アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

秋に聴きたい【おすすめクラシック15選】

夏のおすすめ【クラシック曲10選】

ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」【3枚の名盤解説|感想】その特徴はオペラティック!

※この記事にはプロモーションが含まれます

f:id:happy-alpaca:20200610112453j:plain

震える感情!

壮絶で運命的な響きを聴いてみよう♫


ヴェルディ:レクイエム 「怒りの日」

 

レクイエムとは、死者のための聖歌とでも言えるもの

そして、「怒りの日」とは、聖書でいう「最後の審判」のことですね。

つまり、神様が人間の罪を罰する、言わば裁判のようものと言えます。

ちょっと怖いですが、この、ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」は有名で、映画「バトル・ロワイヤル」や、以前、カップ焼きそばのCMでも、使われたことがありました。

今回は、この、ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」を中心に、歌詞や、特徴、エピソード、そして、名盤などを解説していきます。 

【特徴や歌詞を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」

f:id:happy-alpaca:20200610104821j:plain
劇的なヴェルディ:レクイエムの、こんな劇的な解説があります。 

イタリアの大作家マンゾーニが亡くなった。

(中略)

(ヴェルディは)未完のレクイエムを、今度は、マンゾーニに捧げるべく作曲を進め、1年後に完成したのであった。

この曲は、たいへんドラマティックで、まるでオペラのようだと非難されたほどであるが、かえって、そうした点に、この曲の特色(特徴)がある

(中略)

いかにも、オペラの作曲家らしく、4人の独唱者たちのあつかいも、すこぶるオペラティックで、聴きごたえがある

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P357より引用

「オペラ王」の異名をもつヴェルディらしく、ドラマティックで、重厚な特徴を持った、すぐれたレクイエムです。

このため、ヴェルディが作曲した、このレクイエムは、3大レクイエムのひとつとされています。

ちなみに、あとの2つのレクイエムは「モーツァルト」と「フォーレ」の作曲のものを指します。

この2つのレクイエムと、ヴェルディのレクイエムの、はっきりとした特徴と、違いは、やはり、なんと言っても、規模が大きく、インパクトが強いことが、挙げられます。

特徴として、「オペラティック(オペラっぽい)」と言われる理由もここにあります。

ちなみに、歌詞の内容は以下の通りになります。

怒りの日

まさにその日に

くだいてしまうだろう

この世を灰へと…

ダビデとシビラが証したように

その恐ろしさは、どれほどのものであるだろう

そのとき裁きが、くだるだろう

そして、すべてを、

はげしく、打ちくだくであろう!

 

【各楽章の特徴を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」

f:id:happy-alpaca:20200610110620j:plain

このヴェルディのレクイエムは、7曲(部)の構成になっています。 

  1. レクイエムとキリエ
  2. 怒りの日
  3. 奉献唱
  4. 聖なるかな
  5. 神の子羊
  6. 絶えざる光を
  7. 我を救い給え

非常に長いレクイエムで、全曲を聴くと約90分近くかかります。

とくに、「怒りの日」の部分は、全10曲で成り立っていて、内容の濃いものに仕上がっているのです。

冒頭の解説では、「ドラマティックで、まるでオペラのようだと、非難された」と、ありました。

ただ、作曲家のブラームスは、このヴェルディ:レクイエムの楽譜を読み込んで、語ったそうです。

馬鹿なことを言うなあ。これは天才の作品ではないか」と…。 

 

【3枚の特徴ある名盤を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」 

クラウディオ・アバド:指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★

ヴェルディと同じイタリア人のアバド。

ヴェルディの歌ごころも聴き取ることができる名盤です。

もっとも「オペラティック(オペラ的)」で、スケールが大きく、また、力強さが特徴の名盤

聴いていて、圧倒されるほどの威厳!

人々が、打ちのめされるような、神の裁きの恐ろしさ!

その雷鳴のごとき響きは、ヴェルディのレクイエム演奏の模範とも言えそうな名盤です!

 

カルロ・マリア・ジュリーニ:指揮 フィルハーモニア管弦楽団 

 アルパカのおすすめ度★★☆

少し録音が古いためか、大音響のところに難があります。

ただ、全体としては、柔らかい美感がありますので、オススメです。

でも、そうは言っても、「怒りの日」での爆発は、やっぱり凄まじいものがありますね。

そういった意味で、メリハリが特徴の名盤と言えそうです。

 

ミシェル・コルボ:指揮 グルベンキアン財団管弦楽団 

 Verdi Requiem, Puccini, Poulenc : Corboz / Lisbon Gulbenkian Foundation Orchestra & Choir (2CD)

アルパカのおすすめ度★★★

3大レクイエムと言われる、モーツァルトや、フォーレのレクイエムでも、敬虔(けいけん)で、素晴らしい音世界を展開してくれたコルボ

本来、壮大な、ヴェルディのレクイエムですが、この、コルボのアルバムは全体的には、少しおもむきが違う名盤です。

壮大で、豪華絢爛なイメージというよりも、凛としたたたずまいの、静かなイメージが特徴の名盤と言えそうです

実際、アルパカの、個人的に好きな名盤でもあります。

豪華で、オペラティックな音に、疲れを感じたら、コルボの名盤に癒してもらうのもアリですね。

Apple Music

Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中

 

【特徴ある名盤と解説、まとめ】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」

f:id:happy-alpaca:20200610111647j:plain

さて、ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」の特徴ある名盤と、解説はいかがでしたか?

劇的!

壮大!

オペラティック!

そんな、ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」

普段、中々、「死」についてのことや、「神様」のことについては、考える機会がありません。

生活に必要なものは、ほとんど揃ってしまう便利な現代ですので…。

しかし、レクイエムにおける、「死」を見すえた、その音楽ドラマに、耳を傾けてみるというのも、たまになら、悪くないかもしれません。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

www.alpacablog.jp

 

関連記事↓ 

これも、ある意味、死者への鎮魂 

www.alpacablog.jp

深く内省したい時に聴きたい 

www.alpacablog.jp