《クシャッと、よじれた心をもとに戻したいときに効く(聴く)》。
魅惑する旋律美とあたたかさ
さあ、耳と心を澄ませよう♫
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「旋律は音楽の魂である」
ブルッフの有名なひとことですね。
旋律の美しいブルッフの作品の中でも、とくに有名な曲が、この、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番です。
日常のなかで、失われがちな平静心を保つためにも、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番をじっくり聴くといいかもです…。
「音楽の魂である、旋律の美しさ」が、きっと、あなたの心を整えてくれますよ。
- 【解説】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
- 【各楽章を解説】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
- 【3枚の名盤を解説】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
- 【解説と名盤、まとめ】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
【解説】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
旋律の美しい、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番の、こんな解説があります。
ロマンティシズムの濃厚にあらわれたもので、全編に甘く美しい旋律がみちあふれている。
内容的には相当自由に書かれており、音楽の主体は、あくまでも奔放に奏される独奏ヴァイオリンに置かれている。
また、ブルッフ自身はユダヤ人ではなかったが、この曲には、全体にユダヤ的な情感が濃くあらわれ、瞑想的な主題の美しい第2楽章などは、特にその感が強い。
以上のような解説ですが、 旋律を重視したブルッフの音楽は、長いこと忘れ去られていました。
その理由として、
- 「旋律重視」の創作方向がすでに時代遅れになっていたこと。
- 当時、次の世代をリードする音楽家や、その音楽家の起こした運動などに敵意を抱いていたために音楽界からすこし距離をとられてしまったこと。
- ナチス政権の時代に、ユダヤ人ではないかと疑われ、不利な立場におかれた時期があったこと。
以上のことなどが、あげられています。
でも、やっぱり、「旋律が美しい」ものは、一度、忘れられても、やっぱり朽ち果てることはないのではないかなと思ったりします。
【各楽章を解説】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
それでは、各楽章について解説したいと思います。
この曲は第1楽章から第3楽章までの3曲で成り立っています。
第1楽章 アレグロ・モデラート(ほどよく速く)
陰影の濃い感傷的な、ヴァイオリンソロの歌が始まります。
そこに、オーケストラが絡みつつ、曲は盛り上がりを見せていきます。
運命的で、心のうちにある激情のようなものが、たんたんと、しかも、熱をこめて歌われます。
そんなドラマティックな1曲です。
第2楽章「アダージョ(ゆっくりと)」
とても、調和的で、優美な楽章です。
日ごろのストレスによる、「どうしようもなくよじれた心」をもとに戻してくれます。
音楽の魂である「美しい旋律」で、満載の1曲。
全体的にリズミカルで、ノリの良い、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番ですが、その中間部である第2楽章には、ひっそりと清らかな花が咲いている。
そんなイメージの1曲ですね。
第3楽章 アレグロ・エネルジコ(速くー精力的に、元気に、力強く)
第2楽章の静寂を打ち破るような、開放的で、元気いっぱいの楽章です。
旋律の美しさはもちろん、心を明るくしてくれます。
光いっぱいでエネルギッシュな1曲ですよね。
楽章のクライマックスに、ふさわしい盛り上がりに満ち満ちた名曲です。
【3枚の名盤を解説】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
チョン・キョンファ:ヴァイオリン
ルドルフ・ケンペ:指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
アルパカおすすめ度★★★★☆
女性にして、この風格と堂々としたチョン・キョンファのヴァイオリンの音に舌をまきすね。
風格と感性の、はざまで揺れ続けながら、崩壊しないその精神力はどこからくるのでしょう。
少しでもバランスを崩せば、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番が壊れそうなのに、ギリギリで保ちながら、その音楽美を保ってます。
ケンペの好サポートを得ながら、存分に、自由に羽ばたく白鳥のごとき純粋な名盤ですね。
アンネ・ゾフィー・ムター:ヴァイオリン
ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アルパカおすすめ度★★★★☆
繊細さと大胆さが同居し、幅の広い表現を展開するヴァイオリニスト、アンネ・ゾフィー・ムター。
これが、録音当時、17歳だったことに、そのビックリ度はハンパないレベル。
17歳とは思えない技と、そこから放たれる華やかなヴァイオリンの音世界。
洗練され、磨きぬかれた音芸術で、しっかりとムターを引き立てる、カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団も素晴らしい。
いくら時が過ぎても「驚きの名盤」として、語られそうですね。
諏訪内晶子:ヴァイオリン
サー・ネヴィル・マリナー:指揮
アカデミー室内管弦楽団
アルパカおすすめ度★★★★☆
「天才的」、「超絶技巧」、「華麗」、そんな演奏は、感動しますし、目をみはる…いや、耳をみはる(?)ものがあります。
でも、たまに、ふとそんな豪華さに、疲れを感じることがあるものです。
この名盤は、そんな「きらびやかな豪華さ」からは、ほんの少しだけ、距離をおきながら、気品としなやかさに魅力を発揮した名盤だと思います。
ブルッフの語る「旋律は音楽の魂である」という精神をふと思い出させてくれる道端に咲く1輪のすみれの花のよう…。
諏訪内晶子のヴァイオリンはもちろん、マリナーの上品な演奏も佳(よ)いものと感じますね。
※さて、今回の名盤解説は女流ヴァイオリニストに絞ってオススメ名盤を紹介してきました。
「音楽の魂である旋律」を女性的な、繊細な表現に乗せた名盤3枚ですね。
Apple Musicで “紹介した名盤” が配信中
【解説と名盤、まとめ】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
さて、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番の、名盤の紹介と、解説はいかがでしたか?
美しい旋律には、人の心を和(なご)ませる「音たま(おとたま)」とでも言える調和のエネルギーが含まれていると思います。
「音楽の魂である、旋律の美しさ」に触れて心をリセットしてみませんか?
そんなわけで…
『ひとつの曲で、
たくさんな、楽しみが満喫できる。
それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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「旋律の美」と言ったら、モーツァルトですね。