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チャイコフスキー:交響曲第5番【名盤の解説、聴き比べと感想】

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チャイコフスキー版

運命交響曲!

憂愁、苦しみ…あらがう心!!

第4楽章(最終楽章)

 

チャイコフスキーの「運命交響曲」

  • ふりかかる苦難!
  • 闘い
  • そして、歓喜!!

そんなテーマ性を感じるのはたぶん、アルパカだけではないのでは…?

さて、今回は、そんなドラマティックなチャイコフスキー《交響曲第5番》解説とおすすめ名盤を紹介です。 

【解説】チャイコフスキー《交響曲第5番》

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チャイコフスキー《交響曲第5番》のこんな解説があります。  

この曲は、「第4番」と同じく、一つの主題を全編に用いているのが大きな特徴で、この重く、暗い主題が、この曲の主人公となっているともいえる。 「人生の秋」を迎えたチャイコフスキーが、この曲を書くに当たって、人生とか運命というものを念頭において筆を進めたことはたしかである。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P63より引用

チャイコフスキー《交響曲第5番》については、チャイコフスキー自身の書き残した「構想のためのメモ」が残っています。

そこには、

  • 神の与えし運命を前にしての完全なる服従…
  • 不満、疑い、不平、非難…
  • 信仰の抱擁に身を投げ出すべきか…
  • 慰め、ひとすじの光…いや、希望はない…

と、記されています。

また、チャイコフスキー《交響曲第5番》は「チャイコフスキーの運命交響曲」と呼ばれることがあります。

そして、「交響曲」というジャンルの中で「第5番」というのは、どことなく「運命的なテーマ」が漂っていることが多いような気もします。

  • ベートーヴェンのまさしく《運命交響曲》
  • ショスタコーヴィチ《革命》
  • マーラーの第5番交響曲

そして、

  • チャイコフスキー第5交響曲…

 

「苦難困難」や「闘争」そして、そこからの

  • 開放
  • 勝利
  • 歓喜

を歌い上げているように感じてしまうのです。 

 

【各楽章を解説】チャイコフスキー《交響曲第5番》

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それでは、各楽章について解説したいと思います。

チャイコフスキー《交響曲第5番》は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

第1楽章 アンダンテ:アレグロ・コン・アニマ(歩く速さで:速く生き生きと)

冒頭から「運命の動機」 と呼ばれるメロディが、クラリネットの暗く沈んだ印象で表れます。

このメロディがチャイコフスキー《交響曲第5番》全体のところどころに表れては消えを繰り返しながら全体を統一していきます。

そして、この暗い展開から一転して始まる、

 

ダン!

ダダッダッダ!!

ダダダダダダ!!!

 

ダン!

ダダッダッダ!!

ダダダダダダ!!!

 

音楽は一気に加熱!!

チャイコフスキー版「運命交響曲」のひとつの聴かせどころです!

その後、チャイコフスキー節とも言える優美な旋律が表れたりしながら、紆余曲折を経て音楽は展開し、そして、感動的に終わっていくのです。

 

第2楽章 アンダンテ・カンタービレ:コン・アルクーナ・リチェンツァ(歩くような速さで歌うように:リズムやテンポを少し自由に)

第1楽章では勇ましかった曲調はこの第2楽章では、打って変わっての調和的なものになります。

どこか瞑想的ですらあり、

  • やさしく
  • 美しく
  • 時に、もの悲しい…

そんな「静けさを切々と歌うチャイコフスキーの名曲」です。 

 

第3楽章 《ワルツ》アレグロ・モデラート(ほどよく速く)

これも違った面でのチャイコフスキーらしい美しい歌ごころが表れたワルツです。

本来、交響曲の第3楽章ではスケルツォなどの力強い楽章となることが多いのですが、ここで優美なワルツをレイアウトしたところが特徴的です。

こうすることで第4楽章の感動的なフィナーレの盛り上がりも、ますます印象的なものにしていると感じます。 

 

第4楽章 《フィナーレ》アンダンテ・マエストーソ:アレグロ・ヴィヴァーチェ(威厳をもって:快速に)

「運命の動機」 のメロディが第4楽章では冒頭から表れます。

その動機がゆっくりと展開しますが、ある瞬間いきなりそのスピードが速まり、そして力強く奏(かな)でられます。

しかし、運命の荒波は、まだまだ打ち寄せてきます。

ただ、この第4楽章では、その荒波、苦難に対し、獣(けもの)の雄叫びのごとくに、

  • ハツラツと、
  • ポジティブに、

打ち勝つ!!

