アルパカと聴く幸福なクラシック

クラシック音楽が大好きなアルパカが名盤を解説。曲のなりたちや魅力、おすすめの聴き方を解説します。

ラフマニノフ:交響曲第2番「アダージョ」【優しい名盤3枚を解説】癒やしのアダージョの夜…(前編)

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大切な人を大切に想うときに聴きたい♫

静かに想う…長くて深い、

夜の静寂(しじま)と淡い月

 


ラフマニノフ: 交響曲第2番:第3楽章

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「アダージョ」とはイタリア語で、「くつろぎ」の意味。 

音楽用語では「ゆっくりと」という指示として、使われますね。

今回と次回、ふた夜にわたっての、「アダージョの名曲を解説です。

今回は、ラフマニノフ:交響曲第2番の「アダージョ」の解説になります。

【楽曲を解説】ラフマニノフ:交響曲第2番「アダージョ」

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大切な人を思うときに、ふと心に浮かぶ音楽ってありますよね。

このラフマニノフ:交響曲第2番「アダージョ」も、その典型的な1曲と言えそうです。

ラフマニノフ:交響曲第2番、作曲時のこんなエピソードを含む、解説があります。 

作曲者が24歳の時に、発表した第1交響曲が徹底して、酷評されたことは、大きな痛手となり、ラフマニノフはショックのあまり、ノイローゼとなって立ち直れないという事態をも、引き起こしたほどであった。

幸い(中略)催眠療法が成果を挙げ、ラフマニノフは創作欲を回復、1901年に発表した、ピアノ協奏曲第2番の成功は、ラフマニノフをおおいに勇気づけた。

交響曲第2番は、こうして、ラフマニノフの創作活動が、次第に上昇気流にのり、しかも、プライヴェイトな側面でも、1902年の結婚、翌年の長女誕生、さらに1907年の次女誕生と、幸福な家庭生活を背景に、作曲された作品である。

これは、いわば作曲者にとって、もっとも美しい人生の春に、生まれた交響曲ということが、できるであろう。

諸石幸生:文(クルト・ザンデルリンク指揮:フィルハーモニア管弦楽団のCDーライナーノートより)

ラフマニノフ:交響曲第2番からは、人生の底を、経験したからこその「深みと美しさ」そして、「やさしさ」のようなものを感じます。

そして今回、解説する、ラフマニノフ:交響曲第2番の「アダージョ」は、ラフマニノフ:交響曲第2番の第3楽章に、レイアウトされています。

「アダージョ」の楽章は、普通、第2楽章にレイアウトされることが多いですが、第3楽章に「アダージョ」が来ることによって、とてもバランスの良さを感じます

最後の第4楽章は、盛り上がりのある劇的な内容です。

そんなことから、第3楽章の「アダージョ」は、ラフマニノフ:交響曲第2番の、フィナーレをかざる前の、中間に位置する「くつろぎ」の1曲と言えそうですね。

【各楽章を解説】ラフマニノフ:交響曲第2番「アダージョ」

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ここでは、ラフマニノフ:交響曲第2番の、第3楽章「アダージョ」以外、つまり第1楽章と2楽章、それから、第4楽章についての解説をします。

第1楽章 ラルゴ:アレグロ・モデラート(表情ゆたかにゆったりと)

ロシア的な憂いが漂う1曲

運命にあらがおうとして、嵐の中をただ独りゆく。

そんな、孤独な男の姿を思わせる重厚な楽章です。

第2楽章 アレグロ・モルト(きわめて速く)

第1楽章のような憂いはあるものの、テンポが速く、小気味の良い1曲に仕上がっています。

途中で、ラフマニノフらしい耽美な部分も顔をのぞかせます。

しかし、再び、運命の荒波の中を軽快にテンポよく、力強く進まんとする姿がうかがえますね。

第4楽章 速度表記(日本語解説)

フィナーレにふさわしい、勇壮で、元気の出るパンチの効いた1曲になっています。

優美な、ラフマニノフ:交響曲第2番を感動的な記憶にしてくれる素晴らしい楽章です。

 

【3枚の名盤を解説】ラフマニノフ:交響曲第2番「アダージョ」

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クルト・ザンデルリンク:指揮 フィルハーモニア管弦楽団

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アルパカのおすすめ度★★★★☆

全体的には、ロシア的というよりは、ドイツ的な構築感のある、落ち着いた感のある名盤。

リリシズム(感情のあらわれ)に、とらわれすぎないバランスの良さがあります。

「アダージョ」の響きも、「感情を語りすぎない冷静さ」の中に、限りない優しいまなざしを感じる名盤ですね。

「アダージョ」の「ゆっくり」の意味や、「くつろぎ」の本質が、静かな音運びのなかに息づいている名盤です。

ウラディーミル・アシュケナージ:指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

「アダージョ」のロマンティシズム満開。

感性を思い切りくすぐってくる名盤。

のぞみ叶わず、打ちひしがれながらも、その憂いの底を経験するからこそ、見えてくる無私(むし)で、無垢(むく)の境地って、こんな感じなのかもしれません。

どこまでも、悲しみの底を掘り込んでいって、見つかる清冽(せいれつ)で清く、澄んだの泉のごとき心

ロシア人のアシュケナージだからこそわかるラフマニノフの心の深淵

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の超絶に美しいアンサンブルも素晴らしい

そんな名盤です。 

アンドレ・プレヴィン:指揮 ロンドン交響楽団

アルパカのおすすめ度★★★★★

「アダージョ」はもちろん、ラフマニノフ:交響曲第2番の全体としてもバランスの良い素晴らしい名盤ですね。

ザンデルリンクの「静」のバランス感であるならば、プレヴィンのそれは「動」というところですね。

ラフマニノフ:交響曲第2番を全体として、楽しみたい方にオススメ。

もちろん「アダージョ」のリリシズム(感情のあらわれ)も、なんとも言えない胸を焦がすような「透明な悲しみ」に満ちていて、心に残る名盤です。

【解説と名盤、まとめ】ラフマニノフ:交響曲第2番「アダージョ」

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さて、ラフマニノフ:交響曲第2番「アダージョ」の名盤紹介と、解説はいかがでしたか?

のぞみが叶わなくて、つらい時。

日々の重圧で、前に進む力が失せた時。

そんな時は、力を振りしぼって、それでも前進することは、素晴らしいことです。

それでも、悲しみの時、力が出ない時、ふと、立ち止まって癒やしの音楽に、耳を傾けることで、エネルギーが復活することもありますですよ

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

 

今回は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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