アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

マーラー:交響曲第1番《巨人》【3枚の名盤解説】巨人のごとく成長をめざす青春!

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感情を開放したい!

そんな時は《巨人》の

音世界にひたってみよう! 


マーラー: 交響曲第1番「巨人」:第2楽章

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マーラー:交響曲第1番《巨人》は、マーラーの交響曲の中では、親しみやすい旋律が詰まっていて、聞きやすい1曲になっています。

とても若々しく、希望に満ちた中に、青春期にのみ感じる、寂しさや、苦しさなども含まれていて、深味のある1曲とも言えそうですね。

【楽曲を解説】マーラー:交響曲第1番《巨人》

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こんな解説があります。  

歌手ヨハンネ・リヒターとの実らぬ恋

それがマーラーに「さすらう若人の歌」を書かせ、さらに第1交響曲にまで及ぶ巨大な創作衝動をもたらしたのである。

両曲の間に共通な旋律が聴かれるのは興味深いが、それらは悩み多き青春の日々の心の歌声なのだ。
出典:諸井誠 著 「交響曲名曲名盤100」P152より引用

名指揮者であり、マーラーの弟子でもあったブルーノ・ワルターは、マーラー:交響曲第1番《巨人》を

「私は、交響曲第1番を、マーラーのウェルテルと言いたい」

と、語っています。

ウェルテルの物語りとは、ゲーテ作「若きウェルテルの悩み」のことです。

内容としては、婚約者のいるシャルロッテに恋をしてしまったウェルテルが、恋の思いが叶わずに、最後は自殺してしまうという物語り」なのです。

つまり、マーラーにとっては、ヨハンネ・リヒターとの、実らぬ恋の思いが、マーラー:交響曲第1番《巨人》に結実していると、指揮者のワルターは見ていたようです。 

【各楽章を解説】マーラー:交響曲第1番《巨人》

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それでは、各楽章について解説したいと思います。

この曲は第1楽章から第4楽章までの4曲で成り立っています。

第1楽章「ゆるやかに、重々しく」

始まりは静かですが、徐々に盛り上がりが増していきます。

「青春期」にある「喜び」「希望」そして「積極性」

人生における、あらゆる良きものが詰まった時期、「青春期」を静と動を含めて作曲された、「青春讃歌」です。

第2楽章「力強く運動して」

夢を持つことの楽しさ、朗らかさ、徹底した自己肯定感が感じられる明るい基調の1曲ですね。

アップテンポでノリもいい、元気をくれる1曲です。

第3楽章「緩慢にならず、荘重に威厳をもって」

「青春期」には深い悩みの時もあるものです。

心の深淵にある暗さや、やるせなさなどが感じられます

情景的には、森における、霧がふかく、また、緑が深いさまが浮かんできます。

全体的には葬送行進曲風の1曲です。

途中、民謡風の響きも、表れますが、暗いイメージから開放されることはありません。

ただ、メロディ自体は美しく、それだけに、鬼気迫るものを感じる1曲です。

第4楽章「嵐のように運動して」

突如、第3楽章の闇を、切り裂くかのような、激しい始まりと展開を聴かせます。

第3楽章から、引き継がれたその闇も、徐々に晴れ上がっていきます。

そして音楽は、暗さ、寒さ、嬉しさや明るさの感情を行き来しながら、「マーラー:交響曲第1番『巨人』」における最大のクライマックスへと昇華していき、感動的な終わりを迎えていくのです。

【アルパカの体験談を解説】マーラー:交響曲第1番《巨人》

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20代のはじめ頃(1990年ころ)、初めて聴いた、マーラー:交響曲第1番《巨人》。

冒頭の第1楽章の、静かで神秘的な弦楽器の響きは、手探りの中の心の煩悶、あるいは、逆に、夜明け前の、若さのもたらす、さわやかさのように感じたりもしました。

その後、さまざまに曲調や、スピード、勢いなどを変えながらドラマチックに展開するマーラー:交響曲第1番《巨人》です。

まさに「若きウェルテル」の物語りとも言えるドラマチックな内容に共感しながら聴いたことを思い出します。

その新鮮さは、今、聴いても色褪せることはありませんね

【3枚の名盤を解説】マーラー:交響曲第1番《巨人》

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ブルーノ・ワルター:指揮 コロンビア交響楽団

アルパカおすすめ度★★★★★

指揮者ワルターについての逸話は冒頭に書きました。

そして、このアルバムは、アルパカにとっての人生における初の「マーラー体験盤」なので思い出も深いのです。

「悠揚(ゆうよう)迫らぬ」と言いますか、なんともゆったりとしたテンポの中にズッシリと重厚なおもむきのある名盤ですよね。

アップテンポの場面であっても、激することは少なく、つねに「音楽への愛情」で貫かれていて、温かい肌ざわりの音づくりですね。

マーラーの多重構造の華々しい音楽を聴くには、録音が古いことがネックかもしれません。

でも、マーラーの音楽の根源にある、人類に対する、「大いなるものからの眼差し」を感じたいときに聴きたい名盤です。

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ブルーノ・ワルター:指揮 コロンビア交響楽団

レナード・バーンスタイン:指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

アルパカおすすめ度★★★★☆

「マーラーの音楽の追求!!」

それが、指揮者レナード・バーンスタインの人生をかけた仕事のひとつだったと言っても過言ではないように思うのですが、皆さんはどう思われますでしょうか?

その、バーンスタインのマーラー演奏は、1960年代を中心に、交響曲の全集録音が行われた熱気ムンムンのアルバムが大好きなアルパカ。

でも、今回、ご紹介するのは、1987年の円熟味を増したバーンスタインの、しかし、アツアツの名盤ですね。

マーラーの青春讃歌交響曲第1番《巨人》を情緒ゆたかで柔らかい響きを持つ、アムステルダムコンセルトヘボウ(現ロイヤルコンセルトヘボウ)管弦楽団を指揮しての名盤。

録音もクリアですね。

人生で経験する青春の輝きを、感性豊かに、そして、熱く表現している名盤です。

エリアフ・インバル:指揮 フランクフルト放送交響楽団

アルパカおすすめ度★★★☆☆

比較的にゆったりしたテンポで、すすめながら、マーラー:交響曲第1番《巨人》をやわらかく、色あざやかに、彩(いろど)った落ち着きのある雰囲気で音楽がつくられた聴きやすい名盤

壮大な自然の運んでくれる清い空気や、第1楽章で響いてくる、カッコウの声も心地いい。

そんな気持ちのいい名盤です。

【解説と名盤、まとめ】マーラー:交響曲第1番《巨人》

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さて、マーラー:交響曲第1番《巨人》の名盤の紹介と、解説はいかがでしたか?

「青春とは人生のある時期ではなく、心の持ち方を言う」

なんて、カッコいい言葉を残した詩人も過去にいました。

「いやあ、でも、仕事で気を使って、心も体もボロボロっすよ〜。」

と、お嘆(なげ)きのあなた…っていうか、アルパカもそうですが…(泣)

マーラー:交響曲第1番《巨人》を聴いて、青春、復活!!

と、いきませんか?

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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