震える感情!
壮絶で運命的な響きを聴いてみよう♫
レクイエムとは、死者のための聖歌とでも言えるもの。
そして、「怒りの日」とは、聖書でいう「最後の審判」のことですね。
つまり、神様が人間の罪を罰する、言わば裁判のようものと言えます。
ちょっと怖いですが、この、ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」は有名で、映画「バトル・ロワイヤル」や、以前、カップ焼きそばのCMでも、使われたことがありました。
今回は、この、ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」を中心に、歌詞や、特徴、エピソード、そして、名盤などを解説していきます。
- 【特徴や歌詞を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」
- 【各楽章の特徴を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」
- 【3枚の特徴ある名盤を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」
- 【特徴ある名盤と解説、まとめ】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」
【特徴や歌詞を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」
劇的なヴェルディ:レクイエムの、こんな劇的な解説があります。
イタリアの大作家マンゾーニが亡くなった。
(中略)
(ヴェルディは)未完のレクイエムを、今度は、マンゾーニに捧げるべく作曲を進め、1年後に完成したのであった。
この曲は、たいへんドラマティックで、まるでオペラのようだと非難されたほどであるが、かえって、そうした点に、この曲の特色(特徴)がある。
(中略)
いかにも、オペラの作曲家らしく、4人の独唱者たちのあつかいも、すこぶるオペラティックで、聴きごたえがある。
出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P357より引用
「オペラ王」の異名をもつヴェルディらしく、ドラマティックで、重厚な特徴を持った、すぐれたレクイエムです。
このため、ヴェルディが作曲した、このレクイエムは、3大レクイエムのひとつとされています。
ちなみに、あとの2つのレクイエムは「モーツァルト」と「フォーレ」の作曲のものを指します。
この2つのレクイエムと、ヴェルディのレクイエムの、はっきりとした特徴と、違いは、やはり、なんと言っても、規模が大きく、インパクトが強いことが、挙げられます。
特徴として、「オペラティック(オペラっぽい)」と言われる理由もここにあります。
ちなみに、歌詞の内容は以下の通りになります。
怒りの日
まさにその日に
くだいてしまうだろう
この世を灰へと…
ダビデとシビラが証したように
その恐ろしさは、どれほどのものであるだろう
そのとき裁きが、くだるだろう
そして、すべてを、
はげしく、打ちくだくであろう!
【各楽章の特徴を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」
このヴェルディのレクイエムは、7曲(部)の構成になっています。
- レクイエムとキリエ
- 怒りの日
- 奉献唱
- 聖なるかな
- 神の子羊
- 絶えざる光を
- 我を救い給え
非常に長いレクイエムで、全曲を聴くと約90分近くかかります。
とくに、「怒りの日」の部分は、全10曲で成り立っていて、内容の濃いものに仕上がっているのです。
冒頭の解説では、「ドラマティックで、まるでオペラのようだと、非難された」と、ありました。
ただ、作曲家のブラームスは、このヴェルディ:レクイエムの楽譜を読み込んで、語ったそうです。
「馬鹿なことを言うなあ。これは天才の作品ではないか」と…。
【3枚の特徴ある名盤を解説】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」
クラウディオ・アバド:指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★
ヴェルディと同じイタリア人のアバド。
ヴェルディの歌ごころも聴き取ることができる名盤です。
もっとも「オペラティック(オペラ的)」で、スケールが大きく、また、力強さが特徴の名盤。
聴いていて、圧倒されるほどの威厳!
人々が、打ちのめされるような、神の裁きの恐ろしさ!
その雷鳴のごとき響きは、ヴェルディのレクイエム演奏の模範とも言えそうな名盤です!
カルロ・マリア・ジュリーニ:指揮 フィルハーモニア管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★☆
少し録音が古いためか、大音響のところに難があります。
ただ、全体としては、柔らかい美感がありますので、オススメです。
でも、そうは言っても、「怒りの日」での爆発は、やっぱり凄まじいものがありますね。
そういった意味で、メリハリが特徴の名盤と言えそうです。
ミシェル・コルボ:指揮 グルベンキアン財団管弦楽団
アルパカのおすすめ度★★★
3大レクイエムと言われる、モーツァルトや、フォーレのレクイエムでも、敬虔(けいけん)で、素晴らしい音世界を展開してくれたコルボ。
本来、壮大な、ヴェルディのレクイエムですが、この、コルボのアルバムは全体的には、少しおもむきが違う名盤です。
壮大で、豪華絢爛なイメージというよりも、凛としたたたずまいの、静かなイメージが特徴の名盤と言えそうです。
実際、アルパカの、個人的に好きな名盤でもあります。
豪華で、オペラティックな音に、疲れを感じたら、コルボの名盤に癒してもらうのもアリですね。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【特徴ある名盤と解説、まとめ】ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」
さて、ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」の特徴ある名盤と、解説はいかがでしたか?
劇的!
壮大!
オペラティック!
そんな、ヴェルディ:レクイエム「怒りの日」。
普段、中々、「死」についてのことや、「神様」のことについては、考える機会がありません。
生活に必要なものは、ほとんど揃ってしまう便利な現代ですので…。
しかし、レクイエムにおける、「死」を見すえた、その音楽ドラマに、耳を傾けてみるというのも、たまになら、悪くないかもしれません。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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