 

そう、これは運命を乗り越えて手にした大いなる歓喜!

これもベートーヴェンが打ち立てた、

歓喜のモチーフその「雄々しき奇跡の復活」を見る(聴く)が如きの感動的なフィナーレです。

 

【3枚の名盤(ドラマ)の感想と解説】チャイコフスキー《交響曲第5番》

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エフゲニー・ムラヴィンスキー:指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 

レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団, ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー & エフゲニ・ムラヴィンスキー

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

寒々(さむざむ)しくも広大な、ロシアの大地を想像できる名盤です。

耽美(たんび)とも言える楽器たちの歌い回しが、

  • さみしくて…
  • 憂うつで…
  • なんとも美しい…

なのに、なんともドラマティックな魅力を感じるのは、その胸の内に秘められながら漏れだしてくる静かなる情熱の表れなのかも…。

チャイコフスキーの持つロシア節は、やっぱり本場ロシアの指揮者と楽団で聴いておきたいし、その歴史的名盤とも言えそうです。

オススメです。

ロリン・マゼール:指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 & ロリン・マゼール

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

シャープでクリアな「バランスいい系の名盤」です。

磨き抜かれて雅(みやび)やかなウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の特性もよく活きていて心地いい名盤です。

あまり感情的に激することがなく、物足りなさを感じるかもしれませんが、そうであるからこその聴きやすさも感じますね。

 

オットー・クレンペラー:指揮 フィルハーモニア管弦楽団  

VARIOUS ARTISTS

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【名盤の解説】

「運命の動機…?」

では、いっそのことバリバリにベートーヴェン的

  • ドイツ的…
  • いかめしく…
  • 重厚感をもった

そんな名盤で聴くのもアリですね。

まさしく人生における「運命の試し…」。

そして、その荒波に、

  • 抗(あらが)い
  • 苦しみつつも
  • 格闘せん!!

そんな不撓不屈(ふとうふくつ)の男の壮大なドラマが展開している名盤です!! 

ジョン・バルビローリ:指揮 ハレ管弦楽団 

ジョン・バルビローリ

アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【名盤の解説】

基本的には音の柔らかさが心地よく、強弱のコントラストも強めな演奏です。

ゆったりしたテンポのところでは優しく、アップテンポでパンチの効いたところでは力強いです。

ただ録音が古くこもった感じの音は、いかんともしがたく、返す返すもそこだけが残念な名盤ではあります。 

レナード・バーンスタイン:指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック  

レナード・バーンスタイン

アルパカのおすすめ度★★★★★

【名盤の解説】

バルビローリの名盤と同じく、コントラスト強い系の名盤です。

ただバルビローリが柔らかさに寄ったコントラストだとすると、バーンスタインは力強さに寄った演奏です。

とにかく、

 

元気ビタミン注入系!!

 

特に最終楽章(第4楽章)の、

  • 激アツで、
  • 劇的な、
  • 陶酔感…

これはバーンスタインのお家芸…!

チャイコフスキー《交響曲第5番》のドラマティックな要素を存分に楽しみたい向きには絶対的におすすめ。

焼け付くような辛(から)さ、ヒリヒリ感が欲しいアナタにピッタリの名盤はコチラです!!

Apple Music

Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中

 

【まとめ】チャイコフスキー《交響曲第5番》

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さて、チャイコフスキー《交響曲第5番》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?

 

「苦難困難」や「闘争」そして、そこからの 

  • 開放
  • 勝利
  • 歓喜

ベートーヴェンで無くたって、チャイコフスキー版「運命交響曲」の盛り上がりは熱い!!!

 

さて、「巣ごもりストレス一気に解消!!」といきませんか? 

 

 

 

 

 そんなわけで…

 

 

『ひとつの曲で、

 

たくさんな、楽しみが満喫できる。

 

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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