アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

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モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス【解説と名盤|感想】歌詞の意味

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その歌詞の敬虔さ、

妙(たえ)なる「曲調の変化」

純粋無垢なモーツァルトの心の世界

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”)

モーツァルト晩年の「無限にひろがる、その心の透明感」

「苦しみと悲しみ」そのすべてを包み込んでくれる

そんな「癒やしの光が降りてくる『小さな名曲』」です。

悲しいニュースが多い現代、人びとには「癒やし」の時と体験が必要かも…。

そこで今回は、「耳からの癒やし」とも言える、モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスの解説と名盤の紹介です。

【解説】モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス

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楽曲を解説:モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス


モーツァルトのモテット(複数の声部からなる曲)、アヴェ・ヴェルム・コルプスの素晴らしさを解説した、こんな一文があります。

音楽は、より単純素朴で、かつ純粋な美しさをもっているものが、最終的には人をもっとも深く感動させるのではないか。(中略)

その一つの典型的な作品といえるのが、モーツァルトのモテト、アヴェ・ヴェルム・コルプスである

このわずか46小節から成る小品(中略)まさに音楽芸術作品の一つの頂点にあるといってもよいように思う。

じつはそのために、この曲の演奏は非常に難しい。

技巧的には比較的やさしい(中略)が、プロフェッショナルの演奏家が演奏したものでも、これまで残念ながら本当に美しいと思ったものはない

出典:石井宏・藤田由之・渡邊學而 共著 「モーツァルト名曲名盤101」P206より引用

 まさしく言い得て妙ですね。

「単純素朴」であるからこそゴマカシが全く通用しません。

そして、だからこそ「単純素朴」な音楽には人の心に伝わりやすい「癒やしの光」が込められているのだと思います。

よく言われるのが、モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスの転調の素晴らしさですね。

3、4分の短い曲のなかで、曲が4回、転調するわけです。

これが見事に一貫性がとれている不思議は、「転調する際のどちらの調性にも呼応する和音を入れているため」と言われていますね。

技術うんぬんは、ともあれ、「単純明快」でありながら、それだからこその崇高な美しさをもったモーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスは真の名曲だと思います。

ちなみに曲名の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」とは、「めでたし、まことのお体」と言う意味です。

「お体」とはイエス・キリストのことです。

つまり、「めでたし、まことのお体」とは、キリストを崇める気持ちと感謝の思いを表すという意味になりますね。 

作曲の背景を解説:モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス

モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスが作曲された晩年のモーツァルトは貧困に苦しんでいました。

また、妻のコンスタンツェも療養が必要な状態で、決して健康とは言えませんでした。

そんな苦境の中、コンスタンツェは温泉保養のため、ウィーンの郊外にあるバーテンで過ごしていました。

当時、モーツァルトはウィーンにいました。

その時、コンスタンツェや同行した子どもたちの面倒をバーテンで、みてくれたのが合唱指揮者アントン・ シュトルでした。

モーツァルトは、このシュトルにアヴェ・ヴェルム・コルプスを贈るとともに感謝の気持ちを込めたのでした。 

【歌詞を解説】モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス

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歌詞としてはこんな内容のことを歌っています。

 

歌詞:

めでたし、まことのお体(からだ)よ

乙女マリアより、生まれたもう

人びとのための身代わりで

十字架の上、まことの苦しみ受け取られ

つらぬかれた、そのわきばらから

紅(くれない)と水を流したまいしその方よ

我らの逝(ゆ)きし、その時を

それより前に、おしえ給え

 

このアヴェ・ヴェルム・コルプスを作曲の後、まもなくモーツァルトは天に召されるわけですが、何か予感も働いたのかもしれませんね。

【3枚の名盤の感想と解説】モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス

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トン・コープマン:指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★★★

【解説】

表現に飾り気がなく、控えめな語り口の名盤です。

モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスには、とても似つかわしい演奏という感想も持ちます。

コープマンの録音した色々な名盤はありますが、どれも飾り気が少なく音楽に込められた「本来の思い」を聴かせてくれているような感想を持つことが多いですね。

焦り、怒り、喧騒、失望…様々なマイナス要因を含んだ空気が支配する現代。

人びとの心に届く癒やしの風…

そんなモーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスの素晴らしい名盤、おすすめの1枚ですね。

この名盤の中で、モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス以外のモテットも素晴らしいの、ひとことの名盤でもありますね。

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レナード・バーンスタイン:指揮 バイエルン放送交響楽団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

合唱の美しさが昇華した名盤です。

ほんの少しの重厚感もありながら、そこから、かもし出される敬虔(けいけん)さが美しい名盤です。

普段が弾けるような情熱を持って演奏にあたるバーンスタインの、ある意味で真逆といえるような、静けさと癒やしの名盤となっています。

こんなバーンスタインの一面には触れる価値アリという感想ですね。

ラファエル・クーベリック:指揮 バイエルン放送交響楽団

アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【解説】

クーベリックらしく堅実で構築感のある名盤ですね。

他に比べると硬さはあるかもしれませんが、感性に流されすぎてもよくありませんので、中庸をいく名盤とも言えそうです。

感想としては「多くの人が聴いても納得感のある聴きやすいモーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス」というところでしょうか。

録音はすこし古いという感想で、少しこもった感じはありますが聴こえてくる音楽の崇高さはクーベリックらしい

そんな名盤です。

ウィーン少年合唱団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

ウィーン少年合唱団の純粋で無垢な歌声は、きっと天に届いていることでしょう

そんなことを思わせてくれる名盤です。

こんな純粋で美しい歌声で聴いてみると本来のモーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスのあり方や、精神性なども垣間見える名盤との感想も持ちます。

普段なかなか聴くことのできないボーイソプラノの声で、モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスを聴いていると本来の意味合いが、わかるという感覚もあります。

たまにはボーイソプラノを聴いて過ぎ去りし子どもだった日を思いながら聴くにもいい名盤です。

ヴィクトル・ポポフ:指揮 国立モスクワ・アカデミー少年合唱団

 

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

アカペラで歌われる、それこそ「単純素朴」を表現した名盤です。

静かなモーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスが、さらなる静けさをもって表現されたという感想です。

アカペラというのは意外と珍しいのですが、こんなにいいものなのだなという感想が持てます。

「単純素朴」が特徴のモーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスなら、「単純素朴」に「人の声のみ」という表現の名盤もいいものですね。

【解説と名盤、まとめ】モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス

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さて、モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスの名盤のオススメと、解説はいかがでしたか?

モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスを表現した、こんな言葉があります。

不朽であり……ただひとつの欠点をもつにすぎない。

それは、多くの人びとのために、モーツァルトの全宗教曲をひとつの世界に要約しているということである。

出典:アンリ・ゲオン 著「モーツァルトとの散歩」p350

そんなモーツァルトの宗教曲のエッセンスがギュッと詰まった、モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス。

「疲れてる…。」

「仕事、辞めたい…。」

「最近、ちょっと心が、折れ気味かも…。」

そんな、あなた…いやこれ、ワタクシ、アルパカのことですが…。

まあ、それはともあれ…

そんな時は、ほんの3分あれば大丈夫!

癒やしのエッセンスとも言えるモーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスを聴いてしっかり癒やしの時間を持ってみては、いかがですか? 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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