アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

フランク:交響曲【解説と5枚の名盤】魅力の旋律美と構成美が交わる名曲!

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流れる重厚感と旋律美♫

フランス的な華やかも心地良く

フランクの優れた人格を思わせる響きもいい!


フランク 交響曲ニ短調第3楽章

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「コツコツと積み上げる地道で着実」なフランクの作曲した、大器晩成型の交響曲の傑作、解説とおすすめ名盤を紹介です。

【解説】フランク:交響曲

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人望の厚かったフランクのエピソードを含む、こんな解説があります。 

近代フランス音楽の父」といわれているフランクは、いわゆる「大器晩成型の人」であった。(中略)

彼は、清貧に甘んじながら、自分でなければ書けないような音楽を、こつこつと書いていったのであった。

全体の有機的な統一をはかる「循環形式」という、独自の手法をぞんぶんに用いている。

この手法は、彼以後のフランスの作曲家に多大な影響を与えたのである。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P51より引用

 

作曲者のフランクは、音楽教師をしたり、教会のオルガン奏者をしたりしながら、生涯を慎ましく生きました。

また、解説にありますように作曲者のフランクは、「自分でなければ書けないような音楽を、こつこつと書いていく」スタイルでもありました。 

フランク:交響曲は、フランクの晩年の作品ですが、ずいぶんと非難を浴びたりもしています。

当時の作曲家グノーはフランク:交響曲に対して

  • 「不毛であり、陰気でもあり、また、魅力や愛嬌すらもない」
  • 「自分を無能と知っていながら、それを『教義』のように延々としゃべったような作品だ」

そんな批評をしたくらいです。

けれども、そんな痛烈な言葉を浴びせられる中、フランク自身は、動じるさまをみせることはありませんでした。

むしろ、その批判に対して心配する家族に対して

「ああ、私の思い描いた通りに、音楽は響いたよ」と、嬉しそうに応じたとのことです。

弟子や家族をはじめ、多くの人たちに慕われたと言われるフランクらしいエピソードですよね。

 

【各楽章を解説】フランク:交響曲

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それでは、各楽章について解説したいと思います。

フランク:交響曲は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

第1楽章 レント - アレグロ・マ・ノン・トロッポ(遅くー速く、しかしあまり速すぎないように)

荒涼とした大地に吹く、重く冷たい風、風、風…。

その鈍色(にびいろ)とも言える、濃いねずみ色の空気感はどこまでも暗い…。

そんな風景画を思わせるような始まりの第1楽章は、けれども彩り豊かなメロディをもつ美しい1曲でもあります。

冒頭こそ暗く寂しい心情を思わせます。

けれども、その途中に壮麗で華やかな展開をします。

これは、全体が重い感じの曲なだけにそのコントラストの絶妙さに舌を巻く素晴らしさです。

第2楽章 アレグレット(やや速く)

本来、交響曲では第4楽章ですし、第2楽章には「ゆるやか」な楽章になります。

フランク:交響曲の場合、この第2楽章はアレグレット(やや速く)となっていますが、むしろ「ゆるやか」な要素も感じますね。

優美で流れるような楽章であって、癒やしの1曲に仕上がっています。

 

第3楽章 フィナーレ:アレグロ・ノン・トロッポ(終曲ーあまり速すぎないように)

解説にありましたが曲全体を統一感を持たせる効果のある「循環形式」はこの第3楽章で、てきめんに効いてきます。

重くて暗い第1楽章、「静けさとさみしさ」を含んだ第2楽章とを通過した後にいたる、この第3楽章のスケールの大きさと豪華さ。

これは全体的に統一感のある構成美のなせるワザですね。

 

【5枚の名盤の聴き比べと解説】フランク:交響曲

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シャルル・デュトワ:指揮 モントリオール交響楽団

 

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

フランス的な華麗な響きがこのフランク:交響曲には合います。

重厚で劇的な展開というよりは「優美さ」や「軽やかさ」寄りの美しい名盤です。

毛色の違うバーンスタインの演奏と聴き比べても、その良さがコントラストのようにクッキリとわかって面白い名盤でもあります。

 

 

レナード・バーンスタイン:指揮 フランス国立管弦楽団

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

フランク:交響曲のドラマティックな要素が全面に表現された名盤です。

音楽の流れの重厚さと華麗さのコントラストを強めにして、フランク:交響曲の本来持つカッチリとした構成の檻(おり)をいい意味で壊したという感想も持てます。

情熱系演奏が恋しくなった時に聴きたい、通常よりも沸点が高めのアツい名盤です。

このバーンスタインの情熱系の名盤を中心に据えながら他の名盤との聴き比べなどをしても面白いです。

とくにデュトワ指揮のものや、マルティノンのなめらかな名盤と聴き比べても面白いですね。

 

ジャン・マルティノン:指揮 フランス国立放送管弦楽団

 

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

 

端正なつくりの音楽の中に繊細な響きが潜んでいる名盤です。

その良さが特にあらわれているのが第2楽章で、スムーズに流れる音の心地よさと感性のキラメキを感じる名盤でもあります。

 激アツ系のバーンスタインの演奏との聴き比べも、同じ曲でも違いの大きさが面白い名盤でもあります。

 

 

ユージン・オーマンディ:指揮 フィラデルフィア管弦楽団

 

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

キレがありながらも美しく整ったフィラデルフィア管弦楽団の演奏は指揮者のオーマンディのしっかりした構成力も手伝って聴きやすい名盤です。

また力強さもあるパワフルな名盤で、バーンスタインの名盤と聴き比べても面白いと思います。

聴き比べの際には、そんなところはもちろん、その整った構成力なども気にしながら聴くといい名盤でもありますね。

 

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レオポルド・ストコフスキー:指揮 オランダ放送管弦楽団

 

アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【名盤の解説】

堂々としていて、生命力あふれる名盤で、フランクの交響曲はこういった元気系の演奏は合うかもという感想の名盤です。

「画家はキャンバス上に絵を描く。音楽家は静寂の上に絵を描く。」というあまりにも「カッコよすぎるでしょう!」というストコフスキーの言葉が残っています。

まさしくその「静寂」のキャンバスをベースに展開する、フランク:交響曲は絵画的な色あざやかさをともなって展開する名盤です。

バーンスタインの「情熱系の元気さ」をストコフスキーの「堂々とした元気さ」と聴き比べてもいい、そんな名盤です。 

 

 【解説と名盤、まとめ】フランク:交響曲

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さて、フランク:交響曲の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

大器晩成型の人徳あふれるフランク作曲の交響曲は、そのコツコツ型人生からは想像できないくらいの起伏に富んだ名曲ですね。

フランス的な趣味の良さとドラマティックな展開の名曲でもありますから、いくつかの名盤の聴き比べも面白いですね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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