アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説します。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方もお伝えしますよ♫

秋に聴きたい【おすすめクラシック15選】

モーツァルト:ケーゲルシュタットトリオ【解説と名盤2枚の感想】クラリネットのささやきが楽しげな1曲

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楽しくてワクワクする感情、

あたたかく包み込むような、優しさ

木漏れ日のようなうれしい日に聴きたい


Trio for piano, clarinet and viola "Kegelstatt", KV 498

(youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”)

【楽曲を解説】モーツァルト:ケーゲルシュタットトリオ

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モーツァルト:ケーゲルシュタットトリオの、こんな楽しいエピソードの解説があります。 

この《ケーゲルシュタット》三重奏曲だけは、クラリネット、ヴィオラ(ヴァイオリンより音域の低い弦楽器)、ピアノというめずらしい編成で、比較的気軽な作品として作られたといえよう。

「ゲーゲルシュタット」というのは、現在のボーリングに似たゲームで、日本ではむかし九柱戯などと訳されていた。(中略)

当時モーツァルトは、ジャカンという家に出入りをして、その娘のフランツィスカにピアノを教えていた。

ある日、そこでケーゲルシュタットを楽しんでいるうちにこの曲の楽想が頭の中に浮かんできた、というエピソードによるものだが、もちろんその真疑のほどはわからない。

出典:石井宏・藤田由之・渡邊學而 共著 「モーツァルト名曲名盤101」P136より引用 

ピアノを、教えに行っていたモーツァルトが、その休憩時間に、お菓子でも口にしながら愉しむ姿が、目に浮かんできそうで微笑ましいですね。

このケーゲルシュタットトリオ、曲自体は、こぢんまりとした小品で、モーツァルトらしい、可愛らしいメロディがギュッと詰まっていてうれしい1曲です。

それほど、もてはやされることのない曲ですので、アルバムは少ないですが、どれも、おしなべて演奏者が、楽しそうに演奏しているさまが、うかがえます。

作曲した当時、モーツァルトの親友の、シュタットラーがクラリネットを担当

ピアノは、モーツァルトが教えていたフランツィスカ

そして、ヴィオラをモーツァルト自身が担当したと伝わっています。

ちなみに、「ケーゲル」とは、ボーリングで言うところのピンのことで、「シュタット」というのは、レーンのことを言います。 

ケーゲルシュタットトリオの、楽しい雰囲気は、この「遊び心」から出ていると言っても過言ではないですよね。

 

【各楽章を解説】モーツァルト:ケーゲルシュタットトリオ

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この曲は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。

第1楽章 アンダンテ(歩く速さで)

ケーゲルシュタット(ボーリング)の玉が、コロリ、コロリと、ころがって、その見える模様が、違って見える不思議…

そんな様をも楽しみながら笑う、モーツァルトたちの姿がみえるよう…。

フラリ、フラリと揺れながら、これまた楽しく運動しながら、ピンに向けてすすむ玉も嬉しそう

 

第2楽章 メヌエット(踊るように)

その嬉しさは第2楽章でも続きます。

ピアノ、クラリネットとヴィオラが楽しく歌う様と、ピンが弾けて飛び跳ねて笑う風景が見えるよう…

「さあ、次は、君の番だよ、フランツィスカ」

そう言って、玉を渡すモーツァルトの姿も想像出来ますね。

 

第3楽章 アレグレット(やや速く)

少しアップテンポになる第3楽章は、みんなのウキウキ感が高まって、大笑いしてる。

そんなイメージでしょうか。

玉がコロリと、ころがって!

ピンが「スコーン!」と、

弾け飛ぶ!

さあさ、遊ぶよ!

いつまでも…。

そんな気持ちをいっぱい表現したフィナーレです。 

 

【2枚の名盤の感想と解説】モーツァルト:ケーゲルシュタットトリオ

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ザビーネ・マイヤー:クラリネット
ハルトムート・ヘル:ピアノ
タベア・ツィンマーマン:ヴィオラ

 

アルパカのおすすめ度★★★★★

スッキリとまとまったアンサンブルの名盤。

クラリネットのマイヤーと 、ヴィオラのツィンマーマンの女性らしい優美さ

そして、それを下支えするような、ヘルのピアノのバランスの良さは、この名盤の魅力ですね。

浮かんでくる、「転がる玉や、弾けるピン」の映像は、どこか、ゆったりと高貴な雰囲気ですね。

そんなケーゲルシュタットトリオに対する感想の名盤です。

 

ジェームス・レヴァイン:ピアノ
カール・ライスター:クラリネット 

モーツァルト:クラリネット五重奏曲 K. 581/ピアノ三重奏曲第2番「ケーゲルシュタット」/アダージョとロンド K. 617 (ドゥ・ペイエ/レヴァイン/アマデウス四重奏団)

 

アルパカのおすすめ度★★★★☆

ボーリングを楽しむ感じというよりは、幼子の心のような純朴な響きという感じの名盤です。

カール・ライスターのなんともやわらかく、あたたかいクラリネットの音は、絶品ですね。

ケーゲルシュタット(ボーリング)で遊びすぎて、そよ風の中、ちょっとお昼寝して気持ちいい第1楽章のはじまり。

アルパカの妄想も加速します!

モーツァルトの時代に、ふと、意識が飛びます…。

 

モーツァルト:「じゃあ、もう一度…。」と、言って遊びは続きます。

 

アルパカ:「あれ、ところでモーツァルトさん、フランツィスカのピアノの稽古の方はいいの…?」

 

モーツァルト:「まあ、まあ、こんな時間も必要さ…一緒に遊ぼうよ…。」

 

アルパカ:「…そ、そうか、よっしゃ!じゃあ、次は僕の番かな?」

 

モーツァルト:「ほら…玉だよ…。 」と、言って玉を渡されたら一緒に楽しむしかないでしょうね。

Apple Music

Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中

 

【解説と名盤、まとめ】モーツァルト:ケーゲルシュタットトリオ

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さて、モーツァルト:ケーゲルシュタットトリオの名盤紹介と、解説はいかがでしたか?

聴いてると、モーツァルトの時代、18世紀のそよ風がどんなだったかが想像できます。

また、そのそよ風が、開けた窓からやってきて、ケーゲルシュタットで、遊ぶモーツァルトたちと、一緒になって遊んでるような様が、浮かびますね

 

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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