール交響楽団 

モントリオール交響楽団 & シャルル・デュトワ

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

なんとも

  • 柔らかく
  • 芳醇(ほうじゅん)で 
  • 華やか

ドタバタ感よりは彩(いろど)りの鮮やかさが感じられる名盤です。

フランス人らしいエスプリの効いた心地よいおしゃべりのような明るい名盤でもありますね。

オシャレに聴きたい時におすすめの名盤です。

Apple Music

Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中

 

【まとめ】デュカス: 交響詩《魔法使いの弟子》

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さて、デュカス: 交響詩《魔法使いの弟子》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

ちょっとしたイタズラがオオゴトに発展してしまう様を

  • コミカルに
  • 活き活きと
  • 感情豊かに

描ききった名曲です。

この機会にディズニーの《ファンタジア》も見直して見たくなった私、アルパカなのでありました。 

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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