アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

ショパン:別れの曲【解説と5枚のおすすめ名盤】かなわぬ思いと癒やしのはざま

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誰もが知ってる

ショパンの美しい調べ

リリカル(叙情的)な思いの時に聴きたい


ショパン: 別れの曲

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ショパンの中でも、もっとも有名な曲のひとつですね。

そんな素晴らしい名曲の解説です。

【解説】ショパン:別れの曲

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とても詩的にショパン:別れの曲を表現した、こんな解説があります。 

練習曲ーといえば、まず思うのが、ピアノのおけいこだ。

バイエルやチェルニーがここでは主役。

しかし上には上があって、やがてショパン、リストの高峰に達する。

パルナス山の頂上付近である。(中略)

《別れの曲》と名付けられた第3番ホ長調など、特に旋律の魅力において、ショパンの全作品中でも傑出したものだ。(中略)

そこには、高雅な香りと共に、永遠の通俗性がある

中間部にはショパン的情熱がちらり顔をのぞかせる。

出典:諸井誠 著 「ピアノ名曲名盤100」P88より引用

ショパン:別れの曲は、もちろん全体としては甘くてせつないメロディがメインです。

でも、中間部には、ショパンらしい激情が表現された部分があって、なかなか起伏に富んだ1曲です。

そんな「激情」を思わせる、あるエピソードがあります。

ショパンにはアドルフ・グートマン という弟子がいまいしたが、そのピアノのレッスンの最中に、いきなり、

「ああ、祖国よ!」

と、ショパンは叫んだと言われています。

当時ショパンの祖国ポーランドは、宗主国ロシアに対しての独立運動が起こっていました。

音楽家としての名を、あげるべくパリに滞在していたショパンは、そんな祖国を思い、気が気でない心境だったことでしょう。

そして、その後、祖国の土を踏むことなく、パリの地で39歳の若さでショパンは、他界しています。

ショパン:別れの曲に思うこと

人には、さまざまな情念があります。

そして、その願いが叶った時、人は幸福を感じます

ただ、その「願いの、ほとんどは叶うことがない」のが現実というもの…。

そんな「求めても得られない辛さ」の中で、人は、やるせなさや、憂鬱な思いを持つものです。

ただ、そんな思いの中から人びとを感動させる「音楽やその他の芸術」も生まれていることは事実かも…。

そして、「人びとの叶わなかった思いを安らげてくれる力」が、「音楽やその他芸術」には宿っている

そのように感じるのは、たぶんアルパカだけではないと思います。

そう思わせてくれる曲のひとつが、このショパン:別れの曲なのですよね。

このショパン:別れの曲の完成度の高さを思わせる、こんな言葉が残っています。

つまり、ショパンが友人の作曲家リストに語った言葉です。

「これほど美しい旋律を見つけることは、もう二度とできないことでしょう。」 

と…。

【解説】ショパン:練習曲集について

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冒頭の解説にありましたが、

「ピアノのおけいこだ。

バイエルやチェルニーが ここでは主役」

とありましたが、本来、練習曲とは、それこそ練習のための曲なのであって、「人に聴かせる」目的で作曲されてはいません

でも、《別れの曲》が入っているショパンの練習曲は音楽そのものとしても優れていて演奏会でも、よく取り上げられる曲目です。

ショパンの作曲した練習曲は27曲あります。

つまり、作品10の12曲と、作品25の12曲および、3つの新練習曲の全27曲ですね。

その中でも副題がついている曲は、とくに聴きやすいですね。

12の練習曲 作品10

  • 第1番 ハ長調《滝》
  • 第3番 ホ長調《別れの曲》
  • 第5番 変ト長調 《黒鍵》
  • 第12番 ハ短調《革命》

12の練習曲 作品25

  • 第1番 変イ長調 《エオリアン・ハープ》
  • 第7番 嬰ハ短調《恋の二重唱》
  • 第9番 変ト長調《蝶々》
  • 第11番 イ短調 《木枯らし》
  • 第12番 ハ短調 《大洋》

以上が、練習曲についた副題ですが、ショパン自身が、つけたわけではなく他人がつけています。

ちなみに第1番 変イ長調 《エオリアン・ハープ》はシューマンが、第12番 ハ短調《革命》はリストが名付けています。

【5枚の名盤の感想と解説】ショパン:別れの曲

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マウリツィオ・ポリーニ:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★★

