美し、アラベスク
幾何的もようの
キラめいて♫
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アラベスクとは
- アラビア風の
- 幾何的な装飾や
- 模様のこと
まさしくその美しさがそのまま音楽として昇華した名曲。
さて、今回は、ドビュッシー《2つのアラベスク》の解説とおすすめ名盤を紹介です。
【解説】ドビュッシー《2つのアラベスク》
ドビュッシー《2つのアラベスク》についてのこんな解説があります。
「バッハの神聖なアラベスク」を、ドビュッシーはたたえたことがある。渦巻き、うねる装飾的な曲線の数々。一見平面的なようでいて、強い力動をやどしたアラベスクは、19世紀末には、流行した図像というより、時代を画したひとつの美学となった。
ジャック・ルヴィエ:ピアノドビュッシーピアノ作品全集|ライナーノートより引用
ドビュッシーはその音楽に対する論考として、バッハの音楽をアラベスクにたとえています。
バッハの音楽においてひとを感動させるのは
- 旋律の性格ではなく、
- その曲線であり、
- さらに多数の線の平行した動きだ
参考書籍:
岩波文庫刊「ドビュッシー音楽論集」
けれども、ドビュッシーのアラベスクを聴いたところで、あまりバッハ的な幾何的な印象は受けません。
ただ、よく聴くと確かにアラベスク第1番は同じ旋律が繰り返しながらも美しく織り込まれていく音楽となっています。
また、第2番ははずむような音とともに装飾されており、第1番とはひと味違った曲想を持っています。
いずれにしても、たしかにアラビア装飾の美しさを思わせるような繊細な美しさに満ちた名曲と言えることは確かです。
ドビュッシーは1884年にイタリアの作曲コンクールでローマ賞の大賞を受賞。
その後1888年に《2つのアラベスク》は作曲されましたわけですが、この頃には多くの経験を積みます。
つまり、
- 国民音楽協会に入会
- パリ万博でジャワの音楽に触れたり、
- 音楽以外の芸術家とも交流できるサロン「火曜会」に参加
などを通して見聞を広げます。
そのため《2つのアラベスク》はドビュッシーの初期の作品としては完成度が高く名曲として誕生しています。
【各楽章を解説】ドビュッシー《2つのアラベスク》
それでは、各曲について解説します。
第1曲 アンダンテ・コン・モート(動きをつけて歩くような速さで)
分散和音に導かれ
生まれるメロディ
アラベスク
美し紋様
アラベスク
美し和音は
アルペジオ
美し和音に導かれ
美し紋様
アラベスク
キラキラ光って音の珠
珠がそろってアラベスク
美し紋様アラベスク
第2曲 アレグレット・スケルツァンド(たわむれるようにやや速く)
第1曲の流れるようなリズムとは打って変わっての、はずむように展開する楽しい1曲です。
あたたかくて気持ちいい午後の木立の広場を駆け抜ける、まるでそれは子どもたち。
可愛くケラケラ笑っては、はしゃぐ様に明るい第2曲です。
【名盤3選の感想と解説】ドビュッシー《2つのアラベスク》
ジャック・ルヴィエ:ピアノ
アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
あくまでも柔らかく、そして包み込むような優しさに満ちた名盤です。
技巧を見せようとするような感じはなく、どこまでもドビュッシーの音楽の持つ調和的な魅力を追求しているようにも感じます。
ピアノにおける透明感を帯びた美しさも素晴らしいですが、その淡々とした語り口の中に潜む繊細さの表出に舌を巻く名盤です。
ゾルタン・コチシュ:ピアノ
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アルパカのおすすめ度★★★★★
【名盤の解説】
まるで夢を見てるような幻想的なアラベスクの名盤です。
ピアノの一音一音がキラキラ粒立って流れるように美しく展開するものですから、すっかりコチシュの音世界にハマってしまいます。
第1曲の麗しい魅力、第2曲のテンポを早めにしてシャープにはじける魅力もたまりません。
コチシュの名盤、一度は聴いておきたいものですね。
サンソン・フランソワ:ピアノ
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アルパカのおすすめ度★★★★☆
【名盤の解説】
はずむイメージの強い名盤です。
華やかなアラベスクの紋様のひとつひとつが、はずむような明るさではじけてるように感じます。
いつものフランソワのちょっと斜に構えたようなニヒリズムはお休みです。
うれしくも楽しくはしゃぐアラベスクの名盤です。
【まとめ】ドビュッシー《2つのアラベスク》
さて、ドビュッシー《2つのアラベスク》の解説とおすすめ名盤はいかがでしたか?
- 美し、アラベスク
- 幾何的もようの
- キラめいて♫
まさしくそれはアラベスク。
美しさの核のようなものを根本に持っていながら、どこまでも自由に広がりを見せていく、そんな映像を感じるのがアラベスクでもありますね。
ぜひドビュッシーの初期の傑作ピアノ曲、見事な紋様を思わせるアラベスクを聴いてみてくださいね。
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は、以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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