【解説】

明晰でありながら詩情がゆったりと流れている名盤

少し硬さや冷たさもあるかなという感想も持ちます。

でも、こんなリリシズムに陥りすぎないバランスの良さがポリーニの名盤の素晴らしさですね。

1973年のレコードアカデミー賞を受賞しただけあって自信と、みずみずしさで音芸術としてキラリと光る名盤です。

辻井伸行:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

繊細さと卓越したテクニックが同居した素晴らしい名盤という感想です。

リズムはゆったり気味にして聴かせる名盤ですね。

激情の部分でも感情が行き過ぎることなくどこか淡々としていて、最後までじっくり聴けるショパン:別れの曲です。

静かに「別れ」を思いたい時に聴くと深い名盤です。

サンソン・フランソワ:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

ニュアンスの微細な変化がココロニクイ名盤です。

リリシズムから少し距離を取りながら、ほんの少し斜に構えた皮肉系な演奏が個性的

少し衒(てら)いを見せながらも、その裏に「別れのさみしさ」からくる悲しみをそっと隠したような感想を持ちます。

そんなイキでカッコいい系の名盤かも…ですね。

ウラディーミル・アシュケナージ:ピアノ

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

リリシズムが、たっぷりで、情感もたくさん盛り込み系の優しめの名盤です。

少しインパクトが弱めの印象ですが、このショパン:別れの曲に関しては、これくらいの繊細さはかなり重要な要素なのかもしれません。

本来のショパン:別れの曲の持つ、「さみしさ」「悲しさ」「憂鬱さ」そして、「透明な美しさ」そんな情感がしっかりと表現された素敵な名盤ですね。

ヴィルヘルム・バックハウス:ピアノ

 

アルパカのおすすめ度★★★☆☆

【解説】

なんとも枯れた味わいの「打ちひしがれ系」の名盤。

リリカルや感傷というレヴェルではなく底を這うような重さがあります。

それと録音も古く聴きづらさもあるという感想です。

ただ、そんな中…、ふと一瞬、見上げる 空は抜けるような「蒼(あお)」

そこに引かれたひとすじの飛行機雲は純度の高い究極の「白」ですね。

そんな重い空気の中に、ふと垣間見える透明感が美しいという感想の名盤です。

 

【映画を解説】天使にショパンの歌声を

ショパン:別れの曲がピッタリとマッチした映画があります。

それが、《天使にショパンの歌声を》です。

1960年代、カナダのケベックにあるカトリック修道院が運営する寄宿学校。

その校長のオーギュスティーヌは音楽教育に力を入れることでコンクールでの優勝者を出すほどの有名な学校でした。

そんな中、政府がすすめる近代化へ向けての一環として公立校を増やし、経営が不振な学校は廃校にしていく流れが強まります。

そして、この寄宿学校も廃校の対象となってしまいます。

そこでオーギュスティーヌは、マスコミへのアピールをすること。

また、音楽コンクールで優勝者を出せば学校を廃校から救えるのではないかと考えます。

そんな折、オーギュスティーヌの姪のアリスが、この寄宿学校へ入学してきます。

そのアリスにピアノ演奏の才能を見出したオーギュスティーヌは、アリスにコンクールでの優勝を期待しますが、アリスはすっかり心を閉ざした問題児でした

そんな2人の登場人物を軸に展開する映画が《天使にショパンの歌声を》という物語でした。

この映画は様々な「悲しき別れ」や「決別」をショパン:別れの曲に託して描いたもので、非常に印象的に、ショパン:別れの曲がドラマを盛り上げていました

【解説と名盤、まとめ】ショパン:別れの曲

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さて、ショパン:別れの曲の名盤のオススメと、解説はいかがでしたか?

最近、「悲しい思い」や「さみしさに覆われた」などということは、ありませんでしたか?

そんな感情が、自暴自棄にさせたり、将来への希望を見失わせたりすることも、たまにはあるかも…?

「叶わぬ願いは人生の色んなトコロに転がっていたりしますよね」。

さあ、ほんの少し部屋の明かりを落としたら、ゆっくりショパン:別れの曲をリピートにして聴いてみませんか?

「ほんの1ミリだけ、前へと進んみよう」と思えるかもしれませんよ〜♫

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は、以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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